ミソラ 王都に帰る その5 南の森
はい投稿しました。
フラグ回収は大切です。
ミソラはソル子爵に「本日、南ロータスに向けて出発します。ありがとうございました」と伝言を残し、ミルルが言う「ケーキの街」を後にした。
「次回来るときは西ロータスに温泉施設が充実して、果樹園も発展して欲しいな、それに新作ケーキも楽しみだな」とミルルの食欲は留まる事を知らない。
「きっと発展しているよ、ミルル」とリソナ。優しい・・・
「えーと皆さん。次は南ロータスですが約400kmで野宿を繰り返す事になりますよ。覚悟していてね」
とドネルグ。
「大丈夫よ。ロリシアと西ロータスの間も遠かったけどみんなが一緒なら短く感じたから。きっと大丈夫」
とルナは強く言った。
「そうだな。大旅行だけど西ロータスまではあっという間だったな」とリソナも同意する。
「なんだか王都に戻るの寂しくなってきた」とミルルが言うが、ドナが「でもさ、学園戻って卒業試験受けなければならないよね。留年したくないし」と言う。
「そうだね卒業試験だよね」とミソラ。
「僕はもう荷物持ちギルド学園を卒業したから、みんなの心配は良く判けど、みんなは卒業したらどうするの?」とドネルグ。
「うーん。まだ半年くらいあるから決めてはいないけど、私は王宮魔導士になりたいな」とルナ。
「そっか、なら僕は騎士団だな」とリソナ。
「わっわたしはもっと研究したいから、宮廷錬成士かな。決めてないけど」とドナ。
「ルーマは?治癒とか使えるから牧師?それとも開業?」とミルル。
「うーん、それこそまだ考えていないよ。それと教会は苦手だな。ルーマと同じ様に研究に没頭したいし」
「錬成士って研究職だものね。選択通りだね」とルナ。
「うんうん、わかりやすい」とリソナ。
「そう言えばミルルはどうするの」とミソラが聞く。一人だけ言ってないし。
「わたしは・・・お嫁さんかな。貴族と結婚して毎日ケーキ食べて、お茶して・・・」
「げっミルル太りそう、それにお茶とケーキの順番が・・」とルナ。
「あはは、ぷくぷくになったミルルは容易に想像できるよね」とリソナ。
「ムカ!!リソナ決闘よ」
「いつでも受けて立つよ」
「二人とも街道に穴開けそうだから、違う方法で決闘してね」とドネルグ。
「「「ははははは」」」ミソラ以外は笑っている。
「ミソラは冒険者だったよね。しかも婚約者から逃げて」とミルルは痛い所を突く。
「うっ」・・・「でっでもさ、しっ知らない世界とか探検したいよね。そっそうだよね」
「あれ動揺してる?」とドネルグ。「でもさミソラが冒険するなら、僕が必要だよね一緒に行くよ」
「ドネルグだけが優しい・・・」とミソラ。泣く振りをする。
「いやドネルグは仕事したいだけと思うけど」とルナ。鋭い。
「はははは、そんなストレートに言わなくても」
つい本音を言ってしまったドネルグをミソラは睨む。だが「はぁ~」とため息を吐く。
「そうね、冒険するならドネルグは一番必要よね」とミソラ。ドネルグ・・勝ったぞ。
そんな楽しい学園メンバーは南ロータスに向けて4泊を過ぎて歩き出している。
「魔物とか出てこないよね」とリソナ。
「それは出て欲しいと言う事かしら」ルナ。
「だってさ、歩いているだけだよね。つまらないよね。訓練もしてないから腕も鈍るし」
「平和っていいじゃないよ。だから男って戦うばかり」とルナは呆れる。
「そんなこと言ってると、出て来るよ、強い魔物がさ」とドネルグ。フラグは回避したい様だ。
「そうよ。来るかもよ魔物が」とミルル。
「あのー、錬成士の僕たちも平和が良いのですが・・」とルーマとドナが言いながら頷く。
「いや皆には悪いけど、「南の森」を抜けるから出てくると思うよ」とミソラ。
「あっそうか、「南の森」か、学園の野外遠征で使った「南の草原」の奥の森で絶対立ち入り禁止だった筈」とリソナが思い出す。
