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ミソラ野外遠征に参加する その2

投稿します。

船でチームとしての在り方を覚えます。

「はい集合。」ウルメス先生の掛け声で、3年生全員の確認が始まった。

「よし、欠席はいないな。では各自馬車に乗ってくれ。」

 3年生は各科に別れ、馬車に乗りこむ。

「ミソラ、荷物少なくない?」ミルネドが聞く。

「うーん。荷物殆どは現地調達。テント類は持っているけどね。」

「そうか。流石Cランク冒険者だな。」

「うん。いつもは荷物持ちの仲間がいるのだけれど、今回は同行できないから最小の荷物にした。」

「だよな。魔物倒すと持ち帰るのが難点だと思った。」

「ギルドなら部位提出だけど、今回は全部でしょ。重すぎるから。」

「荷車でもあればな。」

「いや戦闘には邪魔だから。」

「・・・そうか。」ミルネドは考えている。


 馬車は街道を南下して、途中で2泊した。

 途中で、バフフが3匹出て来たが、ミソラが馬車から飛び出して行って、結局一人で退治してしまった。

「ミソラ君。バフフ収納して貰うね。」

 ジョリアンナ先生が荷物持ちを呼び、バフフを収納してしまった。

「やっぱりミソラは凄いな。バフフ程度なら一撃だな。」

「本当だよ。凄かった。」

 AAクラスの仲間が褒める。

 ミソラは馬車を飛び出して行って、最初に向かってきたバフフを一撃で倒し、飛び上がると次のバフフを背中から切り裂き、最後のバフフは後ろに着地して、バフフが止まり引き返そうとする所を正面から突き刺していた。その間1秒もない。


「いや。運が良いだけだよ。」

「Cクラス冒険者が何言ってんだよ。運が良いだけでCになったりしないぞ。」

 ミルドネに突っ込まれてしまった。

「あははは。」

 ミソラは笑って誤魔化す。


「よし今夜のメニューはバフフだな。」

 ウルメス先生が張り切っている。

 その後、夜になってウルメス先生が解体ナイフを持ち、荷物持ちから一番損壊しているバフフを出してもらい解体を始めた。

 ウルメス先生は近くの木にバフフを吊るして、解体と血抜きを同時に行っている。

「旨そうだな。」と先生は言うが、見てしまった学園生は・・・・ゥェ。

 食べなかった学園生は腹ペコで無理に寝ていた。


 馬車は南ロータス街にもうすぐ到着する。


「あーーやっと到着。」トルラは思いっきり背伸びをする。

「よし、到着した。荷物はそのままで船に乗るぞ。」

 学園生は南ロータス港に馬車が到着して、馬車から降りて船に乗りこむ。

「船では、海中魔物の退治方法を討論します。各自考えて置く様に。」

 ジョリアンナ先生が説明する。

「よろしい??では1時間後に船内会議室に集合。それまで解散。」


 ・・

 船のデッキでミソラは海中魔物の退治方法を模索している。

「ミソラ隣良い??」ミルネドが横に立っていた。

「うん、いいよ。」

「ミソラ海中魔物と戦ったことある??」

「ないよ。」

「そっかCランクでも戦った事無いか。」

「そうだよ。海上でも無理な戦いなのに、海中なんか考えられない。」

「そっか。だったら僕の話聞いて、無理だと思ったら言って。」

 ミルネドは自分が考えた戦い方を話始める。


「最初どうやって引きずり出すか考えていたけど、剣士では無理だなと思った。

 だから魔法や錬成で魔物を海中に居られなくする事を考えた。

 最初に危険だけど、怒らせるのが良いかなと、例えば海上に出てきたところをファイヤーボールなどで火傷させて、怒らせて海中から引きずり出して、小型ボートなんかで剣士が止めを刺すとか考えた。」

「そっか。でもそんなに都合良く怒ってくれるか、それにファイヤー系で火傷させると言っても、海中魔物は皮膚が水膜で覆われている筈だから、火傷はよっぽど火力強くないと無理だと思うけど。

 そしてボートは剣士と言っても足場が不安定だから難しくない??」

「うーん。そうだよね。空想なら都合良く進むから、無理なのか。」

「でも言う通り海中から海上中心で無いと戦闘は無理だから、そこだよね。」

「ミソラもそう思う??」


「うん。どうやって引きずり出すかだと思う。」


 いろいろ二人は議論したが結論が出ずにいた。


「学園生は会議室に集合だ。」

 ウルメス先生が叫んでいる。


 会議室は船だと言うのに、学園生と先生が全員席に座れる程に広い。

「よし、考え纏まったかな。」とウルメス先生が進行をする。


 一人の学園生が手を上げる。

「先生、いろいろ考えてからの質問があるのですが、海中では戦闘もできないと思うので、海上に引きずり出す必要があると思いますが・・・その手として錬成科や魔法科が魔法や錬成で海中から引きずり出す事が可能なのか、そこが解りません。」

