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ミソラ故郷に帰るがドネルグを誘う

優秀合格したミソラ。故郷に戻ります。

ドネルグに一緒に行こうと誘います。

 優秀合格した夜。

「ねえねえ、タミル。学園の進級試験合格してしまいました」

「お嬢様それは、おめでとうございます。」


「でもね、4月の学校が始まるまで暇なのよね」

「ならお嬢様、王都には最近、盗賊や夜盗が現れていると噂になっています。当家屋敷も夜間警戒を厳中にしていますが、この際ロリシアにお戻りになられては如何ですか」


「えっ盗賊が王都に出没しているのですか、それは初耳です」

「なんでも、夜中に突然現れて路地においてある荷物を盗んでいくらしいです。なんか気味悪いですよね」

「そうなのですね。盗賊ですか・・・」

「お嬢様、気持ち悪いと思いませんか?」

「確かに。王都は平和だと思っていたのですが、盗賊なのですね」

「ええ、王都警備隊も親衛隊も見回りを増やすそうですよ」

「そうですか、なら安心なのでは」


「ですが、気持ち悪いです。当家屋敷も外に物を置かない様にとの当屋敷、総執事長のアルバートさんからの指導です」

「そうなのですね。興味が湧いてきました。どのあたりに現れるのですか」

「なんでも平民街や貴族街と、どこでも道に荷物があれば盗んでいくらしいです」

「なんでも?なのですか・・お金ないのかな。」

「そうらしいです。とても気持ち悪いです」

「危害はあるのですか?」

「盗むだけで、危害は聞いておりません」


「あっ良い事思いついた。家の前に荷物置いて、それが現れたら屋敷警備兵で捕まえると言うのはどう?」


「お嬢様が王都屋敷にいる間に危険な事はさせられません。反対です」

「でも・・」

「ダメです。旦那様に叱られます」

「そうか。仕方ない」



 ・・

 その夜、深夜にミソラは屋敷の荷物を外に沢山運び出し、荷物の裏に隠れている。

「ふぁ~眠くなってきた。でも頑張らないと・・・・・・ススス」

 ミソラは、昼間に激しい進級試験をしたせいで眠気が襲ってきた。荷物に隠れてミソラは眠っている。


 ・・・


 突然「わー」と言う声で目が覚めた。

 寝ぼけたミソラに不審な男が写っている。

「でたな盗賊。覚悟しなさい」


「ミ・ミソラ・・さん。俺ですよ、ドネルグです。」

「えっドネルグ・・そんな貧乏だったのですか。」

 声を聞き屋敷が騒がしくなってくる。


「ミソラさん誤解ですよ。道端の荷物を無限収納に入れて出して訓練しているだけだよ」

「そうですか・・王都に道端の荷物を盗んでいく盗賊が現れたと聞いて見張っていましたけど・・」

「盗賊ですか・・怖いですね。なら僕も帰ります。」


「ちょっと待って、荷物・・・私の服・・・」

「あっっっ忘れていた。今出すね」

「ちょっと待って、ついでに屋敷に運んで」

「こんな時間に?迷惑ではないの」

「道端の荷物で訓練しているドネルグに比べれば大丈夫です」

「えっそんなに気持ち悪い?」

「うん、とっても」

「そっか」


 二人は警備兵が起きて来た屋敷に戻って行く。

「ただいまードネルグに会いました」


「お嬢様。お怪我はないですか」

 王都屋敷警備隊長のトトルが聞く。


「うん大丈夫。心配かけてすいません」

「いやそれは良いのですが、こんな時間に何を・・・」

「いやちょっと。盗賊が現れたら捕まえようかなと・・・・」

「お嬢様。いけません。御館様に叱られます」


「ごめんなさい。タミルにも同じ事言われました」

「当たり前です。お嬢様に当屋敷で危ない事はさせられません」

「・・・これでもCランク冒険者ですけど。」


「お嬢様。ダメな物はダメです」

「すいません。こちら前に会ったと思うけどドネルグよ。道端の荷物で無限収納の訓練していたんですって」

「こんな夜中にですか?」


「はい、すいません。早く一人前の荷物運びになりたくて、夜は家の物で訓練していたのですが、家は荷物が少なくて訓練にならないので・・・」

「それで盗賊に間違われたのですか?」

「「えっ」」


「ドネルグが犯人だったの?」

「ミ・ミソラさん・・それはないよ・・・」


「いや間違いなく、噂からするとお嬢様のお友達が犯人かと思います」


「トトル。そう言われるとドネルグが犯人なのかもしれません」

「えー。そんな」

「夜中に怪しい事をしているから、盗賊と間違われるのです」

「そうかも知れないけど・・」


「お嬢様、もう危険な事はなさらないでください」

「はい、トトル。ごめんなさい。ドネルグも部屋に行って荷物返して」


「わかりました。すいません」


 二人は屋敷のミソラの部屋に入り、荷物を返してもらう。


「そうだ、話しがあるのだけど。私今日進級試験に優秀合格して4月まで魔物多く出るロリシアに戻ろうと思うの。ドネルグも来る?」


「えっいいの? 行きたいけど」

「学校は?」

「学校と言っても、荷物運びは試験に合格して一人前になったら卒業ですから」

「えっ授業は無く、訓練だけ?」

「うん。最初にお金の計算が少し、で後は毎日訓練」


「そっか、なら荷物運びが欲しいから一緒に行く?」

「将来、冒険者だけではなく、商人と荷物運びしたいから、街は知っておきたい」

「そうだね、街知らないと話にならないよね」

「解った。なら一旦戻って家族の許可を取って来て。明日昼に出発するから昼に来て」

「うん。昼に行きます」


「ではもう一回寝るから解散」

 ドネルグはミソラの屋敷から家に戻って行った。


 ・・

 翌日昼である。


「ミソラ。来ました」

「許可貰って来た?」

「うん大丈夫。それに僕も12歳だよ」

「はは。大丈夫なら行こう」

「うん」


 二人は王都屋敷が用意した馬車で旅立っていった。

 変わった事は、ドネルグが一緒なので荷物を全て収納して、身軽になった事である。

ありがとうございました。


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