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くじ引き
女など誰でも同じ、そもそも恋などと言うものは信じていない。
まして、世継ぎを作るための手段でしかない。
「誰でも、同じか・・・」
そうつぶやくと、大量の肖像の中から1つとり、それをカシムに渡す。
「ご覧になられないのですか?」
この執務室の主人の性格を、十二分に知っているカシムは一応聞いてみる。
「女など誰でも同じだろ」
皇太子としての義務だと言われ、月に何度か舞踏会に出席している。
大国の皇太子妃になりたい女がきつい香水の匂いを撒き散らし群がってくる。
うんざりだ。