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勇者パーティーの仲間に魔王が混ざってるらしい。  作者: かませ犬
第三章 相死相哀ノ殺シ愛

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101.愛は重たいほど良い

更新が遅れて申し訳ございません。少しばかり執筆に時間がかかりました。いつもより少し長めです。

ちなみに後半は読み飛ばしても特に影響ないです。

 胃に優しいハーブティーなんかを飲みたい。そんな欲求を抑えながらティエラとの会話を進める。俺がマクスウェルの事で気になった所為で話が随分と逸れてしまった。改めて彼女から魂を剣に移した後の事を聞いた。

 俺も少しばかり気になっていた話だ。亡くなった者の魂が物へと宿る。セシルであったり、身近な者でいえばルークの奥さんだったりもそうだ。

 この世に対する未練、あるいは親しい者に対する強い思いがある場合に魂はこの世界に残留する。物が魂に宿るのは残留した魂を神が導いているからだと言われているが、詳細は分かっていない。

 俺が気になる点というのは同じように物に魂を移したというデュランダルが喋れる理由だ。ルークから聞いた話では魂が物に宿っても喋る事はないと言っていた。夢の中に時たまに出てくるくらいだと。


 彼女が俺の夢の中に出てきた事はない。代わりに当たり前のように喋る事が出来る。ティエラ以外の者との違いがあるとするならばそれは彼女が亡くなっていなかった点だろうか?

 生きたまま物に魂を移したのティエラ一人しかいない。その理由は単純だ。魂を操る魔法、その使い手がこの世界に一人しかいないからだ。それが誰かは言わなくても分かるだろう。彼女の魂を移した張本人マクスウェルのみがその魔法を使う事が出来る。

 そしてティエラに使用した以降は禁忌の魔法として扱われ、二度と使われる事はなかった。使い手がいない以外にも何か理由がありそうだが、それについて考えた所で答えは出ないだろう。

 魔法によって魂を移したからこそティエラは喋る事が出来るのだろうか? それ以外に理由があるのだとすれば彼女が転生者だと言う事くらいだろう。気になってティエラに聞いてみたが、彼女もまた理由は分からないそうだ。


「この剣に魂を移したあと私は真っ暗な闇の中を漂っていた。夢の中にでもいるような虚ろな意識だったな。きっかけが無ければ私はずっと闇の中にいたかも知れない。私が目を覚ます事が出来たのはコバヤシのお陰だ」

「コバヤシの?」

「闇の中でコバヤシの声が聞こえた。その声に導かれるように私は目を覚ました。そして悪夢をみた」

「…………」

「目が覚めた時、私の刀身(からだ)はコバヤシの血で染まっていた。私の刀身(からだ)戦友(とも)の心臓を貫いていた。私の意思は無かった等と言い訳はしない。私がコバヤシを殺した」


 己の罪を懺悔するような口調。俺はその言葉を否定したい。言い方は悪いが魂を移した後の彼女はどこまでいっても道具に過ぎない。喋る、そして意思がある。確かに彼女は特別は剣だ。だけど、それだけだ。意思を持ち喋る事が出来てもティエラの意思で動く事は出来ない。

 全ては剣の持ち主に委ねられる。何より目が覚めたばかりの彼女には何も出来なかっただろう。コバヤシを殺したのはティエラではない。彼女の持ち主だ。


「変に励ますような真似はしなくていい。私も分かっているさ。意味のない後悔だと言うことはな。コバヤシにも言われたよ。気にするなと」

「俺でもそうしたと思う。親友に思い詰めて欲しくないからな」

「バカな奴が多くて困るな。私なんかの為に命を捨てていく。テスラもコバヤシも…」


 彼女の夫であるテスラは勇者の剣からティエラを庇って亡くなった。テスラが居なければティエラの命はなかった。彼は命を賭してティエラの未来を繋いだ。そこに後悔などないだろう。

