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ミソラ進級試験に挑む

ミソラが進級試験に挑戦します。

・・真剣で勝負とか、どこの体育会系だよと思います。


「さて、12月の試験はアルスだけだったが合格だ。2月の試験頑張って進級しろよ。」

「はい。ありがとうございます。」


「さて、ミソラだが2月の試験で優秀なら飛び級が、普通に合格なら2年が、ダメなら退学だか、どうする。」

「なにか選べるのですか。」


「あっ内容言ってなかったな。すまん。

 ミソラは3回の試験をたった一回で合格してしまったから、12月の試験は無いのだが・・・

 特別に1月か2月に進級試験受けられるぞ。

 ただし優秀合格しても4月からの飛び級になるがね。

 どうする?受けるか。」


「ウルメス先生、燃えてきました。受けます当然。」

「おお凄いな。これだけ飛び級に挑戦して燃えている奴は過去いないぞ。それだけ難しいと言う事だ。」

「ふふふ。ウルメス先生ミソラは冒険者もCランクとなりました。受けない訳がありません。」

「えっミソラCランクなの。」「そうよアルス。」

「うわー追いつけない。」

「ははは。なら試験受けるか。いつが良い。希望聞くぞ。」

「では、今から。」

「「えー」」


「ちょっと待て。過去12月に進級試験受けた奴はいないぞ。」

「ウルメス先生質問です。今日試験受けて飛び級が確定したら勉強はどうなります。」

「うーん。飛び級まで受かると言う事は、2年までの勉強と剣技が全て終わったと言う事だ。

 つまり、たとえば今日試験受けて合格したなら、3年生として4月の初登校まで自由にしても良い。」

「と言う事は冒険者1日中できると言う事ですか。」

「そういう事だ。田舎に帰っても良いぞ。」


「よし、ますます燃えて来た。」

「ミソラ言っておくが、今日12月に優秀合格したなら本校始まって以来だ。」

「やります。挑戦します。」

「ちっこいのに」

「アー、ルー、スー、ばふふの餌にするよ。」

「うわ、ごめん。ミソラなら本当にやりそうだから怖い。」

「ふふふ。」

「では、準備しろ。下で手続きしてくる。」

「会場は・・」

「1階の鍛錬場だ。」

「剣は真剣で宜しいのですか。」

「ああ、儂も真剣で対決する。儂と引き分けたら2年進級、ミソラが怪我したなら不合格。見事儂を怪我させたなら優秀合格だ。これでも元王国騎士団団長だ。手加減はしないぞ。」