「「「「あっ」」」」4人は思い出す。
「ワイバーンちゃん来ないかな♪」とミソラ。
「そうだった、ここは学園が立ち入り禁止していた森だった」とドナ。
皆でフラグを立てまくる。これでは来ない方がおかしい。
「たっっ多分大丈夫よね、だって西ロータスから南ロータスに向かう大街道だし、各冒険者ギルドで魔物は討伐されているよね、ね」とルナ。が恐る恐る言うが・・・みんなは真顔だ。
「でも奥は手つかずと聞いた事があるよ。だから学園生は入るなと」とルーマ。
「えー-脅かさないで・・」
「良いじゃない。経験値稼げるし素材も手に入るし、それに南ロータスで討伐依頼が出るかもしれないよ」
「そんな。ミソラ・・・」
途端に緊張感が走るメンバー達、一層慎重に街道を進むが「南の森」の中だ。
時刻は夕方となった。
ミルルが叫ぶ・・・「ちょっと、野宿を森の中でするとかないよね」
西ロータスと南ロータスを結ぶ街道は広くて比較的平坦な砂利道なのだが、森の中は2泊程度しないと抜けられない。
その為に街道には2km間隔で野宿できる広場が作ってある。
旅の商人や一般の人々は広場で野宿(テント泊)をする事となる。
ただし馬車であれば街道沿いに簡易宿泊できる宿屋や貴族の為の豪華な宿があるが徒歩ではたどり着かない・・・
ミソラ達の近くには広場以外ないようだ。
「みんな今日はここにテント張るよ」とミソラ。街道の左側、つまり南の草原側に広さ500m四方の広場がある。
見てみると、商人の馬車が3つにテントが5つある。警備の冒険者もいる様だ。
「いいと思うよ」とドネルグ。
「ではお隣さんに挨拶してくるから、みんなはテントと食事の用意をお願いね。ドナは挨拶後に壁つくるか決めるわ」
「了解」ドネルグが代表して返答する。
ミソラは商人達に近づいて行く。
「こんばんは、お隣失礼します」
「おお心強い。皆さんは冒険者ですか」と恰幅の良い、いかにも「商人です」といった貴族程ではないが綺麗な身なりの男が挨拶する。
「はい王都学園のチームメイトで冒険者しているミソラと言います。メンバーは設営が終われば紹介しますよ」
「これはこれは丁寧に。私も王都を拠点に各街に生活物資を運んでいる商人のロタラと申します。今日は使用人5名と荷物持ち4名と警護のC級冒険者チーム「怒りの鉄槌」の皆さん5名と宿泊しますので、よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします」
「あのーどこかでお見受けした様な・・・」
「えっ人違いではないですか」ミソラは多少慌てる。
「いえいえ商人ですから、一度お見受けしたお顔は忘れないのですが・・・あっロリシア街の公爵令嬢のソア・ミソラ・ロレンシア様、10歳の王宮お披露目会で遠くからお会いした記憶があります」
「あっ初めての王宮舞踏会、忘れてました。はははは」
「いえいえロレンシア公爵様のご令嬢で、王都学園AAクラス首席でB級冒険者でドラゴンスレイヤーのミソラ様を知らない者は商人ではありません」いつの間にか「様」と呼ばれる。
ミソラは素性を知られていて「まずい」と思ったが、宿泊する以上逃げられないと思った。
「いやー、お会いできるとは思いませんでした。今日の野営は安心ですね」とロタラ。
「あはは、お手柔らかに」とミソラは誤魔化す。
「では後ほど」とミソラは言って切り上げた。
もどったミソラは、
「ドネルグ不味い、知られている」
「えっ冒険者に、それとも商人に」
「商人のロタラさん」
「商人なら貴族館や領地屋敷に出入りするから知っててもおかしくないよ」
「それだけならいいけど、B級冒険者とかドラゴンスレイヤーとか王都学園AAクラス首席とか、いろいろ知っていた」
「うむ。商人にとって情報は貴重だからね。知ってても不思議はないよ」
「なにも無いと良いけど・・・」とミソラ。
設営を終え、メンバーを引き連れロタラさんに挨拶をしに行くミソラ。
