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あの日拾った花は 触れてはならない華だった  作者: 日昇
第四章 白き姫編

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十六、親と子、義兄弟、義姉妹の絆

普段は客間として使用している部屋に劉(リウ)家一家は集まっていた。

家豪(ジャーハオ)、琳琅(リンラン)、毅(イー)、翰(ハン)、忠(チョン)、雪華(シュエファ)。そして、逸美(イーメイ)も呼び出されていた。

翰は自分の出生の秘密を皆に明らかにした。


一番衝撃を受けていたのは、家豪だった。

「お前が、志明(ヂーミン)様の子?本当なのか、琳琅」

琳琅は黙って頷いた。

「私と血のつながりがあったの劉家ではなく、義姉上のほうでしたね」

逸美は驚いた表情のまま、混乱していた。

「翰が私の従姉弟?月亮の従兄弟?」

「ということは翰兄が雪華と子供作っても問題ないんだね」

毅は咄嗟に忠の口を塞いだ。

(やっと母上の言動が理解できた。母上は翰と雪華との血のつながりがない事を知っていたから、翰が雪華に対し、過剰な愛情表現をしていても止めなかったのか)

毅は琳琅が翰の行き過ぎた行為を止めなかった理由に納得していた。

琳琅は、そうね、問題ないわねと優しく微笑んでいた。

翰と雪華は目が合ってしまい、先程の口づけを思い出したのか、お互いに目を背けた。

その様子を見ていた、逸美は二人の関係がわかってきた。

(今までは翰が一方的かと思っていたけど、雪華も翰を意識しているようね。月亮(ユエリャン)にとってはとてもよくない状況ね)

逸美は弟の月亮を応援したい気持ちはあるが、一番は雪華自身の気持ちを大切にしてほしいと考えていた。

「で、翰。これからお前はどうするんだ?」

家豪はこれからも翰が自分の息子としていてほしい気持ちがあったが、翰自身に決定は委ねることにした。

翰は笑顔を見せながら、

「父上は私が皇弟の子だと知っても変わらず父親として話してくれました。母上は二十年もの間、ずっと私の母親でした。いまさら、皇族になるつもりはありません。明日、皇上に自分自身について話してきます。皇上にもお願いするつもりです。このまま劉翰として、劉家豪と楊琳琅の息子として生きていきたいと」

家豪は目を隠しながら泣いていた。琳琅も翰の言葉を聞いて、涙を止めることができなかった。

(柔さん、あなたの息子は立派に育ちましたよ。強い意志を持っているところはあなたにそっくりですよ)

「翰、気をつけろ。お前の父は何者かに殺されている。お前が皇弟の子だと知れたら、お前も命を狙われる。お前は強いが弱点もある。油断するな」

「はい、肝に銘じます」

毅と忠はひそひそ話していた。

「翰の弱点って何だと思う?」

「えー、翰兄に弱点とかあるの?」

家豪は二人の様子に気づき、何か言いたいことがあれば声に出して話せと二人をたしなめた。

忠は思い切って家豪に聞いた。

「翰兄の弱点って何ですか?」

家豪と琳琅は顔を合わせて大笑いしていた。

「毅、忠、それだから翰に勝てないのだぞ。翰の弱点は一つしかないだろ」

そう言って家豪は顎を動かして、とある方向に目を向かせた。

毅と忠がその先を目線で追うと、雪華だった。

二人は、なるほどと言って納得した。

忠は悪い顔をし、立ち上がり雪華に後ろから抱きつき頬ずりした。

「なるほど、翰兄の弱点は雪華でしたか」

と翰の方を見たら怒りの炎が見えていた。

忠はあまりの恐ろしさに恐怖を感じ、雪華から離れ、冗談だからと後ずさりした。

忠はこの後、自分がしたことを後悔することとなった。




「お嬢様はどちらが好きなのですか?翰様?それとも月亮様?」

にやけた顔で雪華の髪を梳きながら、楽しそうに冰夏(ビンシャー)は話していた。

(人の気も知らないで・・・)

外から雪華を呼ぶ声がした。冰夏が戸を開けると、そこには逸美の姿があった。


二人は茶を飲みながら話していた。

「で、雪華はどっちを選ぶの?月亮?それとも翰?」

雪華はため息をつき、うなだれていた。

「義姉上、私は月亮様と婚姻するのですよ。今さら選べませんし、選ぶ権利もありません」

「その言い方だと選べるのなら翰を選ぶように聞こえるわよ」

雪華は、はっとした驚いた顔で逸美を見た。雪華は頭を抱えていた。

「若奥様、私が悪いのです。私があんな事故を起こしたから。お嬢様は翰様を意識されてて・・・」

雪華は冰夏を見て、それ以上言わないでよという圧をかけたが一足遅かった。

逸美は冰夏にその話聞かせてくれるかしらと言って、冰夏にあの日の出来事を全て話させた。

(やはり、義姉上は翰兄様の従姉弟だ。脅す時の目が翰兄様と同じだ)

逸美は冰夏の話を聞き、思わずお茶をこぼしてしまった。

「雪華、翰と口づけしたの。その一回だけ?」

雪華は隠しきれないだろうと判断し、正直に話した。

「二回・・・です」

「二回も!まさか二回目は雪華から・・・」

「違います!」

逸美はおどおどしている雪華の様子を見て、優しく手を握った。

「雪華は安心したのでしょ。翰が実の兄妹ではないとわかって。それと、あとは悩んでる。月亮との婚姻は決定事項だけど、翰のことが気になっている自分がいる。雪華がこの国にとってどんな役割があるか私は知らないけど、そのために自分の気持ちに嘘をついてはだめよ。私としては月亮と一緒になってほしいけど、雪華の気持ちが大事だから。もし、雪華が月亮を選ばなかったら、月亮は婚姻の解消を皇上に願い出ると思うわ。月亮もあなたのことを大事に思っているし、あなたの気持ちを第一にしてくれると思うわ。前にも言ったかもしれないけど、私は雪華を本当の妹ように思っているわ。だから、悩んだら姉である私に話して」

雪華は逸美に抱きついた。

「義姉上、ありがとうございます」

逸美は雪華にとって、唯一本音で相談できる大きな存在となっていた。

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