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ミソラ怒られる

女の子が火傷大変です。

 やっと炎が出たミソラであったが、引き換えに自慢の長い髪が燃えると言う大惨事を起こしてしまった。

 リルルに消火してもらい、ようやく治まったのだが髪の毛の一部が燃えて短くなってしまい、バランスが悪くなってしまった。

「トルマかっこよく切ってね。」ミソラは嬉しそうだった。

「お嬢様、長い髪は淑女の印ですよ。こんなに燃やしてしまって、これでは短い所に合わせるとショートヘアーとなってしまいます。公爵様になんと言い訳を・・」

「トルマ大丈夫。剣に炎が纏わりついたのだからお父様は喜んでくれるわ。それにロレンシア流の練習も始まるしね。ふふふ。」

 何度も言うがミソラは髪より剣技、特にロレンシア流の会得が最優先であった。


 夕食の時に

「お父様剣に炎がでました。明日から剣技の練習をお願いします。」

「ミソラ、あなたその髪・・・ああ神様。」

「お母様は心配性です。髪などまた伸びてきます。それに剣技には邪魔ですし、これで良いのです。」

「はははは、さすがロレンシア家の娘、おしとやかは嫌か。その髪、女剣士そのものだな。ははは」

「お姉さまなんかかっこいい。」

「リーブスもそう思う。ふふ。」

 新しいミソラの日常が始まろうとしている。

 

 翌日からは父であるフォン・アルトハイム・ロレンシア公爵が直々に毎日1時間程ミソラの相手をしていた。

「最近動かないから、お前との打ち合いはちょうど良い運動だ。当主を舐めるなよ。こっち、そっち」

 目に見えない剣を受けるとミソラの体力は限界となった。

「お父様強すぎます。ミソラの体がもちません。」

「戦場でそんな言い訳通用すると思っているのか、力が無くなったら即死だ、覚えて置け。」

「むむむ、ミソラ頑張ります。」

 再度打ち合いを始めるミソラと父親。その様子をリルルは心配そうに見ている。

「俺より手加減が無いな。」と呟く。

 時間となり、父親は事務処理に戻っていく。

「リルルお水頂戴。」と言うと井戸に行き、トルマが用意してくれた器で水を飲む。

「ハー生き返る。」とミソラ。セリフは中年である。

「お嬢ちゃん、水はしっかり飲める時に飲む。そうでないと戦闘の最中に動けなくなるぞ。」


 ・・

「休憩が終わったらロレンシア流の訓練だ。いいかい今までよりももっとつらい訓練になるからついてきなさいね。」

「はい師匠。」

「おっまっいいや。」


 ミソラは刃の無い鉄剣に持ち替えると、当たり前の様に炎を纏わせる。

「お嬢ちゃんロレンシア流は剣技もそうだが、炎を利用した剣技が使える。

 簡単に言えば、相手の剣を剣で止めて、横滑りさせて相手の顔を焼いてしまう。目を焼いてしまう等だ。

 また、火力を最大にすると兜を焼き切る事ができる。今はそこまでは無理だと思うが将来はそんな事も出来る様になるから、昨日の様に自分に火をつけるととんでもない事になるぞ。」


「リルル解った気を付ける。」


「そうだよお嬢ちゃん、折角淑女を捨てたんだから今度は体中に火傷とか真剣に怒られるぞ。」


「うう、そうなったらお母様に殺される。」

 ミソラは母リアナが刃物を持ってミソラに近づく姿を想像していた。

「ぞっとする。」


「よし、休憩終わりだ。最初はあそこに刺している木に向かって剣を普通の剣技の様に左右から切りつける。

 500回はじめ。」


「右、左、右左・・・」「まだ200回だぞ」「右左右左・・・・」「まだ300回」

「右左右左・・・・」と突然木が燃え落ち裂けてしまった。

「お嬢ちゃん残念だな、次の木に500回。」「エーーーー」

「さっさとやる。」「悪魔、右左、リルル悪の化身だ、右左、いつか退治してやる右左・・」

「ほらまだ100回だぞ。お嬢ちゃん」

「・・・・・・」ミソラはもう掛け声や悪口を言う体力も残されていない。

「・・・・・・・・・」バタ。またミソラは倒れてしまったが炎は消えていたが、足に剣で火傷をしてしまった。

「おっ不味い。」リルルはミソラを引きずって井戸に来ると、ミソラにバケツで水を何杯もかける。

 ミソラは意識を取り戻したが、まだ水をかけられている。

「もういいよ。」「だめだ火傷は水で冷やすのが一番跡が残らない。」

 ミソラは腿に剣の形に火傷している。


「お嬢ちゃん、何か言われたらリルルの剣が触れたとでも言っておけ。」

「大丈夫よ。長いパンツで隠すから。」


 そして夕食時

「みんな揃ったな。では頂きます。」「「「頂きます」」」


「ミソラ今日の練習は如何だった」

「お父様の剣は早すぎて見えなかった。凄いなと思ったよ。」

「そうか、そうだろう。はははははは」超機嫌が良いアルトハイム。

「お姉ちゃん倒れて火傷したと聞いたけど、大丈夫。」リーブスが聞く。

 しまった口止めを忘れた・・・・


「ミ・ソ・ラ・」お母様・・来た。


「あなた嫁入り前なのですから火傷とは何ですか、そもそもロレンシア家のお嬢様とし・・・・・」

 長い説教が始まってしまった。

 ミソラは愛想笑いしかできない。「はは」

「何笑っているのです。」それはそれでミソラ、油を注いでいるぞ。


「おっお母様大したことありません。治りますし大丈夫です。」


「そもそも私は・・・・」母の怒りは収まらない様だ。


「たく、仕方ありません。トルマ。私の部屋からアレ持ってきて。」

「はい奥様。」

 ・・

「これでございますね。」「そう、それ」

「男たちは向こう向いて、ミソラパンツをずらして。」

 母は王都で買った高価な南方特産のアロエクリームを火傷痕に塗り込む。

「こんな事が有ろうともって用意していたアロエです。火傷に効くらしいです。これでよし。トルマ薄布持ってきて。」

 クリームを塗った所に薄い布を貼り重ねその上にもクリームを塗る。そして油紙を貼る。

「よい、ミソラ1日経ったらそれを全部とりなさいね。化膿したりしますから。

 取ったら水で綺麗に流して石鹸で洗いなさい。」

「はいお母様・・」ミソラは唾でも付けて・・・と思っていたが本格的に治療されてしまった。


「良いですかミソラ。ロレンシア流は火傷が沢山出来ます。気を付けて、特に足と腕と顔はダメです。

 女の子なのだから最低限避けなさい。倒れる時でも剣を遠くに投げて火傷しない様にしなさい。」

「剣を投げるとは・・・危険だぞ」「あなたは黙ってください」母は強し。


「母様、ミソラが強くなれば問題ないです。」「ミソラ・・・・」父は何かを言えない雰囲気であった。 

ありがとうございます。

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