ミソラ火竜を狩る?? その2
なんだか変な話になっています。
ミソラ一行は思い出した森での行動をそのまま実戦している。
ゆっくり歩き、下上左右と後ろを確認しながらも進む。
「そろそろ岩場が見える頃だよ。」とミソラ。
「あれなに??」とミルル。
岩場にちょこんと火竜が座って休憩していた。
ミソラは小声で「みんな行くよ」と言い。森を抜けて岩場に入っていく。
「リソナ、地面に落としたら羽を切るからお願いね。」
「了解」とだけ言う。
一行はそーと近づきタイミングを計っていた。
『人間とまれ』
突然の思念が流れ、ミソラはきょろきょろと見渡す。
みんなを見てみると、ドネルグだけきょとんとしている。
「みんな聞こえた?」とミソラ。
「なにが?」とリソナが答える。
みんなは思念が聞こえていない様だ。
それでもミソラは岩場に近づいて行く。
『止まらぬか』
まただ。
まさか火竜なのか・・・とミソラは思った。
『そうだ。とまれ』
あっ答えた。
「ドネルグ、どういう事だと思う。」
「ミソラ解らないけど、長く生きている竜は思念を持ってハイエルフ様・・女神様の使いだと言われているけど、こんな思念初めてだよ。それにみんなには聞こえていないみたいだし。」
「そうね。思念なんてハイエルフ様と炭鉱で話した以来だし。」
「そうだね。」
『人間、それ以上近づくと真っ黒に焼くぞ』
「うっ」とミソラ。
ミソラは目の先にいる火竜を見て、ワイバーンと違うなと思った。
『失礼な人間だな、我をワイバーンなどと一緒にするなど』
「うえ、読まれている。」
「ミソラちゃん何の事??」ミルルが聞いてくる。
「うーんと、何と言えばよいか。火竜が話してくる。」
「えっ何それ、聞こえないよ。」
「うん、思念だと思うけど、私とドネルグだけが聞こえるみたい。」
『人間、愚かな、我を退治できると思っているのか』
「確かにな」とミソラは思う。
ワイバーンなら大きくてもその全長は10mもない。地面に落とすと簡単に討伐できる。
だが目の前にいる火竜は大きさ30mもあり、とてもジャンプで首まで届くものではない。
なら、魔法で攻撃して横倒しにして首を・・・思った。
『ははは、我は魔法耐性がある。上位魔法程度では倒せぬぞ』
「また読まれた。」とミソラ。
「うーんどうしよう。ねっドネルグどうするのが良いの」
「そんな戦闘はミソラの専門だろう。それにこの大きさは収納できないよ。」
「そうだよね。」
『お前はミソラと言うのか、なら教えろ、我はハイエルフに会いに来たのだ。どこにいる』
「あっハイエルフ様ですか、正確な位置は解りませんが王国の炭鉱の山の上に住んでいると聞いています。」
「ミソラ火竜と話しているの」とルナ。
「うん」
『安心せい、我は人を襲うつもりはない、ただハイエルフ様に会い、族長の言葉を伝えるだけだ』
「解りました。私たちも警戒を解きます」
「ミソラ、なに??」とリソナ。
「うん、簡単に言うとこの火竜さんはハイエルフ様に会いに来たと、そして竜族族長の伝言を伝えに来ただけで、私たちを攻撃する意思はないと言う事らしい。」
「そっそっか、よく話せるね。」とリソナ。
「私とドネルグだけが理解できるみたい。」
「そっか良かった。火竜と戦って勝てる見込みがなかった。」とミルル。
『そこのミソラとやら、だいたいで良いハイエルフ様の位置を教えてくれ』
「はい、この山はトリテカの森の山です。少し南に行って東の山に向かうと炭鉱があり、人々が働いています。
その山の上、ゴーレムに守られてハイエルフ様がいます。」
『おお、近いな。お前はハイエルフ様にあった事があるのか』
「いえ、姿をみたと言う事はありません、ただ同じように思念で会話をしました。」
『そうだろうな。ハイエルフ様の思念を受けたのなら我の思念も理解できるはず。よかった思念を理解できる人間と会う事ができて。これもハイエルフ様の導きだな』
「そういう事なのですね。それで思念を・・」
『知らなかったのか、我々竜も1000年生きると思念を使える、昔は人間とも仲良くやっていたのだが、今の人間は我を恐れ、終いにはお前達の様に討伐と言う者が現れる。情けない事だ』
「しっ失礼しました。」ミソラは謝る。
『んっ森の近くに人が多くなってきたぞ、なにか知っているか』
「はい、火竜様を追い返そうとする集団です。」
『ははは。そうか、追い返せるのか』
「そう言われてしまうと・・・」とミソラは困った。
『ならお前から伝えろ、我はハイエルフ様に会いに来ただけ、人間に悪さをするつもりは無いと』
「はい、伝えます」
『では行くとする。ミソラとやら覚えたぞ』
「あっはい」
「火竜様行くって」とミソラ。
「お元気で」とミルルは手を振る。
「怖くないの」とルナ。
「だってミソラのお友達でしょ」とミルル。天然だ。
「お友達では無いと思うけど。」とミソラ。
火竜はミルルを見ると大きな羽を広げ岩場から飛び立って行く。
それは幅50m以上もある立派な羽だった。
みんなはそれを見とれていた。
「おーいミソラ。大丈夫か」
王都冒険者ギルド「金の輝き(ゴールドシャイニング)」ギルド長のハンクが走って来た。
