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ミソラ炎が出ない

第2話を投稿します。

ミソラ炎が出ない様です。

 毎日、剣の稽古をしていたミソラであったが、ロレンシア流は剣に炎を纏わせて戦うスタイルである。

 つまり魔法剣士であるが、魔法単体では出す事は出来ない。

 剣の技としての炎である。

 

 その日もロレンシア家筆頭剣士のリルルと剣の練習をしている。

「ねぇリルル。炎出ない・・・スキルは有る筈なのに変だよね。」

「お嬢ちゃん、スキルで「炎の剣」があるからいつか出せる筈だけど。」

「リルルはどの位で出せたの。」

「俺は半年かな。父親との練習で突然出せる様になった。」

「そうか、スキルを頂いてから半年か・・まだなのかしら。」

「お嬢ちゃん、時々令嬢と町娘の言葉が混ざるな。いいのか。」

「えっ・・そっか、でもくだけた方が好きだな。」


「あいよ、お嬢ちゃん。剣の練習はこの位で炎の練習にしようか。」

「炎出すのに練習方法あるの。」

「出し方の問題だな。俺は剣に炎が巻き付いている事を想像していると出せるぞ。」


「よしやってみる。うーーーーーーー。ハァハァでない。」

「お嬢ちゃん、そんなに力入れてもダメだ。想像するだけでいいんだよ。」

「炎・・・・でろ。炎・・・でなさい。炎・・・出てお願い。」

「はははは。お嬢ちゃん面白いな。頑張ってみなさい。それと部屋ではやらない様に、もし炎が出たら屋敷が丸焦げになるからな。領民にも迷惑がかかる。」


「解った。外に剣を刺してそれに祈りをかけて見る。」

「それはいい考えだ。やってみたらいいと思うよ。」

「うん、リルルありがとう。やってみる。」

 ミソラは自分の部屋の窓から見える庭に剣を刺して練習をする。


 夕食の時「ミソラ炎は出る様になったか。」と父であるフォン・アルトハイム・ロレンシア公爵が聞いてくる。

「お父様難しくてまだですわ。」

「そうか、炎が出たら父が剣技を教えよう。楽しみにしておれ。」

「はい、楽しみにしています。」

「お姉さま。本当に冒険者になるの?」

「リーブス。私は剣で冒険者になると決めたの。もちろんアトラム王国やロレンシア家に何かあればその為に剣を振るいます。」

「ミソラ姉さまかっこいい。」

「何言っているのですか、女の子は立派な花嫁が相応しいに決まっているでしょ。あなたも娘を煽る様なことは慎んでください。」

「リアナ。剣で国に仕えるのは名誉な事なのだぞ、それにミソラもやる気があるではないか。

 儂は立派な剣士に育てるつもりだ。」

「あなた婚約はどうするのです。」

「あ奴は・・トミル・スンダーラは、まだ6歳だぞ結婚までにまだ10年もあるではないか。

 それまでに立派な剣士・・・」

「あなたダメです。花嫁修業や勉強もあるのですからもっと剣の練習を短くして家庭教師を付けましょう。」

「しかしだな・・・」

「お父様お母様、リーブス、私はミソラは剣士を目指し行く後に冒険者として功績をあげてスメタナ王閣下に徐爵され、独立貴族して家を持つことが夢です。その為には勉強も剣も必要だと思っています。」

「あなた・・ミソラ。花嫁修業はどうするの。」

「リアナ。ミソラはまだ10歳だぞ、その内夢も変わるであろう。今は剣士なのだから応援してやろうではないか。」

「あなた・・解りましたミソラ。後1年でロレンシア流免許皆伝できなければ花嫁修業させますからね。」

「リアナそれは無茶だ。せめて2年は必要だぞ。」

「そうですか、では2年で免許皆伝ね。」

「お姉さま凄い。」

「リーブスまだこれからです。お姉さまはリーブスが自慢出来る様に頑張ります。」

「ミソラ炎が出てから大変だぞ、ついてこれるのか。」


「もちろんです。お父様。お父様を「まいった」と言わせます。」

「ははは。頼もしい剣士だ。」「まったくもう・・」

 父は喜び、母は呆れる。日本でも良くある風景である。


 翌日。


「リルル稽古よ。2年で免許皆伝されないと花嫁修業だからね。頑張るのよ。」

「頑張るのはお嬢ちゃんだろ。まっ付き合うけどな。」

「あれから2週間、毎日庭の剣に思いを乗せているのだけれど、ちっとも炎が出ない。」

「お嬢ちゃんあきらめるな。根気よくやらないと炎は出ないぞ。」

「そっか根気か・・まだまだなのかな。」


「いくぞお嬢ちゃん」

 木製剣のぶつかり合う音がロレンシア家の庭に響き渡る。

 女中達はミソラが本気で剣を学んでいる事に半分は憧れを、半分はお嬢様として如何な物か、との反応である。

 ロレンシア家に詰める文官の家臣達も静観をしている様だ。

 ミソラの味方は弟のリーブスだけだ。

 リーブスは次期領主として剣をミソラと一緒に習っているが、まだまだである。


「リーブス無理しないで良いのよ。姉さまは結婚が掛かっているのですから真剣です。休みなさい。」

「はいミソラ姉さま。見学しています。」


 ミソラとリルルが激しく打ち合いながら間合いを取ると、また打ち始める。きりがない。


 ロレンシア家家臣でロレンシア流が使えるのは10名である。その筆頭がリルルであるが、他の者達はリーブスの訓練に付き合ったりしている。

 因みにロレンシア流以外の剣士はロレンシア家に20人いる。

 有事の際にはロリシア街の警備隊が半分、これでも100名なのであるが、ロレンシア軍として加勢をする事になっている。

 領主を加えた111名がロレンシア軍の中核を構成するが、本当に有事となったら街人も徴集し兵糧や宿泊などの支援隊を作る。これは300名もいる。ロリシア街の定住者は税金が少ない代わりに支援隊訓練に1年で10日程参加が義務付けられている。

 これがロレンシア軍の強さの秘密であり、代々受け継がれた育成法である。


 今日もミソラは出ない炎の訓練を庭に向かって行っている。

 ミソラ10歳の初秋である。

ありがとうございました。

第1話が悪い癖が出てプロット的になってしまいました。

書き直したので宜しければご覧ください。

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