ミソラ、ロリシア街でも冒険者をする?させられる?
ミソラの続きを書きました。
ロリシアにワイバーンが・・でも一瞬で消えたとか
ルーマはワイバーンが飛来した方角、つまり北門の方向に走っている。
「怪我した方はいませんか?」と叫びつつ。
「おにぃちゃん。おかあさんが」10歳くらいの女の子が泣いている。傍には道端に横になっている女性が。
「どうしたの」
「あのでっかいドラゴンが来た時にお母さん倒れてしまって、頭打って眠ったままなの」
「頭打ったか。少しだけ持ち上げるよ」
ルーマは女性の首に腕をまわすと、やさしく持ち上げる。
「うっまずいな。血が出てる」
女性は倒れた時に頭を石畳に打ち付けていた。
「少し待っててね。治療するから」とルーマは女の子に声をかけてヒールをかける。
頭の傷口はふさがり、意識を取り戻す。
「うーん、痛い」
「大丈夫ですか。倒れて頭を打ったらしいです」
「ジュリは娘は」
「お母さん。ここよ」
「ジュリちゃん、ごめんね心配かけて」
「お母さんジュリ心配した。お母さん動かないし、ドラゴン来るし。一緒に死ぬのかななんて」
「ホントにごめんね」
「お母さん」
ルーマは再度ヒールをかける。
後頭部の傷口はふさがり血はでていない。
「有難うございます。助けて下さって」
「あっ無理しないでください。結構な量の血がでています。ヒールかけましたが血は戻らないので、そのまま安静にしていてください」
「有難うございます。お名前を」
「いえこんな時はみんなで協力しないと、気にしないでください」
「でもお礼を」
「大丈夫ですよ。領主の所にお邪魔しているのですから本当に気にしないでください」
「お兄ちゃん、お母さんを助けて頂いてありがとうございます」
「ジュリちゃん。お母さんは大丈夫だよ。でもまだふらつくから、しばらく横になっている方がいいよ。
だれか来たらそう言って。ヒールかけて貰ったと」
「うん。ありがとうおにぃちゃん」
「あのお名前を」
「いえいえ。お気になさらず。助けを必要な方の所に行きますね。しばらく横になってふらつかなくなったら、ゆっくり歩いてください。ではこれで」
ルーマは次に助けが必要な人を求めて走り出した。
「ヒールが使えます。助けが必要な方はいませんか」
角を曲がると北門が真直ぐに見える。
道端には何人もの人が横たわり、家族が心配そうに見ている。
「どうしましたか」
「ワイバーンの風圧で飛ばされて石畳に放り出されて意識を・・」
そこには腰に剣を吊り下げた冒険者風の若者が横たわっていた。
そばには冒険者チームの仲間らしき者達が心配そうにのぞき込んでいる。
「見せてください。大丈夫そうですね。ヒールかけます」
「おお、僧侶様ですかありがたい」
ルーマは答えずヒールをかける。
若者は目を覚ました。
「ワイバーンはどこだ」
「トミィ気が付いたか。ワイバーンに飛ばされて気を失っていたぞ。この方がヒールで治療してくださった。それにワイバーンは消えた」
「消えた?そんなばかな」
「いや消えたんだ」と違う若者が答える。
「なんだか氷魔法の上級だと思うがワイバーンに突き刺さって、落ちたと思ったら消えた」
「そんな大魔導士が滞在していたのか。助かった」
ルーマは苦い顔している。しかも中級の「ウォーターランス」魔導書を買ったばかりで覚えたソラの仕業と知っていた。
「その前にも火球が飛んでいった」
「なに、氷と火だと、とんでもない魔導士だな」
「もう大丈夫ですね、私は次に行きます」とルーマ言うと、礼をしたいと言う冒険者に手を振って走り出す。
何人もにヒールをかけながらルーマは走っている。
ロリシアの街は大騒ぎであった。
何しろ前にワイバーンが来たときは領主軍が100名近い軍勢が石弓でワイバーンを落とし一斉に斬りかかった所をみんなは見ていた。
なのにである。
今回は氷の槍が飛んでいったと思ったらワイバーンの首が斬れて消えた。
あっと言う間の出来事だった。
民衆は何が起きたか訳が解らなかった。
そんな中ルーマはロリシアの北門迄走って来た。
衛兵が二人倒れていた。
「どうしました」
「この二人は門の上にいたのですが、ワイバーンの風圧によって飛ばされ落ちたのです」
ルーマは見上げた。10m位落ちたのか・・・
「やって見ます」
ルーマは覚えたばかりのヒールⅡを唱えた。
「僧侶様でしたか」と衛兵が頭を下げる。
一人目は意識を取り戻した。
