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ミソラ 王都に帰る その6  南ロータスへ

商人達とミソラで南ロータスに向かいます。

 夕暮れに起こった戦闘はミソラチームの圧勝で幕を下ろした。

 ワイルドウルフが5匹にワイバーンと死ぬ思いをしたヨハンさんと警備のD級冒険者「ロリシアの盾」5名と荷物持ち2名も広場にテントを張って共に宿泊する。


 商人のロタラがミソラ達に近付いてくる。

「いや流石です。ミソラさんのチームは、ワイルドウルフ5匹にワイバーンを瞬殺なんて、良い物を見せてもらいました」

「いえいえ、私たちも長旅で鈍っていたもので楽しく運動できました」とミソラは謙虚?に返す。


「ですがワイバーンも簡単に落として首を刎ねるなど、商人にはあこがれの光景ですよ。宜しければワイルドウルフにワイバーンを買い取らせてくださいませんか。冒険者ギルドの相場以上で」

「それはありがたいですが、南ロータスの冒険者ギルドに討伐依頼があるかも知れませんので、一応ギルドを見てからと言う事で宜しいですか」


「なるほど、それは失礼しました。配慮が足りませんでした。もし宜しければで結構ですが、私も南ロータスでは塩や食料素材を買い付けて王都まで行きますので2日程滞在する予定ですので、いつでもお声がけください」


「丁寧にありがとうございます」ミソラは礼を言う。


 すると今度はヨハンが近寄って来た。

「命を助けて頂いて本当に本当に感謝いたします。私どもも王都からアリアや北ロータスから巡回している行商チームですが、こんなお強い冒険者チームにあった事がありません。神の思し召しだと感謝申し上げます」


「いや気にしないでください。それほど強い魔物ではありませんので」


「なにを仰います。あんな魔物は領主軍団クラスで討伐する魔物です。この街道は各領主が冒険者を雇い普段危険のないようにしてくれていますが、あんな「はぐれ魔物」と出会ったのは初めてなのです。本当にミソラさん達と出会えて幸運です」


「あはは、気にしな・・・」さえぎられた。

「いえいえ本当に感謝しています。申し遅れましたが王都で雑貨と宝石を扱っているヨハンと申します。

 ミソラ様は大貴族ご令嬢様とお伺いいたしました。というより、王都では学園冒険者でドラゴンバスターが居ると聞いております。本当に幸運でした」


「たまたまですよ」

「あのお礼といっては何ですが、王都でお困りの際には是非ご協力させてください。もしくは呼んで頂ければ直ぐに王都公爵邸にお伺いいたしますので、なんでも致します。結婚の取り仕切りから指輪やネックレス、もちろんパーティーの演出や料理、なんでも喜んで引き受けさせて頂きます」


 すぐ後ろにガタイの良い男が近寄って来た。

 すると男はミソラに跪き、「命を救って頂きありがとうございます。ロレンシア公爵の御令嬢様」

 男はDランク冒険者でヨハン達の警護に雇われた冒険者チーム「ロリシアの盾」のリーダー、ハンナ・ドードルである。髭を生やして相当な年齢に見えるのだが、まだ22歳だそうだ。


 ロリシアの冒険者義ギルドでミソラは超有名人と言う事らしい。

 公爵令嬢にてドラゴンバスターにB級冒険者、A級昇格も近いと聞いているらしいのだが、大げさである。


「実は俺たち「ロリシアの盾」のC級昇格試験も兼ねていて、あそこでワイルドウルフやワイバーンに殺されたり、積荷を奪われたりしたら大変なことになっていた所です。感謝いたします」


 つまりDからC級の昇格試験として商人護衛がクエストされて、途中で魔物や盗賊を排除して無事王都まで着けば、王都の冒険者ギルドで昇級が認められるとの事だそうだ。


 ヨハンが語り出す。

「そうなんです。通常商人の護衛としてはC級以上が相場なのですが、今回はそんな事情もあり彼らにお願いされました。途中で死人でもでたら取り返しがつかない事になっていました」


