第1話 百合に割って入ろうとするゴミクズ男
「やぁ龍崎さんと蛇野さん! 俺とカラオケ行こうぜ!」
俺は◯◯大学校の美女2人組の龍崎久留美と蛇野志歩に声をかけた。
「黙れ。ゴミクズふぜいが女神である私達に話しかけるな」
――お! 龍崎さんは今日も態度悪いね!
龍崎久留美。蛇野志歩には笑顔で話すのに、それ以外の奴にはとにかく態度が悪い。幼い子供、年上の先輩、初対面の人などにも容赦なく罵声や怒声を浴びせる。そんな態度のせいで仲が良い人が蛇野志歩しかいない。だが、態度を改めるつもりは全く無いようだ。
「私達は女神じゃないよ久留美ちゃん。私達は単に特別な存在なだけ。まぁ、この身の程をわきまえない男がゴミクズなのはその通りだけど!」
――蛇野さんも態度悪いねぇ!
蛇野志歩。龍崎久留美と自身を特別視していて、それ以外の奴の事はゴミという感じで見下している。お世話になった人、総理大臣、大富豪などの事も見下している。あからさまなその態度のせいで仲の良い人が龍崎久留美しかいない。その態度を改めるつもりは全く無い。
龍崎久留美と蛇野志歩は手を繋いで、俺から離れた。でも、俺は2人を追う。
――美女2人と一緒に楽しくカラオケしたいんだ!
すると、龍崎久留美は軽蔑するような目で、
「来るなゴミクズ。ゴミクズといると気分が悪くなる」
蛇野志歩はゴミを見るような目で、
「消えてゴミクズ男。私達の間に入ろうとしても駄目だから。カラオケなら他のゴミクズと行けば?」
――うっわ! この人達の罵倒は容赦ないな! 俺みたいに美女の罵倒がご褒美だと思えない奴だったら怒るか悲しむだろうなぁ。
「俺は君達と楽しく過ごしたいだけさ!」
俺はとてもキザな態度で言う。すると、蛇野志歩は俺の方を向いて両手の中指を立てた。龍崎久留美は俺に近づいてきた。そして――
「お! 龍崎さん! 俺とカラ――あ」
龍崎久留美は俺の股間を猛烈な強さで蹴った。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「気持ち悪い。さっさと死ね」
大事なところを蹴られて倒れこんだ俺の顔面を龍崎久留美は強く蹴った。龍崎久留美はすぐに蛇野志歩と手を繋いで、その場を去った。
――……待ってくれぇ……。俺はただ……。
俺の意識は消えた。
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――……ん? ここは?
牢屋の中で俺は目覚めた。どういうわけか牢屋にいた。俺がいる牢屋の中にはとても可愛くて幼い女の子がいた。
――わお! 可愛い女の子だ! 俺の好みだぜ!
俺は女の子を見てにやけた。すると、その女の子はニッコリ笑って、
「虎川大輝。貴様は龍崎久留美と蛇野志歩のカップルに割り込もうとした。そんな貴様は即刻死ぬべきである」
「……はぁ?」
――この子は何を言ってるんだ? あの2人がカップルなのは分かってるけど、いいじゃん割り込んでも。仲良くなりたいんだ。
「言っておくが、貴様の思考は全て聞こえている」
――思考が聞こえてる!? 超能力者か!?
「カップルで過ごす大事な時間に土足で踏みいろうとする愚か者。2人を引き裂こうとする悪魔。私が2人のために貴様を殺す」
「俺は龍崎さんと蛇野さんと――」
俺が発言を終える前に前後左右上下から突然現れた浮遊しているガトリングガンが俺を10秒間撃った。
俺の体はバラバラになった。
「私は数多いる百合神の1柱。他の百合神の手を汚さぬように私が貴様を殺したまでだ。これは貴様の夢であって夢ではない」
◯◯大学校に放置された虎川大輝は誰にも助けられないまま死んでしまった。百合カップルに割って入ろうとした罰である。
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「やったな志歩! あのゴミクズが死んだようだ!」
「そうなの? 当然の報いよね。私達の世界に入ろうとしてくるのが悪いんだから」
「そうだな! ゴミクズ地獄行き記念として今からヤっちゃおうか!」
「……そうね。ヤろっか!」
龍崎久留美と蛇野志歩はその後、気持ちいい時間を過ごした。2人で一緒にイったのだ。