ミソラ誕生日を忘れる
投稿します。
ミソラは誕生日に採掘に出かけてしまい準備が・・・
即席チームでの大勝利を祝って、ミソラは金貨2枚で宴会を催していた。
「みんなお酒強い。」とミソラが関心する。
「ミソラちゃんが未成年なのが勿体ない。」とアミンが絡んでくる。
「ははは、まだ飲めないから無理です。」とミソラ。
「そう言えば、若くてお酒飲むとなんか頭に影響があると聞いたよ。」とドネルグ。
「そうなの。大きくなっても絶対飲まない。」
「うん。沢山の人がお酒で失敗しているから、ミソラは飲まない方がいいと思うよ。」
「そっかー。飲まない。決めた。」とミソラ。
それから夜は更けて、途中で清算してミソラとドネルグは御屋敷に戻って行った。
「金貨2枚なんて、あっという間だったね。」
「うん。食べ物よりお酒の方が高かったね。みんなよく飲むから。」
「食べ物屋やる時は飲み物でぼった・・・」
「あれま。ミソラ変な知識が・・」
「ふふ。世間勉強の成果です。」
玄関を入ると母リアナが仁王立ちしている。
「二人とももう寝なさい。」と母親のリアナ・バレンシアが言う。
「そうだぞ、冒険で成功したからと言っても翌日も冒険だから寝なさい。」
とフォン・アルトハイム・ロレンシア公爵も言う。
「あ・な・た」アルトハイムは「ヤバ」と言う顔をした。
「はーい。寝ます。」
それぞれの部屋に戻って行く。
翌日、ロレンシア家の屋敷。
「ドネルグおはよう。」
「昨日は朝4時に起きたのに今日は7時だね。」
「だって昨日は楽しみ過ぎて早く起きてしまったから・・・。」
「今日の予定はどうする。」
「ドネルグ君少し待ちなさい。」とロレンシア公爵。
「二人ともまだ当家に宿泊するのは構わないのだが、そろそろ新学期の準備をした方が良い時期だぞ。
ミソラは4月から3年生だろ、なら王都周辺の中級魔物を狩りつくした方が、成績も上がるし良いことづくめだ。こっちで冒険者やるより王都の方が種類も多いしな。それにミソラは11歳なのだから。」
「あっ・・・忘れてた。12月だから11歳になってた。」
「そうだ、毎日冒険者ギルドに行くから誕生日祝いもできなかった。母さんと悲しんでおったのだよ。」
「あらら。すいません。自分の誕生日すっかり忘れていました。」
「ならミソラ。今日は11歳の誕生日祝いだ。冒険者ギルドは休みで着替えなさい。
ドネルグ君もいいね。一緒に祝って欲しい。」
「あっはい。少し買い物に・・・」
「うん構わん。これから午後までロレンシア家の祝いで、一般は3時から開催するから3時までに戻ればいいよ。」
「はい。3時ですね。戻ります。」
「そうか、食事終わったらミソラ支度しなさいね。もうドレスは買ってあるから。」
と母親のスル・リアナ・バレンシアが伝える。
「さて2日遅れましたが、ミソラの11歳の誕生日をします。みんなお願いね。」
「「「はい」」」「「「お嬢様おめでとうございます。」」」
「あらら11歳か。10歳に慣れていたのに。すこし残念。」
「なんて事を、歳はほっといても取る物です。特にミソラは11歳で王都軽視学園の3年生になるのですから、大事です。」
「はい、お母様。」ミソラは大人しくなった。
「ミソラは本当に・・11月末に討伐旅行に1週間行った時はびっくりしました。」
「すいません。誕生日忘れていました。」
「でもそのおかげでロリシア街にミスリル鉱石が豊富になった。」
父アルトハイムは、母リアナに睨まれた。
「そっそのすまん。」
「さて、トルマ、リリル。今日はミソラの誕生祝いです。準備をお願いね。タミル。ミソラを着替えさせて。
ユーマス。ロリシア街の有力者に、特に冒険者ギルドと鍛冶屋ギルドには連絡してください。
突然ですいませんが本日3時からロレンシア家ソア・ミソラ・ロレンシア11歳の祝いの会を開催すると。
早馬で配ってくださいね。」
と母親であるリアナ・バレンシアは次々と指示を出している。
ここまでミソラの文句は一切聞かれなかった。
母親が本気になっているときは、なにかを言っても無駄であった。
父親、フォン・アルトハイム・ロレンシア公爵は馬で、別荘地ともなっているロリシア街丘の上にある各貴族の屋敷を回り、たまたま滞在していた貴族を3組ほど招待している。