「そうですか、そんな事情が」


「はい本当にありがとうございます。感謝してもしきれません」

「そんな大げさな」

「いえ本当の事ですから」とハンナ・ドードル。


「あのハンナさん、家名があると言う事は貴族ですか」とミソラ。

「あっお恥ずかしいですが、ロリシア公爵館の家令が父です」


「あっドードルさんの・・・、気づかず失礼しました」

 あらら、ロリシア公爵の城の様な館には執事が5名いるのだが、筆頭執事ユーリス・アナハイム男爵の次、執事長がドードル男爵である。その息子らしい。

 筆頭執事は領地経営のドルステ男爵と一緒に公爵館の行事や租税全てを仕切っている立場である。なので筆頭執事の他に執事長(館の管理維持)が普段は内部全てを取り仕切っている。


「いえ。私も親の名前で食べていく気はありません。冒険者として独り立ちできるかの試験中でしたので、本当に感謝しております」


 ミソラは感謝ばかりで疲れてしまった・・・


 翌日、商人のロタラ一行にヨハン一行が合流して、皆で南ロータスに向かう。

 大商人団は総勢15名+6名+7名の28名となり、盗賊や魔物が現れても全て殲滅できる程の軍団となっていた。


 途中何度か魔物に遭遇して南の森を抜けてやっと平原の街道に出ている。そこからは南ロータスは1日の距離であった。


「やっとついた~~」ミルル。

「無事ついたね~~」とドネルグ。


 大商人団は長さ60m以上の馬車団となり、街道を進んでいる。

 南ロータス北門(ロリシア方面)は魔物が多く現れるので木製ではあるが表面に鉄を打ち付け、突進した魔物を食い止められるほどの頑丈さである。

 日中は開いているが夜にはしっかり閉まる。


 門で冒険者カードを見せ、各商人達は商人ギルドカードを荷物持ち達は荷物持ちギルドカードを見せて通過する。


「ではこちらで失礼します」とミソラ。

 商人のロタラとヨハンはお礼を言ってそれぞれの拠点に進めていった。

 ミソラは冒険者ギルドに行き、討伐依頼が出ているか確認すると、ワイバーンについて討伐依頼が出ていた。

 ミソラはカードを見せ、南の森で討伐したとドネルグにワイバーンを解体場に出してもらい、ミソラは討伐確認を受けていた。

 依頼金は高くは無いけれど、ワイバーンの素材は高く買い取ってもらう事ができた。


「これでよし、みんな宿屋に行こう」・・・「あっ忘れてた。みんな水着買っておいてね」とミソラ。

 嫌な予感が・・・


 ミソラはロレンシア公爵が使用する高級宿に宿泊する。

「わっ凄い・・高級過ぎて休めない」とルナが文句を言う。

「まっそう言わず、次は王都だから楽しもうよ」とミルル。


 みんなは予想外の高級宿屋に緊張しているが、大きな風呂まである事を喜んだ。


「みんな着替えてね。夕食は街中食堂で食べるよ。名物があるから」とミソラ。


 みんなは納得していないながらも水着を買っている。

「街中食堂はここね」

 実は前回南ロータスに来た時にドネルグがレシピを作ったカニ料理のフルコースを、宿屋の料理長が退職して自分の店を持っていた事をドネルグは顔見知りの厨房スタッフから聞いていたのだ。


 素晴らしい料理がテーブルに並ぶ。

 オーナーが挨拶にきた。

「ミソラ様、ドネルグ様、ようこそおいで下さいました。今日はカニのフルコースをお楽しみください」

「有難う元料理長、堪能させて頂きますね」とミソラ。

「うんありがとう。より進化しているか食べさせてもらいます」とドネルグ。


 前回の南ロータスはカニがのったカレーが名物であったが、美味しくなかったのでドネルグがホテルの料理長と共に開発したメニューである。

カニ料理フルコース楽しみですね。

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