「火竜去って行きました」とミソラは報告する。
「そうだな、見ればわかる」
「報告してもらうぞ」とハンク。王都冒険者ギルドにギルド長は2人いる。ハンクとロバトンだ、ハンクは冒険者ギルド長でF、E、D、C、Bランク冒険者のギルド長、一方ロバトンは王都冒険ギルド、つまり王家ギルドのギルド長をして、王族に認められたクB、A、Sランクのギルド長だ。
二人は同じ建物を使っているが、ハンクとロバトンの間に上下はない、2つの違うギルドである。
ただしギルド職員は両方をギルド長として仕事をしている。
「はい、火竜からお前が報告しろと言われています。森の外で話しましょう」とミソラ。
それから一行と騎士団とギルド長は森の外にでた。
「ミソラ。あなた。」あっジョリアンナ先生に見つかってしまった。
一応ミソラは騎士団の小隊長以上とギルド長、そして応援に来た教師たちに囲まれて話だした。
「はい説明します」とミソラ。
「ちょっまて、お前火竜と話したのか、いや話せるのか。」とハンク。
「はい。話しました。私とドネルグが聞いたので後で確認して頂ければと思います」
・・
少し沈黙が流れた。
「では良いですか。火竜は用事があって来たと言ってました。それはハイエルフ様に竜族族長からの伝言を届ける為だと言ってました。それでハイエルフ様のいる所を教えたので、そちらに行ったと思います。」
「えっあなた女神様に会ったのですか」とジョリアンナ先生。
「いえ、姿は見ていません。王都鉱山でゴーレムが邪魔をするので退治の依頼を受け、行ったのですがそれはハイエルフ様の仕業で話し合って時間を決めて採掘をする事にしました。」
「うむ。騎士団にも報告はきている。」と騎士団長。
「はい、その時にハイエルフ様と話してと言うより、頭に響く感じで、それを火竜に伝えたら、「ハイエルフ様と会話した事がある者だけに我の思念は理解できる」と言われまして」
「えっそうなのか」とハンク。
「良く解らないですが、声らしきものは聞こえました。」とミソラ。
「良く解った続けてくれ」とハンク。
「それで偵察しようと森に入って、多分岩場だろうと言う事でみんなで行きました。
そこで岩場に座っている火竜を見つけ、静かに近づいて行くと突然「とまれ」と言われ、その後は会話を
そして火竜からハイエルフ様を探していると聞き、前に話をした鉱山の事を教えました。」
「ミソラとやら教えて欲しい、チームで岩場に居たと聞いているが、まさか討伐する為ではないよな。」
騎士団長に質問されてしまった。
「うむ。私にも受付から伝言を受けた。「先に行って火竜を探す」と」ハンクが答える。
「それは、えーと」
「ミソラ君、言いなさい」とジョリアンナ先生。少し怖い。
「あっはい。Eチーム+1で火竜を狩ろうかなと」とミソラ。
「やはりな、お前の事だからそんな事だろと思った。だから早めにきたのだ」ハンクには読まれていたようだ。
「ええ、ですがあまりの大きさに怯んで、そして思念での会話、途中から無理だなと思いました。」
「だから追い返すと言っておいたと思うが」とジョリアンナ先生。
「えっあっだから狩れたら面白いなと思って」
「火竜は騎士100人が広い場所で戦ってやっと狩れるのよ。何考えているの」ジョリアンナ先生怖いぞ。
「ええ、あの姿見たら思いました」
「なにも無かったから良いけど、間違ったら死んでいたのよ。貴方が死ぬのは自業自得だけど仲間も死んでしまうのよ。まったく」
「ジョリアンナ先生すいません。」
「だが、なにも無くて良かったよ。それにお前のお陰で目的は達成した。だがギルドが冒険者ランクで討伐対象を決めているのは、冒険者に死んでほしくないからだ。火竜はAかSランクだ。あの大きさからするとSランクだな間違いない」とハンク。
「ハンク了解した。騎士団としては今回現れた火竜はSランクと認定しよう。」
「それから火竜が言ってましたが、昔は人間とも仲良くしていたと、思念を理解できる人も沢山いたとか言ってました。」
「昔王家には、竜専門の部署があって話して帰ってもらう事は良くあったと聞く。討伐するのは竜が思念を理解しなくなった時、それは若い竜とか、年取って病気になった竜とかだな。だがそれは王家800年も前の事だ。今では古文書でしか残されいないし、それを体験した者はいない」と騎士団長。
「では戻りますか」とハンク。
「折角Eチームで来ましたので、解散前に依頼でも」とミソラ。
「それはギルドで聞いてくれ」とハンク。
ミソラはEチームの所に戻った。
「ミソラどうだった」とドネルグ。
「うん、たっぷり怒られた。」
「そうか。たまには良いと思うけど、ほっといたらミソラは相手がAでもSでも見境なく戦いをするから。」
「ドネルグまで・・・」
「それだけミソラちゃんが強いってことだよ。」とミルル。少し違うと思うけど・・
「でミソラどうする」とリソナ。
「うん。せっかく集まったのだし、ギルド戻って依頼を探すとする。」
こうしてミソラの野望は崩れるのであった。
散々怒られたミソラ。少しは反省をしてくれると良いのですが。




