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あの日拾った花は 触れてはならない華だった  作者: 日昇
第四章 白き姫編

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十一、密告者をあぶり出す作戦

夜が更けた頃、雪華(シュエファ)の部屋の前に(ハン)の姿があった。

その夜の護衛は勇敢(ヨンガン)孫磊(スンレイ)だった。

雪華の部屋の戸が開き、中から雪華が出てきた。

雪華は穏やかな顔で出迎え、翰の両手を取り、部屋に招き入れた。


「孫さん、厠に行ってきますね」

そう言って勇敢は持ち場を離れた。


ある男は雪華の部屋に聞き耳を立てていた。聞こえてくる二人の会話はまるで逢引している男女のようだった。

「雪華、もう我慢できないです。雪華の全てがほしいです」

「翰兄様なら私の全てをあげます」

二人は互いに熱く抱き合っていた。

翰はそのまま雪華を抱きかかえ、寝台に下ろした。

翰はゆっくりと雪華の衣を脱がしていた。


(前々から劉翰(リウハン)が妹を好いていることは知っていたが、まさか妹の方もだったとは。これは早く報告しないと!劉翰に白き姫が奪われる)

聞き耳を立てていた男は焦っていた。


勇敢が厠から戻ってきた頃、孫磊がお腹を押さえながら、お腹を下したと言って厠へ走って行った。




「急に呼び出してどうした?」

男は劉翰と劉雪華の関係を早口で話した。

呼び出された男も焦り出し、劉家に突入して止めに行こうと提案した。

二人が行こうとした時、目の前に方康と家豪(ジャーハオ)の姿があった。

「やはり、お前だったのか孫磊!」

孫磊ともう一人の男は軍部の者に囲まれ逃げ場がなくなっていた。(イー)陳浩然(チェンハオラン)は二人が逃げられないよう押さえつけていた。

「なぜだ!後をつけられている気配はなかったぞ」

「後をつけたのは僕だよ。僕耳いいから」

屋敷を出た孫磊の後を絶対に気づかれない距離をあけ、忠が後を追っていた。

「なぜ私が劉家の情報を漏らしていることがわかった・・・」


勇敢は雪華がさらわれた二度目の時、意識を失いながらも雪華をさらった者が孫磊に何か渡しているところを見ていた。

その後、怪しまれないように勇敢は方康と顧雄(グーシオン)にお願いし、三人で怪しい動きがないか見張っていた。

すると、何度も外部の者と接触する姿を方康と顧雄が見ており、密告者があぶり出された。


家豪は劉家に密告者がいることに気づいていた。

雪華の誘拐未遂の時も二度目の誘拐の時も家豪が家にいなかったり、人が出払っていたりとまるで劉家の情報が洩れているようだった。

まさか新人護衛たちによって密告者が見つかるとは思ってもいなかった。


「毅、浩然。連れていけ」

二人に自死されないよう、口の中に布を詰め込み、その上、口を覆い、手足を縛り、運んでいった。

「忠もよくやった」

父親に褒められ、本人は隠しているようだったが、うれしさが滲み出ていた。

(しかし、翰はとんでもない作戦を考えるやつだな。雪華への溺愛を逆手に取るとは。たしかに信じ込みやすい作戦だな。)




冰夏は雪華の部屋からそっと戸を開け、外を覗いた。

勇敢が冰夏(ビンシャー)の方を見て、右手を上げて合図をした。勇敢は少し苛立っているようだった。


「お嬢様、作戦は成功です。素晴らしい演技力でした」

雪華はほっとして、脱ぎかけた衣を着直していた。

「翰兄様、演技は終わりですよ」

一向に雪華を離さない翰にしびれを切らして、起き上がったが、翰は雪華を離さなかった。


翰が急に雪華の部屋を訪ねてきたかと思ったら、いきなり私と枕を共にしましょうと言い出した。

はじめは雪華と冰夏は反応に困っていたが、詳しく聞いてみると、劉家に潜んでいる密告者をあぶり出すための作戦だという。

その作戦になぜ翰と怪しい関係であるかのような演技をしないといけないかはわからなかったが、密告者をあぶり出すためだというのだから協力することにした。


「離すのが惜しいです」

力で勝てるはずもなく、雪華は諦めて、翰に寄りかかっていた。

(眠い・・・。このまま翰兄様に寄っかかったまま寝てしまいそう・・・)

その様子を見ていた冰夏は雪華を助けようと小走りで近寄った時だった。

下に落ちていた雪華の衣に足を取られ、転んでしまい、翰の背中を押すように倒れてしまった。


バタン


冰夏は翰に謝りながら、顔を上げた。

冰夏の目には思いもよらぬ光景が飛び込んできて、思わず両手で目を覆った。

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