「そのまま横にしておいてください。血は戻りませんので」
ルーマは2人目にヒールⅡをかける。
「おお、目を覚ました」
「良かった。高位の僧侶様だぞ」
「お二人は大丈夫そうです。ですが血が流れた分は戻りません。ベッドに横になって食べられるなら食べて寝てください」
「有難うございます。そうさせて頂きます」
衛兵たちは二人を控室に連れて行き仮眠用のベッドに横たえる。
「あれ僧侶様は?」「消えた?」「しまった失態だ。せめてお名前を聞くべきだった」
「なんてこった」
ルーマはそっと走り出して、元の喫茶店に戻って行った。
「ただいまぁ」
「ルーマ、ドネルグがケーキ収納してくれたの」
「ミルル良かったね」ルーマは冷めてしまったお茶をお替りして一息ついた。
・・
「探しましたよ」
ギルドマスターのロバトンが入って来た。
「ワイバーン退治ありがとうございます。ですが・・報告をお願いします」
「あっ丁度お茶していた所だったので」
「ミソラお嬢様・・外は大騒ぎですよ。ワイバーンが突然消えたと」
「あはは、後はロバトンが適当に・・」
「ダメです。領主様にも報告が必要です」
「えー、判りましたよ。お茶が済んだら屋敷に戻ります」
「それと、高位の僧侶が皆を治療して回ったと報告があります」
一同はルーマを見る。
「えっと報告が必要?」とルーマ。
「あなたでしたか」
「ええ、まぁ」
「お嬢様のチームは僧侶様までいらしたのですか」
「えーと、ルーマは錬金術師です。ヒールも使えるけど」とミソラ。
「えっ女神協会の僧侶ではないのですか」
「うん学園のクラスメイト」
「何てこと・・・女神教会に目を付けられると大変な事に」
「ロバトンの方で旅の僧侶か何かが治療していたと・・」
「うーん。何とかします」
「ルーマ良かったね」
「お嬢様、あまり良くはないです。それと領主様への報告には嘘をつくことはできませんのでお嬢様から全て報告してください」
「えーダメなの?」
「当然です。それでワイバーンは素材は?」
「ギルドで解体お願いできる」
「無論持ち込み頂けますね」
「ドネルグお願い。それとワイバーンの肉ベーコンにするから貰って置いて」
「えっ肉全部ですか」とロバトン。
「ダメ?」
「全部はやめてください。ロリシアの街でも高級素材ですよ。レストランが待っています」
「そっか。なら1/3では」
「うーんそれなら」
「よし決まり、では他の素材は買い取りで肉は1/3だけ私たちね」
「はい。それでよろしくお願いします」とロバトン。ほっとしている。
「それとお嬢様。相談があるのですが・・その北の街道にワイバーンとバフフが数匹目撃されています。
是非討伐をお願いできますか」
「ロリシアに来たワイバーンは1匹だけでは無いと言う事ですか」
「はい。それにバフフも食料として肉が喜ばれます」
「うーん。ゆっくりするつもりでしたが街道は不味いですね。行きますよ」
「ありがたい。街中の噂は何とかしますので、領主への報告と討伐をお願いします」
「わかった」
それからミソラ達は屋敷へ、ドネルグはロバトンと共にギルドに向かった。
ミソラは屋敷に戻ると父上に一連の報告をして驚かれた。
「なに、アイスランスだと・・ソル並みだな」
「あっそう言えばルナ買ったの「ウォーターランス」だったよね。なぜアイスランス?」
「ああそれはね。魔導書に書いてあったの。「ウォーターランス」だと威力が弱いので、氷魔法を同時に掛けるとアイスランスになると」
「それ、ソルが書いた魔導書だな」
「えっお父様そうなのですか」
「うむ。元々アイスランスはなかったのだが、ソルは同時詠唱で打ちあがったウォーターランスを凍らせたのだよ。だから「鉄の乙女」と呼ばれたのだよ」
「ルナ、そんな高度な事をやっていたのね」
「だってミソラにいつも助けられてばかりだからさ、少しがんばってみようかと」
「鉄の乙女確定だね」
「やめてよミソラ」
「それでお父様ロバトンから討伐依頼が」
「それは聞いている。北の街道10kmの所で目撃されているぞ。バフフをワイバーンが3匹で狩っていたと」
「三匹ですか」
「うむ」
「では依頼ですから明日討伐に行きます」
「よし解った。領主軍も出動させるから一緒に行け」
「はい、久々の討伐か。楽しみ」
「ミソラ無理はするなよ」
「はいお父様」
翌日、ミソラ達はリソナも連れて領主軍としてロリシアを出発した。
ミソラは領主軍として出発しました。




