ミソラ 王都に帰る その7 南ロータスは楽しい(第二回ミソラ杯水泳大会不発??)
水泳大会不調です。
「うわ、初めて食べたけど蟹って美味しいね」とミルル。マナーどころではなくカニがテーブルに散らばっている。
「ミルル、上品にね」とルナ。
「えへ、蟹って食べにくいよね。それに集中していると会話も無くなって」
「楽しんでください」と給仕係。
「ミルル口にカニが」とルナ。
「えへへへ」
そこに知った顔の元料理長がやって来た。
「ミソラ様、ドネルグ様、どの料理がお気に召しましたか」
「いろいろ堪能させて頂きました」とミソラ。実際どれも美味しいのだ。
「うーんと僕は「カニグラタン」かな。ミルクの濃厚な風味とバターにカニの風味が負けていない所が旨い」
ドネルグ・・グルメリポーターなのか。
「おお!!そうですか。「カニグラタン」は一番工夫させて頂きました」と喜ぶ元料理長。
「あと、塩ゆでした物も美味しいですが、少し趣向を変えて「カニ」押しではなく例えば「海老」とか魚のムニエルとかあれば最後まで飽きずに・・」
「ドネルグ、それ今度作って!!」とミルルが目を丸くしてドネルグを見ている。
「みんな満足した??」ミソラはみんなに聞く。
「とっても」ミルルが代表で答える。
「元料理長、みんな南ロータスの料理に満足していますよ」とミソラ。
「それはそれは、ありがとうございます」礼を言う元料理長であった。
「みんな、明日は水泳大会するよ。みんな水着は買ったよね」
「「「はーい」」」
「僕は前回のがあるから」とドネルグ。やはり心配の様だ。ミソラの水泳大会は・・・
(死人が出なければ良いが・・・)恐ろしい・・
・・翌日・・
「あーいい天気。水泳日和だね」と部屋でおきたミソラ。
階下に向かい朝食を・・
「あっドネルグおはよう」
「ん。ミソラおはよう。今日は死人が出ない様に願うよ」
「やだな。ドネルグそんな事にならないよ」
「いや、ミソラが張り切ると死人が出そうで」
「はははは。心配性だな」
ミソラ・・・自重は必要だぞ。
前回の水泳大会では、ミソラは「犬かき」しかできなかったのだが・・・
今回はタミルがいない分ミソラは楽勝と思っている様だが。
ミソラはホテルの受付から、慣れた様にホテルのプライベートビーチ利用券を人数分貰っている。
「みんな揃ったらビーチに行こう」やたら張り切るミソラ。
それから30分程してみんな朝食に現れ、ミルルからビーチ行くと説明を受けた。
約1時間後、ホテルのフロント前に集合し、ミソラ先導でホテルのプライベートビーチに向かう。
前回の水泳大会で慣れていたミソラは、
「え~と、青テントが男子の更衣室ね、となりの赤は女子だよ。さー頑張ろう」
男子と女子に別れ着替えを始める。
「ミソラ、私泳ぐの初めて」とミルル。
「私も2回目」とミソラ。
「えっミソラ泳げるの」
「うーん。大丈夫と思うけど。ルナは泳げる??」
「私?私は王都育ちよ」
「と言う事は、ミルルと同じで泳げない?」
「そうよ」
「あらら」
「王都で生まれる庶民は、南ロータスとか海のある街には普通行かないから、泳げなくても無理はないよ」とルナが反撃する。
「そっかー。でも楽しいからね」
メンバー全員が水着を着て集まって来た。
「みんな怪我しない様に、準備体操するよ」
ミソラの掛け声で体操が始まる。
「イチ、ニイ、サン、シー・・・・」
みんなはミソラを真似て体操をする。そもそも体操なんぞした事がない。
「よし、海が初めての人は浅い所から体を慣らしていって、徐々に深い所にね」
「わー白い砂浜に青い海!!絵本で読んだ通りだわ」とミルル。
「本当だね。王都もいいけど南ロータス最高だ」ミルルにつられてドナも燥ぐ。
ルーマは海水に足をつけて、「意外と温かいな」と慎重だ。
ミソラは海水につかり、犬かきをしてみる。
「順調順調」
メンバー全員が海に入った事を確認したミソラは、
「泳げる人はあの柵迄競争ね」
ミソラの無茶が始まった。
「よーい、ドン」
懸命に犬かきするミソラ。今回はタミルがいないから楽勝である。
「よし一着」とミソラが言うが、ついて来たのはドネルグだけだ。
他のみんなは浅い所で海につかっている。
「あれー-、ドネルグだけ??」
「ハァハァミソラみんな海初めてだから泳げないよ」とドネルグ。
「そっかー」
「ドネルグつまんないから戻ろう」
「えー-」
仕方なくドネルグは海岸まで泳いで戻る。
「ハァハァハァハァ」息があがっている。
「疲れたーー-」砂浜にドネルグは大の字になる。
第二回ミソラ杯水泳大会は不調に終わる。・・・自業自得だぞミソラ。
ミソラは海から上がるとホテルが用意したビーチチェアーに寝そべりゆったりしている。
ルナとミルルにルーマとドナは、空気で膨らんだ球を蹴って遊んでいる。
ミソラは横たわりながらそれを見ている。
「あー-平和だな」
しばらく平和な時間が流れている。
「ねっミソラ、寝たの??お腹空いたけど」ミルルが残念そうだ。
あっと言う間に昼の時間だ。
「ミルルさん、あそこのホテルバーカウンター行けば軽食あるよ」とドネルグは教える。
「あっありがとう。ドネルグも行こうよ」
「うっうん」
「なになに」ルナが寄ってくる。
「お腹空いたから、なにか貰ってくるのよ」
「なら私も行く」
ルナとミルルにドネルグがバーカウンターに行く。
「サンドイッチ7つにオレンジジュース」ミルルが注文する。
「私も」
「じゃーサンドイッチ7つにオレンジジュースも7つね」
「はい畏まりました」カウンターの人に注文して3人はまったりする。
「あれ?リソナは何処??」突然思い出したミルルが奇声を上げる。
「本当だ、いないね」
「あれじゃないかな」ドネルグの指さす方を見ると、海を懸命に泳いでいるリソナらしき頭が浮き沈みしている。
「あれは溺れている??」
「大丈夫だと思うよ。移動しているし、水しぶきも上がっているし」とドネルグは冷静に見ている。
「そうなの?」
「そうだと安心ね。でも疲れそう」
一通り泳いだリソナは浜に上がって来た。
「ハァハァハァ、剣術訓練よりきついー」
リソナはミソラから少し離れたビーチチェアーに寝そべっている。
それを遠くから見ているルナ、ミルル、ドネルグはサンドイッチとジュースをもってみんなのもとに戻る。
「おまたせーお昼だよー-」ルナが大きな声でみんなを呼ぶ。
「あ゛っ寝てた」ミソラも起きたようだ。
皆が集まって来たので、サンドイッチとジュースを渡す。
「海で食べると美味しいね」とミルル。
「みんな午後はどうする」とミソラ。
「私買い物行きたい」とミルル。買い食いだろう。
「僕は仕入れかな」とドネルグ。
「私はもう少し海を楽しみたい。次いつ来れるか判らないから」とルナ。
「そうだな僕たちも。リソナはどうする」ルーマが聞く。
「僕も訓練の為に、もう少し泳ぐよ」とリソナ。
「ミソラは?」ミルルが聞く。
「私ももう少しここにいる」ミソラにしては珍しい。
午後もそれぞれ自由にまったり過ぎていく。
いよいよ明日は王都に向けて出発です。




