表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

第三話:バンド歴7年の専業主婦の悪あがき

こんどからあらすじを入れる事になりました。

涼子の夫、慎がいきなりバンドを組みたいと訴えてきた。了解した涼子だが、慎の腕前は…。

「バンド組もうと思うんだ」

 急に言われた慎の一言に私は正直焦った。

 確かに慎はワイルドでラップもうまい。でも会社員がバンドってのはどうかと思う。

「なんで、バンドをやろうと思ったの?」

「体験していないことを是非してみたいんだ」

 私は慎の目を見た。ただ一つの道を進みたいという強い目だった。

「別に慎に負担がかからなければ、私は賛成するよ」

「本当か!?」

 私はうなずいた。

「涼子、ありがとう」

 慎は私に抱きついた。私は顔を赤くしてしまった。

「ちょ、よしてよ」

 次の日、ワイドショーでこんなことがやっていた。

「最近、会社員が仕事ついでにインディーズバンドを組む事がブレイクされています。さらに、会社員が組んでいるバンドがCD会社に契約できるバンド大会にでて、CDを売れば、ちょっとした小遣い稼ぎとして大会の参加者も増えています」

「そうゆうことか」

 まーあ、別に慎がドラムをダカダカやってても、かっこいいから小遣い稼ぎぐらい許しちゃう(だまれ)

「それにしても慎、どれぐらいの腕前なんだろう」

 慎が組んでいるバンド(名前はアップジャンプ)が練習しているライブハウスに私は来た。

「失礼しまーす…」

 私が覗くと、慎はベースをひいていた。

「じゃ、あわせるか」

 ボーカルらしき人が言ったら、みんな真剣な表情になった。なんか、オーラがちがうねぇい!!

 ドラムがバチでかんかんってやった後、演奏が始まった。

 な、なんだこりゃ。

 ギターが指使いがバラバラだし、ボーカルは音痴だし、ドラムはリズムがバラバラだし、ベースは、聞こえない。

ベースはピックがないから強く弾かなきゃならない。

でも慎は弱く弾いてる。(バンド歴7年の言葉)

「ばっちりぽくない?」

 いやいやいや、全然なってません。

「まーな」

 ちょいと慎さん。聞こえてないのにまーなっておい。

「明日のライブが楽しみだな」

 ええ!?もうライブ!?結成何年!?てか何日!?絶対こいつら初心者だ。

「ただいまぁ。って!!のわ!!」

 慎が驚くのも無理はない。

何故って?私は玄関でベースを取り出して、楽器屋でバンドスコアを買いあさって、慎の帰りを待っていた。

「な、なんだよ!?この格好!?」

「慎、私、あんたたちの練習姿見たの。あんなんダメ。私は学生時代てか父ちゃんがギターやってたから私もやっているから私、バンド歴七年なの」

「はぁ!?だから?」

「だから、明日のライブをキャンセルして明日からバンドの奴ら全員家に呼んでこい!!私がバンドの厳しさを教えてやらぁ!!」

「あの、晩ご飯は?」

「そんなのいいから特訓だ。特訓!!」

「は、はい!!」

 そうして私と慎の愛(?)のバンドトレーニングを始めた。

「まず、最初はどんな歌をやるん?」

「これ」

 慎はそう言いながらMDを出して、例の大音量コンポに入れた。

「だから修理しろよ」

「それよりバンド!!」

「ああ、自分のため人のために〜♪僕はヒーロー〜♪マントを羽織って飛ぼう♪」

 私は聞いた直後、ギターで指使いを見せた。

「おお」

「おおじゃないわよ!!早く練習!!最小音量でね」

「…………………」

 やはり、ベースは聞こえない。

「聞こえねぇええぇんだよ!!」

「最小音量だからだろ!!最小音量だからだろ!!」

「ご近所の皆様に迷惑でしょ!!」

「じゃあMDコンポはなんだよ!?(泣きそう)」

「それは…まぁ♪」

「うえ゛やぎゃうん!!」

 翌日、案の定バンドのメンバーが来た。

「俺の妻の涼子、バンド歴7年」

「よろしく」

「よろしくお願いします!!」

 なんかいい気分だ。

夢が教師だった私にとっての『よろしくお願いします』は至福のひとときの始まり。

「じゃあ、とりあえずセットを居間に運んで」

「セット?」

「おい、原田、おまえの女房、楽器をセットって言ったぞ」

「そういう奴なんだよ」

 居間になんとか楽器を入れる事ができた。

てか狭いんだよ。さっさとバンドより仕事しろよこの安月給(矛盾)。

「じゃあまず腕前は変わったか見るわよ。じゃあ1234」

 UP-JUMPの演奏が始まった。

 私はあきれた。何故なら全然変わってない。

「ストーップ!!何も変わってないじゃない!!この一日、何してきたのよ」

「あの涼子、どうあがいても一日でうまくなる事は出来ないが」

「知らないわよ!!そこらへんの雑誌の最後にあるでしょう!?すぐ覚えますとか言う暗記術が!!」

「あ、やべ弦切れた」

 ついでに私もキレました。ゴールイン!!

 だってこれ7年の汗と涙の結晶を!!やべで灰にしちゃったんだよあんた!!

「ふざけんにゃああ!!(はい?)」

 翌日、慎に土下座してバンド講座、一日で終了させていただきたいと願った。

「すいません、慎様、私はもう限界です」

「……」

「ほら、私もはんば独学でうまくなったから慎様御一行(?)方もひたすら練習すればうまくなると思うわけで!!(サンボマスター?)」

「分かったよ。ありがとうおわびにお使い行ってやるよ」

「(なぜお使いになるんですか?)嘘!!ありがとう!!」

「とりあえず鮭でいいよな」

「(なぜあなたが決めるのですか?)」

「んじゃ行ってくる」

 慎は敬礼して慎の愛車ローリングハーレー(自転車です)に跨って走っていった。

 ああ、私、今思ったんだけど、解散した方がいいなと思っちゃいました。うん。

 すると、慎が帰ってきた(早っ!!)。しかも手ぶらです。

「鮭は?」

「いや、鮭買ってきたんだよ」

「(早っ!!)」

「そしたら俺のローリングハーレーにドラ猫が乗ってきて二つ共パクられた」

「えっ?」

 と、ゆうことは?

 ピンポーン。チャイムが鳴った。

「はい」

 私がドアを開けると、すごい人だかりが。

「すいません。レコード会社Aなんですが。UP-JUMPを是非私たちにおまかせを」

「どけっ!!いやSの方がおすすめですよ!!」

「いや、Pですよ」

「うっしゃああ!!デビューだ!!!!」

 結局Xに決めました(どこだよ!?)。


ついにデビューが決まったUP-JUMP。全然売れないと決めつけていた涼子にある知らせが…。お楽しみに!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