 コバヤシは彼女と共に立ち上がり魔族の為に戦ってきた。勇者パーティーの者にデュランダル(彼女)を奪われ、コバヤシは一人で勇者パーティーと戦った。全ては親友を取り戻す為。それが彼の死因へと繋がったとしても、彼がティエラを責める事はないと断言出来る。

 その事を伝えれば彼女は可笑しそうに笑った。俺が言わなくてもティエラなら分かっていた事だろう。それでも罪悪感から受け止められなかった。俺の言葉で少しでも心の重荷が下りて欲しい。


「タケシと同じ事を言うんだな」

「タケシさんも同じように励ましたのか?」

「そうだな。タケシの場合は妙な例えの所為で分かりにくくはあったな。それでも私は悪くないと否定していたよ」


 どんな例えか聞いてみればアニメのキャラの台詞や漫画のシーンで例えたらしい。が、肝心のティエラはそういったジャンルには疎かったようでコイツは何を言っているんだと思ったそうだ。共通の知識がなければ例えとしては成立しないからな。

 タケシさんらしいと言えばらしいのだろう。良くも悪くもタケシさんが俺たちに与える影響は大きいらしい。彼の言葉を思い出したお陰か何時もの口調でティエラは言葉を続けた。


「運命という言葉があり、それを操る者がいる。偶然は必然となり私は幾度と転生者の手に渡った。コバヤシを殺した男もまたミラベルがこの世界へ送った転生者の一人だった」


 二代目勇者パーティーの一人。転生者である事までは分かっていなかったが、彼女が話す内容に該当する者が一人いた。仲間に裏切られ悲惨な死を遂げた剣士、他の転生者の例に漏れず穏やかな最後ではなかったようだ。

 コバヤシを殺した男だという事もあり、その転生者に対する愛着などはなかったらしい。淡々と話を続けていた。彼女はミラベルに一矢報いる為には転生者の協力が必要だと考えていた。当然と言えば当然か。自由に動く事の出来ない彼女は他の者の力を借りなければ事を起こせない。ミラベルに対抗するにしてもその脅威を認識出来なければ協力を得る事は出来ないだろう。

 現地の者ではミラベルは遠すぎる存在だ。彼女の存在を知っている者の方が少ない。そして何より現地の者にとってミラベルは脅威ではない。ミラベルが干渉するのは転生者だけ。転生者が作る人生(ストーリー)こそがミラベルが見出した娯楽であり、俺たち転生者にとっての脅威だった。


 幾度と転生者の手に渡ったティエラであったが、ミラベルの脅威について話したのはコバヤシとタケシさんの二人だけだった。コバヤシはシルヴィの件からミラベルに対して不信感を持っていた為、ティエラの言葉を信じてくれた。タケシさんについては語る必要はないだろう。

 他の転生者に関してはティエラの判断で話さないと決めた。デュランダルとして転生者の手に渡り彼らと話し信頼関係を築くと、転生者のミラベルに対する狂信とも言える思いに気付いた。


「実験台として送り込んだ私とコバヤシとは違い他の転生者に対してはミラベルに依存するように仕向けていた。転生者の性格によって干渉する時期は異なるが絶望から救いあげるように転生者の前に現れる。それまでの無干渉が嘘のような献身的な彼女に転生者は皆心を許していた」

「俺も同じだな」

「そうだな」


 タケシさんが残した言葉を見るまではミラベルの事を疑う事をしなかった。家族を失い初めて人を殺した日、俺は罪悪感と後悔で深い絶望に染まっていた。ティエラが言うようにミラベルによって俺は絶望から救われた。

 現れた当初は今更出てきて…なんて思いもあった。だが何度も彼女と会う内にその想いが薄れていき、俺の事を思って助言してくれるミラベルに心を開いていった。彼女の助言が俺の力になったのも大きいだろう。

 これまでの人生で何度も壁にぶつかってきた。その度にミラベルが道を示してくれた。彼女の言葉に従うと不自然な程に上手くいった。その成功体験が依存に繋がったのだろう。


「女神の言葉と魔王の言葉、どちらを信じる?」

「それは…」

「言わなくてもいい。信じるべきは女神の言葉だ。ミラベルの事を信じきっている転生者に脅威を訴えても信じる事はない。それが分かっていたからこそ私の事を泳がせていたのだろう」