「はい心得ました。行きましょう。」

「俺も見ていい。」

「おう、アルスの同席は許可される。」


「では先生行きましょう。」

「いいんだな。」「はい♪」

「ヤレヤレ、校長になんて言おう。」

「では鍛錬場でお待ちします。」

「わかった。ヒーラーも手配するから少し待て。」


 ・・

 こうして15分後、校長のクリス・ローリンドと共にウルメス先生は現れた。

「ほっほっ、ミソラが戦うの楽しみじゃ。」

「校長先生、忘れてませんかミソラはまだ10歳ですよ。」

「ほっほっだから楽しみなのじゃ。ウルメス・トマム先生、負けたりしないでしょね。」

「プレッシャーですか。」

「なんかみんな見てる。」

「そうじゃ特別に2年のAAクラス全員と1年のAAクラス全員の見学を許可したぞ。多い方が戦うのに気合が入るじゃろ。」

「そういう事はないと思うけど・・・」


「ミソラ頑張れ、ゴリラなんかやっつけろ。」

 1年AA魔法科のマイオール先生が叫ぶ。

「おい少しは俺の声援も頼むぞ。」「・・・」

「えっなしかい。」

「ちっこいの頑張れ。」2年AAクラスのみんなが声援を送る。

「3年になって見せる。」ミソラは呟く。


 真ん中に校長先生。

「では1年AA剣士科クラス。異例だが進級試験を始める。どちらかが怪我をした時点で試験終了。

 ミソラは先生にケガさせたら優秀合格。引き分けたら合格。ミソラが怪我したら不合格で退学じゃ。」

「判っています。」

「いい度胸だ。手加減せずに行くぞ。」

「かかってきなさい。」とミソラ。


 観客は騒いでいる。

「きみ1年AA剣士のアルスだよね。あのちっこいのが進級試験なの?」

「はい、Cランク冒険者で王の剣を賜ったミソラです。ロレンシア家の令嬢。」

「えっあれがロレンシア流最初の女流剣士なのか、ちっこいけど大丈夫なの。」

「まぁCランク冒険者ですし、大丈夫でしょう。」

「そうか、でもオーガと小人の戦いの様だな。」

「・・先輩あまり「ちっこい」と言うと「ばふふ」の餌にされますよ。」

「・・・そんな強いのか。凄いなちっこいのに。」


「そこ、ちっこい言うな。気が散る。」ミソラは怒る。

「やばい」


「ほっほっ、準備は良いかな。・・・でははじめ。」

「とりゃー」ウルメス先生の強烈な突き。

「ほっ」ミソラは飛び上がり躱す。

「あまり飛び上がっていると、飛び上がりを切られるぞ。」

「はーい♪」


「おうさ」続いてウルメス先生の横胴切り。

 ミソラはバックステップでかわす。

「とりゃー」続いてウルメス先生の袈裟切りからの突き。


「ほぃ」ミソラはまたしてもステップでかわす。


「攻撃はできんようだな。ならこれは如何だ。」

 いきなりウルメス先生は突進して横に薙ぎ払う。

 ミソラは空中で1回転して避ける。

「うぉーーー」ウルメス先生の連続突きである。「5連突き」「凄いな」

「あれだけ突進しながら突きを出しているのに右左と華麗にステップで避けているぞ。」

「攻撃できないのか、ちっこいのは」

 ミソラは横目で見る。

「うっ」


 十分な距離を取ったミソラは「そろそろ行きますよ。先生の間合いは見切りました。」

 反撃である。剣に炎を纏わせると観客が「おおお」と感嘆する。


 ミソラはそのままダッシュして、ウルメス先生の前でジャンプ。一回転しながら切りつける。

「この」ウルメス先生は剣を出してミソラの剣をはじく。

 ミソラは横に走り、壁を蹴って再び高く飛び上がる。

 炎の剣を先生の肩に切りつける。わずかに先生は剣で防ぐ。


「ここだ」ミソラは今度は左の壁を蹴ると、先生の前方に飛ぶ。

 着地したらすぐに飛び上がる。クルクルと何回転もして剣を先生に向かっていく。

「攻撃が単純だ。」先生は横に飛びミソラを狙い剣を横に振る。

「カキーン」ミソラは縦回転の中、横に剣を出して先生の剣をはじく。


「あのちっこいの、回転しながら相手の剣が見えていると言う事なのか。」

 ミソラは着地すると同時に先生の剣の下に潜り込み、左足を切りつける。

「いて」

 ミソラはそのまま滑り距離を取ってから立つ。

 

「はい、そこまでじゃ。先生怪我は如何だ。」

「はい、下からの切りつけで左足腿を防具事切りつけられました。傷口はミソラの剣で焼かれて血は出ていません。」

「ふぉふぉ、ウルメス先生もミソラも楽しそうじゃったぞ。」


「はい、楽しかったです。」

「おう久しぶりの真剣勝負。燃えたわい。」

「では先生。宜しいですかな。」


「文句のつけようがありません。」

「では、優秀合格じゃ。」

 観客は一斉に「わーーー」と叫ぶ。

 レストランや事務の人々が何事かと鍛錬場に集まってくる。3年生も混じっている。


「おほん。ではここに1年AA剣士科ソア・ミソラ・ロレンシアを優秀合格者として、飛び級とする事を宣言する。ミソラ良く頑張ったな。」

「はいありがとうございます。ウルメス先生もありがとうございます。」

「そうじゃった。ヒーラーのトリマシ先生。ウルメス先生の治療を頼むよ。」

「はい、あらちっこい子にやられて、元王国騎士団団長の名が泣くね。こんなの唾つけとけば治るよ。」

「そう言わず頼むよ。」「仕方ないね。では。」

 ヒーラートリマシ先生により、ウルメス先生の腿にヒールが施される。

「火傷と傷だけど、火傷は治らないからしばらく我慢してね。」

「あいよ。授業だけできればよい。」


「あの子、優秀合格で飛び級だってよ。」「すごいな」「ミソラって聞いた事がある、確か10歳の筈。」

「えっ10歳で優待入学して、しかも飛び級なのか。」「そう。4月から3年とか驚くよね。」「まったくだ。」

「あっ・・・先輩。」「何かと騒がしいので来てみたら、10歳で優秀合格か、11歳で3年だな。ふふ。」

「先輩。トルラ先輩、何か企んでます。」「いや」

「なら良いですけど。Cランク冒険者らしいですよ。」

「えっまだ俺Eランクだぞ。ちっこいのにCランクなのか、11歳で侮れんな。」

「二人とも4月から3年なのですから頑張ってくださいね。」

「そんな事よりアルスは大丈夫なのか。」

「ええ、頑張って2年になります。」


 観客の噂話は尽きない。


「ミソラ、3年確定なのだが授業はどうするの。」

「アルス、しばらく冒険者やりたいので田舎に帰ろうかな。」

「そうか、寂しくなるな。あっと言う間に来て、あっと言う間に居無くなるミソラって。」

「ははは、途中入学だから仕方ないよ。」

「そうだけどさ。」

「うーん、なら成果を手紙で報告するね。」

「わかった。ミルネと一緒に頑張るよ。」


「何か言った。」


「わー、ミルネ脅かすなよ。」

「あのさ、マイオール先生がここにいるのに魔法科の授業になるわけないでしょ。」

「それはそうだけど・・」

「ねっえミソラ4月まで田舎に戻るの?」

「うん、ミルネ寂しいけど、田舎は魔の森が近いので強い魔物がいるから、領民の為に戻って退治してくる。」

「そっか、ミソラのお父さんロリシア街の領主だものね。それも領民思いの。」

「うん。多分ロリシア街と中央ロータス街のデル伯爵との所も退治に行かないと。」

「ミソラ、デル伯爵様と知り合い?」

「うん。中央ロータス街でオーク退治したよ。」

「エッCランクモンスターだぞ。倒したのか。」

「うん。それで王都で登録したらDランク貰えた。」

「普通オークとか無理だよ。」

「うん脂肪が厚くて、ロレンシア流だから勝てたような物。」

「そっか熱で脂肪溶かしてやっつけたのだね。」

「うんそうだよ。」

「俺には無理。」「ははは。」

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