幼少期編その1
本日2話目でーす。
ここからが、メインストーリーです。
前回のシーンに至るまでの物語をこれから書いていきます。
いきなりクライマックスを期待させてしまったようでしたら申し訳ございません。
「うわぁあ! スッゲー!」
「凄い!凄いよ!」
「コラッ! テレビから離れなさい! そんなにかじりついてるとテレビが壊れるよ!」
テレビにかじりつき、そこに映る光景に心踊らせ、叫んでいた俺とローズであったが、母に怒られ、渋々とテレビから少し離れる。勿論、隣にいる幼なじみであり、ライバルのローズを牽制し、少しでも自分が有利な位置で見ようとする。
すると、ローズも俺の意図に気づいたのか抵抗を行う。しかし、気づいたのが遅かったな、もうこの段階で出来ることなどそう多くは――なっ!? 体を前に滑り込ませるだと!? それをやったら戦争だぞ!?
次第に俺達はテレビを見ることよりも、お互いに相手よりいい位置取りを行うことに集中していく。
そして、気がついた時には俺達とテレビの位置はさっきより近づいており―――不味いと思った時にはもう遅かった。
「いい加減にせんか! このバカタレどもが!」
―――後ろから気配を悟らせずに歩いてきた母の拳骨が頭に落ちる。
「うぉおおおおお!」
「痛いよぉおおお!」
俺とローズが二人して頭を抑えてうずくまる事になる。
「ちくしょう! 俺は未来の剣聖なんだぞ!」
「あっ、ずるい! 剣聖になるのは僕だよ! ―――っ!」
どうやらローズは俺の言葉に自分の頭の痛みを忘れたらしい。反論してきた。
いや、どうやら完全に忘れていたのでは無いらしい。顔を歪めると再び頭を抑え始めたからだ。
「よろしい! ならば戦争だ!」
「受けてたつ!」
俺とローズは壁に立て掛けてあったお互いの木刀をひっつかむとその場で構え――――た後、外に向かって駆け出した。
―――決して母の睨み顔が鬼と呼ばれる化け物の顔に見えたからではない。決して怖かったからでは無いのだ。剣聖は最強なんだから母に負けるわけにはいかないのだ。
「にしても······さっきの凄かったねぇ」
「あぁ、新剣聖様の十連撃だろ?」
連撃とは、簡単に言えば必殺技である。先ほどテレビでやっていた試合のように模擬剣を使用しないのなら、簡単に相手を死に至らせることができるだろう。
その特徴は、使用すれば体が勝手に剣を振りまわす。それだけでしか無いのだが、その速度は人間の出せる限界を越えているといわれ、どんな体制から繰り出しても謎の力によって一定の力で攻撃ができるので、極端な話使用者がごりごりのマッチョであっても、ローズの様な非力な少女であっても変わらない威力が出せるのだ。
しかし、反面デメリットもあって使用後にごく僅かとはいえ体が硬直してしまう。本当に僅かではあるのだが、一流の剣士にとっては致命傷に成りうる時間硬直してしまうのだ。
体が勝手に動き、相手に向かって剣を振るってくれると言うのは聞こえがいいが、別に追尾機能がある訳でも無く、途中で動きを止めることなできるわけでもない。その為、決して連撃が当たらない範囲まで対退避してしまえば、その場でただ剣を振ってるだけという悲しい状態になり、連撃が終わった後の硬直を狙われてアッサリと負けてしまうという罠もあった。
また、あまりにタイミングがズレすぎていなければ同じ連撃を合わせることで相殺することもできる。
「十連撃かぁ······俺もいつか」
「隙ありぃ!」
「ぐぉ!?」
いきなりとんできたローズの一撃に、俺は再び頭を押さえる。
コイツ······さっき母から攻撃された場所をやりやがった。許すまじ!
「てめぇ! そこに直れ! 今日こそ叩き切ってやる!」
「上等だ! やってみろぉ!」
そう叫ぶと、それを審判の合図とした試合が始まったかのように、お互いに気が済むまで木刀で殴り合う。しかし、まだ子どもだということもあり、すぐに息が上がってしまい、二人して草原の上に倒れこむ。
「はぁ、はぁ、はぁ」
「はぁ、はぁ······ねぇ、エクス」
「はぁ、はぁ――なんだよ?」
息が絶え絶えになりながらもローズが話しかけてくる。
「何時か二人で戦おうね。あの舞台で······そして、勝った方が剣聖になるんだ!」
ローズの言葉に俺は思わず口元がニィとつり上がるのを感じた。
「上等だ! まぁ、俺がローズより先に剣聖になって待っててやるよ」
「むっ! 僕こそ先に剣聖になってエクスを待ってるんだ!」
その後も言い合いは続いたが、この誓いだけは大切に刻み込むことにした。
勿論、先に剣聖になっているのは俺の方だけどな!
一応今作は一人称で話を続けていきたいと考えています。
何かご指摘などあればよろしくお願いいたします。
設定などは後々文中で行っていく予定なので、今は訳のわからない単語があってもスルーして頂けるとありがたいです。