「俺もそうなっていたかも知れないな」


 魔族の脅威は世界に傷跡として残っている。魔王という存在は世界共通の巨悪だ。勇者パーティーの一人である俺が魔王(ティエラ)の言葉を信じただろうか? 女神(ミラベル)魔王(ティエラ)のどちらを信じるか、その2択を迫られた時俺は女神(ミラベル)を選んだ可能性が高い。

 ───これまでの旅で魔族の嫌らしさを味わった。魔族の狡猾さをこの身をもって味わった。魔族を信じてはいけない。魔族は嘘つきだ。

 魔王(ティエラ)の言葉を信じる事はなかっただろう。タケシさんの言葉がなければ。


「タケシと出会えたのは私にとって幸運だった。変わった男ではあったがミラベルの事を狂信していなかった。私の言葉を鵜呑みにするようなバカでもなかった。見た目に反してタケシは英雄と呼ぶに等しい精神を持っていた」

「そうだな、彼は間違いなく英雄だった。タケシさんの言葉だから俺も心が揺さぶられた。ミラベルを疑う事が出来た」

「タケシのお陰でこうして私はカイルに話す事が出来た。ずっとカイルに伝えたかった」


 ティエラの声の音色が変わった。威厳を感じる声の音色から柔らかく心を落ち着かせるような優しい声。その声は記憶の中に残る母親やリゼットさんの声に酷似していた。


「ミラベルの脅威だけではない。カイルに私の事を打ち明けたかった。私の事を聞いて欲しかった」

「ずっと我慢してきたのか?」

「あぁ、そうだ。偽りの私として接するの嫌だった。それでも素の私では相手を威圧してしまう事は分かっていた。魔王として生きた私は普通とは違う。そういう加護をあの女に与えられている。デュランダル(偽りの自分)として接するしかなかった」

「デュランダルとして俺と接するのは嫌だったのか?」

「別の自分を演じるようなものだ。言葉を伝える事は出来ても虚しさは残った。本当の私としてカイルと話がしたかった。ずっと…」

「ティエラ…」


 魔剣(デュランダル)として過ごした彼女との日々は決して短くない。だからこそ魔王(ティエラ)として接する彼女に違和感を感じて距離を取ってしまっていた。魔族である事、王である事を思い知らしめる威圧感。同じ転生者であっても彼女とは格の違いを感じた。それが彼女との心の距離となった。話している内にティエラも気付いたのかも知れない。

 言い訳は出来ない。デュランダルとティエラとでは自分でも分かるくらい接し方が違った。

 それが彼女を悲しませていることに漸く気付いた。


「カイル…魔王としてではない。同じ転生者としてでもない。一人の女としてお前に伝えたい」

「分かった。ティエラの言葉として受け止めてみせる。何でも言ってくれ」

「ありがとう」


 心を落ち着かせるようにティエラが一呼吸置くのがわかった。

 

「私はカイルが好きだ。愛していると言ってもいい。それは私としての嘘偽りのない言葉だ。

魔族であり、魔王である私の言葉は信用出来ないかも知れない。それは私も良く分かっている。だから信じて欲しいとは言わない。ただ知っていて欲しい。私の言葉を。私の想いを。

重たい女と思われるかも知れない。それは私も自覚している。それでも私はカイルを思う事を止める事は出来ない。初めてカイルと会ったあの時から私はカイルとの運命を感じていた…。

カイルとなら世界を変える事が出来ると直感が告げていた。それはこうして話して確信へと変わった。断言出来る。カイルとなら世界を変える事が出来る。ミラベルに操られ決められた運命ではない、私たちの運命を歩く事が出来る。共に歩いて欲しい。いや、カイルが歩む人生に寄り添わせて欲しい。私の想いは重たいだろうか? 出来ればそうではないと否定して欲しいが、重たくないか? それなら嬉しく思う。

