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サザール公国との貿易交渉
知らなかった。
セムニの草は、この国でしか育たず、サザールでは薬草として染料として高額で取引されているとの事。
雑草として処分費を付加して渡していた。
「気づかれてしまいましたか。貴方のお考えですか?スペンサー殿」
サザールの貿易大臣は、残念そうに言った。
「いいえ、優秀な司書がいまして」
皇太子の代理で交渉にあたったスペンサーは、苦笑した。
処分費まで付与して渡していたセニムの草は薬草となって高額で輸入していた。
馬鹿げた話だ。
「皇太子殿下が、ご婚約者をお決めになったとか。可能であれば、ご挨拶させて頂きたいのですが。」
誰かについては、漏れていないようだ。
流石にそんなのことになれば、ロベルタ公爵として黙っていられない。
ロベルタへの不可侵。
「今、お勉強中ですので次の交渉の席でいかがでしょう」
確かに、年頃の公女が居たはずだ。皇太子の側室でも狙っているのだろう。