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後編

 無声映画時代のスター鈴木伝明は1900年生まれ。

 元水泳選手の明るいスポーツマンタイプの二枚目。

 岡田時彦、高田稔と並び松竹三羽烏と呼ばれた大スターだ。

 高田稔さんはぼくが少年時代に観ていたウルトラ・シリーズにも顔を出していたので覚えているし、岡田時彦は娘の女優岡田茉莉子さんと現場でご一緒したこともあるので身近に感じていたが、鈴木伝明だけはその後どうなったのか知らなかった。

 近所のスーパーで知り合った野村さんというおばあさんによると、その鈴木伝明の霊がぼくに憑いていて指導霊として働いているというのだ。

 伝明はおばあさんの初恋の人だそうで、それがきっかけになって時々野村家にお邪魔したりして家族ぐるみのつきあいが始まった。

 去年の暮れ、ロケでしばらく家を空けた後、お土産の饅頭を持って野村家を訪れると娘さんが出てきて、

「みぶさん、母は一週間前に亡くなりました。伝明さんがお迎えに来てくれた、と言い残して眠るように静かに……」

 思わぬことに涙が出てくる。

 仏壇に線香をあげさせてもらい、お土産をお供えした。

 それ以来、所謂“見える人”に見てもらったこともあるが、鈴木伝明が憑いてるという人はいない。

 

 おばあさんと一緒に行ってしまったようだ。

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