私はずっと待っていた。共にミラベルに抗う事ができる転生者を。カイルだけではない。タケシやその他の転生者の手に渡り彼らの人生を見届けてきた。その全てが私の望むものではなかった。想いを共にする者たちではなかった。

タケシを除いて皆が皆、ミラベルの操り人形にすぎなかった。過去の私を見ているようで嫌気が差した。ミラベルの操る糸から逃れようと必死に足掻き、それが全て無駄に終わったのが私だ。タケシもまたミラベルの操る糸から逃れる事が出来なかった。誰もがミラベルの手から逃れる事は出来ない。腹立たしい事ではあるが理解していた。

だがカイル、お前は違う。多くの転生者を見てきたからこそ分かる。カイル、お前は特別な存在だ。私や他の転生者とは違う。真に神に愛され、神に育てられてきた者だ。その魂の輝きは他の転生者とは、私達とは明らかに違う。

カイルならミラベルに抗う事が出来ると断言出来る。まて、誤解はするな。ミラベルに抗えるから、共に戦えるからお前を想っている訳では無い。

私はな、心の奥底からカイルに惹かれている。何度でも言おう。私はカイルが好きだ。共に過ごしていく内にその想いは強くなった。偽りの私ではあった。それでもカイルから向けられる言葉がたまらなく嬉しかった。カイルから向けられる信頼が心地良かった。だからこそ葛藤があった。私は魔王だ。カイルにとって宿敵の一人だ。私の正体がバレればカイルとの関係が終わってしまうかもしれないと思った。カイルと今までのように話す事が出来ないかも知れない。最悪の未来だ。受け入れたくない現実となっただろう。

それでもカイルに私のようになって欲しくなかった。ミラベルの操り人形で終わって欲しくなった。余計なお世話だっただろう。それでもカイルの事を思ってここに導いた。いや、カイルの事だ。私やタケシの助けが無くてもあの女の操る糸から抜け出す事が出来ていただろう。私達がやった事はその時間を少しばかり短縮しただけだ。カイルなら私たちの介入が無くとも世界を変える事が出来ただろう。カイルにはそれだけの力がある。

本音を言おう。カイルに本当の私を知って欲しかった。魔王(ティエラ)である私を知って欲しかった。カイルに偽り続けるのが胸が裂ける程苦しかった。カイルの前では素の私でいたい。素の私を愛して欲しい。愛し合いたいと思った。

何故私がこれ程カイルが好きか気になるか?女にそんな事を言われるのは褒められた行為ではないが、カイルになら幾らでも話して構わない。いや、カイルに聞いて欲しい。

そうだな、まずは顔がタイプだ。その透き通るような碧眼が好きだ。覚悟を決めた強い瞳も、心が揺さぶられ涙に濡れる瞳も、愛する者に向ける情愛の瞳も全部全部大好きだ。その瞳を私だけに向けて欲しい。私だけを見てほしい。

瞳だけではない。その口が紡ぐ優しい声が好きだ。仲間に向ける頼もしい声も、悲鳴も怒声も愛の言葉も全てが好きだ。カイルから注がれる魔力に愛を感じた。違う? そんな訳はない。あれ程の充実感は性感でも感じた事はない。カイルから注がれる愛だからこそアレほどの充実感を得ることが出来たのだと断言出来る。

他の者に魔力を注がれても何も感じなかった。カイルだけだ。カイルだけが特別なんだ。

お前と過ごす時間は特別だった。前世の時と同じように穏やかな時を過ごす事が出来た。平凡な会話すら愛おしい。意味の無いやり取りすら楽しかった。この世界に転生して前世の事を、幸せだった記憶を思い出させてくれたのは他でもないカイル、お前だった。この幸せを失いたくない。奪おうとするミラベルが許せない。私にとって何よりも大切なカイルを苦しめるあの女を惨たらしく殺してやりたい何度も思った。