丁寧な挨拶と、警護冒険者チームに使用人と荷物持ちを紹介され、メンバー確認が終了した所で夕食にする。
ドナは森の東側つまり広場と森の境に壁を作り侵入を防ぐのだか、街道側には壁は作らない。
遅い時間に商人や旅人が宿泊の為に来るかもしれないからだ。本当は作るともっと安心できるのだが・・
夕食を終えたミソラ達は、休憩に入っていた。
その時・・街道北側、つまり西ロータス方面から荷馬車が2台、物凄い速度でやって来た。
「たすけてくれー」馬車から叫ぶ声が聞こえた。
一気にミソラ達は戦闘モードに入る。商人警護のC級冒険者チーム「怒りの鉄槌」も同様だ。
「つれて来たね」「ああ連れて来たね」ミソラとリソナは言う。
ミソラ達は街道の左に並び、「怒りの鉄槌」は商人を守るために右側に並ぶ。
馬車に声をかける。
「ここで迎え撃つから少し行き過ぎて馬車止めて」
馬車の後方500m位に夕暮れに紛れたワイルドウルフが5匹とその上空にはワイバーンが1匹・・・
「あれ、追われてる??」とミソラ。
「そのようだ」とリソナ。
「馬車通り過ぎたら広場側と街道に岩壁おねがい。ドナ」
「了解」
街道に壁ができたのでルーマとドネルグに「怒りの鉄槌」が回り込む。
街道上にはリソナ、ルナ、ミルルにミソラが並んでいる。
「みんなワイルドウルフはリソナとミルルがお願い。ルナはワイバーン落として」とミソラは指示する。
ミルルはワイルドウルフに向かってファイヤーボールを複数放ち、来ない様にフレアの壁を展開する。
リソナはフレアの壁を跳躍して超えると、剣でワイルドウルフを両断する。
ルナは近づいてきたワイバーンにウインドカッターで羽を負傷させ、アイスランスを撃って弱らせる。
ワイバーンはたまらず街道上に落下する。
ミソラはリソナを超える跳躍して、ワイバーンと一気に距離縮める。
そして剣に炎を纏って飛べない様に両羽を切断した。
その後ミソラは空中で一回転するとワイバーンの首を切断する。
終わったミソラはリソナが苦戦していないか見るが、リソナもワイルドウルフ5匹をすでに討伐していた。
「手伝い必要なかったね」とミソラ。
「ふふ。運動不足だったから気持ちよかった」とリソナ。
「ルナとミルルもお疲れ様」とミソラ。
「ドネルグー--収納お願い。ドナは岩壁もどしておいて」
後方から「スゲーー」と声がする。「怒りの鉄槌」のメンバーだ。
彼らの最大の仕事は商人と商品を守る事であるため、護衛を続けていた。
「大変助かりました。流石はBランク冒険者のミソラ様ですね」ロタラは助けて貰ったことに感謝する。
「いえ、「怒りの鉄槌」チームが居なければ前に出られないので、彼らも褒めてくださいね」とミソラ。
「それより逃げて来た馬車は大丈夫なのでしょうか」とミソラ。
馬車2台が戻って来た。
「危ない所をありがとうございます。西ロータス側ここから約3kmの所で森から逃げて来たワイルドウルフと追いかけて来たワイバーンが来て、もう終わりだと思いました」
「けが人はいませんか」とルーマ。
「はい、最初の襲撃で護衛の冒険者が3名負傷しています。何とか馬車に引き上げて全力で逃げてきました」
「見せてください」とルーマは言うと馬車に乗りこみ負傷した3名にヒールをかける。
「牧師様ですか」と冒険者。
「血は戻らないから安静にしてください」一人は重傷でヒールを3度重ねがけした。
「命を救って頂きありがとうございます。私、商人していますヨハンと申します。荷物持ち2名と護衛のD級冒険者3名のパーティーです」
「そうですか。助けられて良かった。今日はこちらで宿泊しましょう」とミソラ。
「ミソラ様、チームに回復士もいたのですね。流石です」ロタラはますます喜ぶ。
ありがとうございます。
ブックマーク100件となりました。
まったりのんびり書いた作品ですが、嬉しいです。