「ふむ。言う事はもっともだな。それに剣士科ではどんな魔法や錬成があるか解らんと言う事だな。」

「はい。そんなところです。」

「他に質問はあるか。」

「そこが一番の問題です。」とトルラも質問を肯定する。


「なら考えてみて、魔法や錬成がどんな事が出来るか。

 魔法科や錬成科の生徒に聞いた??」ジョリアンナ先生が言う。

「・・・・」

「剣士科は最前線で戦う職種だから、剣や槍で戦うのは良いとして、同行している魔導士や錬成士が何を出来るか把握するのが先だと思わない??結論先に言ってしまったけど、何ができるか把握もしないで戦う事の方が無謀だと思うけどね。」


 ミソラは気づいてしまった。

 その為のチーム編成なのかと

「はい。つまりチームで戦う以上、そのチームの基礎戦闘力を全て把握していないと戦いは独りよがりになると言う事ですね。

 海中魔物を例題としていますが、例えば地上ても強い魔物を相手にするなら、各メンバーの戦闘力を把握していないと負ける確率が高くなると言いたいのですね、そして勝てないと思えば撤退も視野に組み立てる事が生き残るために必要な事だと。」

「うーん。ミソラ君。この討議の課題を理解してしまったみたいだね。

 そう、ミソラ君の言う通り、海中にかかわらず、陸上でも自分より強い魔物に対峙した時に、どの様に戦闘を組み立てるかで、生き残れるかが大きく変わる。

 その為に必要な事は、メンバーがどの様な戦闘力を持っているか把握する事が最低限必要だと示していると思うけど。」


「ええ、先生の話と質問を聞いて、私はソロが多く実力以下の魔物を中心に戦ってきましたけど、そんなこちらの状況を魔物が理解してくれるはずもなく、バフフと戦っている最中にドラゴンが現れたら、直ちに戦闘中止して逃げる事を最優先にするべきだと、それに必要なのはメンバー各自の戦闘能力だと言う事ですね。」


「そうね。メンバー全員で協力すれば逃げ切る事は可能だと思うよ。能力と相手にもよるけどね。」


「ええ、その為の討議なのですね。なら根本的にチームになって話し合いをしないと無理だと言う事ですね。

 もっと言えばチームで日ごろから撤退についても話しておいて、組み立てる事が必要だと。」


「はは。ミソラ君は優秀だね。その通りだ。

 これから南ロータスの草原で魔物討伐をしてもらうが、各チームは各人に何が出来るかを把握しておくことが最低の作戦で、撤退などの方法はメンバーの技量によって方法が変わる。」


「なら先生。チームを魔物討伐の時に発表すると言ってましたが、この為ですね。」

「うむ。ミソラ君は本当に優秀だな。それに気づかせるための討議だったのだがね。

 他に意見や質問はあるかな。無ければ目的を発表するが良いか。


 ミソラ君の言う通りチームで狩りを行う事は、先ほども言った通りメンバー各自の技量を事前に確認しておかないと、そして撤退の際もその技量による手順を確認しておく必要があると言う事。

 それができないと、撤退で死人が出るぞ。

 一人も殺さず撤退するには必要な手続きだと思う。

 そして魔導士や錬成士は撤退の為の魔力を残さないと足手まといになるだけだと自覚するべきだな。


 参考までに、騎士団は「騎士団」と言っているが、そこには魔導士や錬成士に回復士などが、チーム・・

 隊を組んでおり、隊長はその各自の能力を把握して戦いを行っているのだよ。

 だから隊長は剣士とは限らない。そのチームの能力を最大限活用でき、戦術を組む事が出来る人物が任命される。俺もジョリアンナ先生も隊長をしていたが、それは剣士だからではない。それに気づいて欲しい為の討議だよ。」


「良く理解しました。昔父が言ってましたが、優秀なチームは各自の技量によって戦い方が異なると、それはチームの数だけ戦い方があると言ってました。」

「流石、ロレンシア公爵、いやチーム「黄金のドラゴン」と言うべきか。」とウルメス先生は感心する。


「さて、討議の時間が説明だけで終わってしまったが、みんなは理解できたかな。理解できたなら宿に行くぞ。明日は半日自由時間だ、午後から草原に向かう。良いな。」

「「「「はーい」」」」


 一行は宿に戻り、明日の準備を始める。

ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 文字通り「修」行や鍛錬法を、「学」びてときにこれを習う「旅行」なわけだね [一言] 競いあう仲間って良いよな ボッチの当方には無縁の言葉だけどね
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