この命にかえてもカイルの運命だけ護ってみせる。私に護らせて欲しい。そう重く捉えなくていい。ただの私の我儘だ。私が勝手にやるだけだ。深く考える必要はない。

気になる事がある?何でも言ってくれ、嘘偽りなく答えよう。

テスラの事が気になるのか? 確かにあの男とは夫婦の関係だった。カイルが気にするのも理解出来る。そうだな、愛していたかどうかで聞かれれば…。愛していたよ。鬱陶しいと感じる事もあったが私の事をあそこまで想ってくれたのはあの男だけだ。テスラとの関係の始まりこそ良くはなかったがテスラのお陰で私は前に進めたのだろう。テスラとアデルの存在があったからこそ私は立ち止まる事無く私として歩み続ける事が出来た。テスラには悪い事をしたと想っている。最後まで素直になれなかったからな。最後くらいは私からも伝えるべきだった。それだけが後悔として残っている。

今の私に出来る事はテスラが最後に私に残した言葉を無駄にしない事だろう。あの男は最後まで私の幸せを願っていた。本当にバカな男だ。死の間際…自分で言っておきながら嫉妬の感情が見え隠れしていた。その言葉か?『自分が死んだ後、良い人がいたら俺の事を忘れても構わない。幸せになって欲しい』、そう言っていた。ふざけた言葉だろう。

私には幸せになる資格などない。そう思っていた。愛する者に愛の言葉も言えない愚かな女だったからな。テスラに幸せになって欲しいと言われても、それが実現出来るとは思えなかった。何度か夢の中に出来たよ。その度に悲しい顔をしていた。苦しむ私を見たくないと何度も言われた。私はな、苦しんでなどいなかった。もどかしくはあっても苦しみよりも怒りが強かった。憎しみが強かった。ミラベルに対する執念の方が強かった。あの女に一矢報いてやる、必ず後悔させてやると決めたからこそ今も亡霊のように生きている。だがテスラからすれば私にそんな思いをして欲しくなかったそうだ。

普通の女として普通の幸せを掴んで欲しかった。そんな事が無理だと分かっている癖にな。

幸せなど遠の昔に諦めたさ。前世で感じた幸せもミラベルによって奪われ、今世においては絶望から始まった。その絶望の中で掴んだ微かな幸せすら奪われた。私の手の届かない所でアデルも亡くなった。幸せを感じる事など出来る筈ない。そう思っていた。カイル…お前に出会うまでは。お前は知らないだろうが夢の中で出てくるテスラはカイルになら任せられると言っているぞ。嫉妬丸出しの表情だがな。私を幸せにしないと呪うとも言っていたが…。いや、テスラの事は気にしなくていい。

それに私を幸せにしてくれとは言わない。好きと言って欲しいとも、愛して欲しいとも言わない。ただ、カイルに幸せになって欲しいと心から想っている。カイルの幸せこそが私の幸せだからだ。

本心で言えば私はカイルと共に人生を歩みたい。カイルの為に生きていたい。デュランダルとしてではなく、ティエラとして。私の全てをカイルに捧げたい。今の私にはこの()しかないが、コバヤシが私の肉体を保存してくれている。いずれはその肉体もカイルの好きなようにしてくれて構わない。私の全てを手に入れて欲しい。遠慮はいらない。それに要らなくなった捨ててくれても良い。そんな事はしない? 嬉しい。カイルにそう言って貰える事が何より幸せだ。

私はカイルの為なら世界の全てを犠牲にしても構わない。カイルの為だけに私の力を使おう。私の全てをカイルに受け取って欲しい!何度でも言おう私はカイルが好きだ。心の底から愛している。

だからお前の生涯を私に支えさせてくれ」


 ───何でも言ってくれと言ったが、その告白は受け止めるにはあまりに重たかった。

 

という事でノエルに続いて2人目の怪文書ですね。

スマホを変えたり諸事情もありましたが、更新が遅れたのは大体はこの怪文書の所為です。


元々高かった好感度が天元突破しました。

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[一言] そんな…数少ない常識人枠と信じてたのに!
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