招待客は1時から食事兼お披露目である。
3時からは一般庶民(ロリシア街住人)のお披露目であった。
「タミル。ごめんね。前からこれを伝えたかったんだね。」
「いえいえお嬢様。ミソラお嬢様は冒険や討伐している時、目がキラキラ輝いてそんなお嬢様も好きです。」
「そっか。遠慮しないで言ってね。逆にこんなに大変な事になってしまって、申し訳ない気持ちでいっぱい。」
「お嬢様。今日は家族のお披露目が11時、保養貴族様のお披露目が1時、そしてロリシア街住人へのお披露目が3時です。しっかり食べて体力を残してくださいね。」
「うん。頑張る。」
ミソラは普段の服装と違い、朝からドレスを着させられていた。
しかも11歳になったからか、しっかり受け入れている。10歳の時は「いやったらいやーーー」とやっていたのだが、多少大人になったのか。
家族のお披露目、保養貴族のお披露目は順調に進んでいった。
最後、ロリシア街住人に対するお披露目である。
実は、弟リーブス・バレンシア(まだ祝福前)とミソラで年2回お披露目と言う名のロレンシア家での接待がある。簡単な祝いの品だけで、貴族の食事と飲み物が味わえる。ロレンシア家伝統のお披露目会である。
今年はミソラが王都に行った関係で開催されない可能性もあったが、たまたま戻って来たので1週間前から準備は始まっていたが・・・・肝心のミソラが冒険旅行に行ってしまい暗黙の延期になっていた。
ミソラの中では、9歳の夏(その年10歳になる者達)に祝福を受けてから、10歳の誕生日は盛大であったが、王都に行ってしまったので11歳の誕生日は無い物と自分の中では解決していた。
3時になった。
「ミソラおめでとう。」治安維持のユーマスにリルルやトルマなどのロレンシア流剣士達、トルマを筆頭に女中達が祝辞を述べていく。つづいて執事達と料理人。
いつもお腹がすいたらパンを貰う、料理人のターミスもいた。
つづいて領地管理ドルステが挨拶する。
冒険者ギルド長ロバトンと受付アリンもきた。
鍛冶屋ギルド長のモーリン(ドワーフ)と鍛冶屋「トッタ屋」のトッタ。
「お嬢ちゃんには世話になった。これミスリルの小刀だ料理にでも使ってくれ。」
ミソラは料理できないぞ・・・
「あっありがとう。トッタさん。」
「鍛冶屋ギルドのモーリンだ、本当の誕生日採掘に行っていたんだってな、すまない事をした。」
「モーリンさん私自分の誕生日忘れていまして、そのー」
「ははは。凄いなお嬢ちゃん。誕生日より採掘か。」母の目が光る。
「遅くなった。ミソラ誕生日おめでとう。」ドネルグが走って来た。
「なにか買い物にでも行っていたの。」
「うん。これを。」
小さい布製の巾着だ。
「これは?」
「うん。収納袋。収納持ち程の大きさはないけど着替え程度は入るよ。」
「うわー覚えてくれていたんだ。ありがとう。」
「ミソラとのパーティーで稼がしてもらっているからね。使ってくださいね。」
「ドネルグありがとう。」
市長や高級役人が次々と挨拶していく。
原則ロリシア街住人ならだれでも参加できる。
ミソラは向こうに小さく固まっている「ロリシアの星」のアミンを見つけた。
近寄るとメンバーが全員いた。
「今日は冒険中止?」
「うん昨日飲んだしね。それに今日はギルドで3時にロレンシア家で誕生祝いがあるから参加する様にと貼り出してあった。」
「うん本当はね弟の分と毎年2回あるのだけど、私王都に行っていたから無いかと思っていた。」
「えっ自分の誕生日忘れた?」
「うん」
「あはは。ミソラらしいぞ。」
「うん。今日も飲んで食べて。」
「ミソラ。ありがとう。メンバーを代表して感謝する。」とアミン。
盾使いロランドは無言で食べて飲んでいる。すこし怖い。
「ミソラ」ドネルグだ。
「ドレス来ていると違和感が大きい。だけど今朝公爵が言われていた通り王都に戻る?」
「うん。さっきから考えていたけど、戻ろうと思う。」
「そっか。ならいつ戻るか決めて欲しい。」
「そうね。。明日。」
「えっ早すぎない。ギルドにも挨拶しないと。」
「そっか明後日。」
「ふぅ解った。明日は戻るためのあいさつ回りで、明後日出発だね。」
「そうだね。」
慌ただしく誕生日は過ぎていった。
12月1日生まれのちっこいミソラはちっこい11歳になった。
ありがとうございます。