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短刃の勇者  作者: 惨劇の翼(厨二)
序章 変化
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王国

説明ですね。

「よぉおぉく戻ったなぁあぁ。」


低く掠れた声で王が言う。


「はい、任務は滞りなく果たしました。」


「ご苦労ゾェ、と言ってもあの程度失敗するとは思ってもいなかったゾェ。 すでに我が軍をアインヘッツに向かわせておるゾェ、今頃当主が死んだことに気付いて大騒ぎゾェ、そんな中に軍が攻めてきたらどうなることか…ホッホッホ。」


この国は宣戦布告などといったものはしない、唐突に軍を引き連れて現るのだ。

敵国からすればたまったものではない。だがそうやってどんどんと領土を広めていっているのだ。


この国の王ヘラクレス・ヒット=リーニは(よわい)26にして王となった。その方法は単純で、力で押し潰す。そう神の寵愛を受けたその身で全ての者を叩きのめしたのだ。その肉体は、肩幅、二の腕、胸筋とゴリゴリなのだ。もう一度言おう、ゴリゴリなのだ!そして、この男が受けた能力(ギフト)は、三つ。一つ目は、孤独の王。味方の居ない戦場で肉体能力が5倍に跳ね上がる。二つ目は、支配者。軍を率いた時に、自軍の士気が尽きず、肉体能力も2倍に跳ね上がる。三つ目は、不滅。大怪我を負っても、徐々に再生する。その真紅の瞳に宿す能力の前に、かつての王族は何も出来ずに滅亡、もはや王になるべくしてなった様なものである。そんな男がまともに政治をする訳はなく、圧政に圧政を振り撒いていた所、それに目を付けたウパルーパが、良くも悪くもない政策を打ち出し、宰相の地位に落ち着いた形である。天々信仰教会とも一悶着あったが、金を握らせば何事も無かったかの如く触れられることはなくなった。


「ごぉおぉ苦労、帰って休むがよい。」


「はっ。」


■□


数日後、巨壁都市アインヘッツが落とされたとの情報が(もたら)された。司令塔の無い敵など的でしかなく王の能力(ギフト)が無くとも打ち破るのは容易い。そこで捕虜などを捕らえて奴隷にし国力を増していくのだ。


■□


男は、街を歩いていた。ギシギシと重々しい音を立てながら馬車団が向かってくる。


(アインヘッツに向かった軍か?いや、あれはー)


それは、王国の紋様が付いた馬車であり、捕虜輸送車という名の奴隷輸送車である。


(奴隷共か、運が悪かったな。弱い国に居るからそうなるのだ。)


この時男はまだ知らない。その奴隷の一人に運命を捻じ曲げられるなど…


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