ミソラの日常
ミソラの日常を書きました。
ドネルグと会ったようです。
「ふぁ~良く寝た。昨日も狩で疲れていたのかな。まっ今日も狩りだし頑張るか。」
・・
「おはよ~」
「お嬢様、御着替えを」
「いいよ。自分でやるから。冒険者はみんな自分でやるのだから、私も普段からやるね。」
「そうですか・・お嬢様」
「うん。そういう事にして。」
「解りました。お嬢様。でも・・朝の起こしは私どもに」
「う~んわかった。起きなければお願いね。」
「はい!!お嬢様」
女中のタミルが王都屋敷のミソラ担当なのだが、ミソラの周りをやる事が無くてがっかりしていた。
「お嬢様。朝食はどの様にしますか。」
「うん。紅茶と焼いたパンに卵焼きかな。それでいいわ。」
「では早速用意します。」「いつもありがとう」
「・・・うう」
「タミルどうしたの。」
「いえ、お嬢様がお優しくて、ロレンシア家の方々はみんなお優しいです。」
「そうなの?。ロリシアの本邸でも同じだよ。」
「私は帝都でいろいろな貴族様のお屋敷でご奉公させて頂きましたが、ロレンシア家の皆さまは特別です。」
「そうか、偉そうにしている貴族多いからね。タミルも苦労したのね。」
「お嬢様にそう言って頂けるとやりがいが生まれます。」
「これが我が家では普通だから、いつまでも居てね。」
「はい、お嬢様」
「あっタミル早く朝食を」
「すいません。すぐに用意します。」
この様にしてミソラの朝は結構、優雅である。
「ふふ。学校まで5分・・楽だな。」
ミソラは朝食を食べ学園に向かった。
「おはよ~」
「おはよミソラ。昨日は一角兎を5匹だ。どうだ。」
「アルス、すごーい。アタックラビ動きが速いから苦手なのよ。」
「ふふん、どうだ。ミソラも書けよ。」
「うん・・・と」
「アタックシープ5匹かよ。届かんな。」
「そんな事無いよ。私も最初は少なかったよ。」ミソラは初めての狩でアタックシープ1匹しか狩れなかった事を言っているが・・・忘れているぞミソラ、ばふふ1匹も狩った筈。
「そっか、今日も頑張る」
「がんばれ~アルス・ミルネ。」
「呼んだ。」「おっ」
「ミソラ凄いねアタックシープ5匹か・・魔法の威力上げないと。」
「ベッドでやると良いみたいよ。魔力無くなって倒れるから。」
「えっ倒れるまでやった事無い。ミソラはそんな学習したの。」
「あれっ家だけなのかな・・みんなベッドで練習してた。」
「へ~公爵ともなると違うのね。今夜やって見る。」
「うんやって見て。」
授業があるのでミルネは教室に戻って行った。
「さて、今日は「受け流し」か、いつものと違うのかな。」
「うーん、ミソラ・・君には必要無いと思うけど・・できているし。」
「でも違う内容なら勉強しなくちゃ。」
「そうか」
「みんなおはよう。元気か。」
担任のウルメス先生が入ってくる。
「今日は受け流しの練習だ。少し教科書で勉強したら練習場で練習だぞ。」
「「はい」」
「では受け流しは3つ、「体かわし」「剣そらし」「剣叩き」この3つだ。
「体かわし」は相手の剣の間合いを読んでぎりぎりでかわす技。この技の特徴は相手の剣を躱すと同時にこちらが態勢ができて攻撃に移れると言う事。相手は剣を振り下ろすから体力が奪われる。
なんどもやると相手が体力奪われて動きが遅くなるぞ。ただし相手が人間の場合だ。魔物だと体力あるからこうはいかない。」
「「はい」」
「次に「剣そらし」は自分の剣横の部分で相手の剣を滑らせる技。
「剣そらし」も次の態勢に移り攻撃に繋げられる。」
「「はい」」
「そして最後「剣叩き」これはモンクに代表される「こぶし」で直接相手の剣を叩く、剣で叩くのも「剣叩き」と呼ばれるな。ただし剣で剣を叩くと受けた側も剣を振っているから次の態勢に入りにくいのが特徴。
わかったな、では練習場に移動してそれぞれ私を相手に試してみろ。」
「はーい」「はい」「ミソラだけ嬉しそうだな。」「ええ体が鈍ってしまいます。」
「さすがDクラス冒険者、言う事が違うな。」
一行は教室を出て、隣の練習場に入って来た。
「おっとお客さんか」「ああ、ウルメスこちらは隅で出来るから真ん中使いなさい。」
「すまんな、マイオール。魔法科の邪魔しないから存分にしてくれ。」
「マイオール先生おはようございます。」
「ミソラだったね。Dランクなんだって、凄いね。魔法聞きたければいつでもおいで。ロレンシア流は魔法の一つの活用法だからね。」
「はいありがとうございます。確かに魔力無くなると炎が無くなりますので・・それに他の魔法使えないかなと思います。」
「ミソラ、おれが口だす事ではないが、魔法剣士は中途半端になって結局伸び悩む事になる。
やるなら一流の剣士を目指して、補助に魔法が使えるのが良いぞ。特にミソラは炎の剣で魔力使うからな。」
「そういう物なのですね。解りました。剣士として一流になってから魔法を習います。」
「まぁ残念。こんなゴリラの言う事聞いていいの。魔法ならいつでもおいでね。」
「有難うございます。マイオール先生。」
「ちょっとマイオール先生、私狩で負けているから私に魔法を教えてよね。」とミルネ。
「はいはい」
ミソラは全ての「受け流し」を練習して授業は終わり、昼食になる。
「ただいま~」
「お帰りなさいミソラお嬢様。いつもの軽い昼食用意できています。」
「ありがとうタミル。そうそう、夕方まで狩するとお腹と喉が渇く、軽い物と飲み物もお願い。」
「はい解りましたお嬢様。用意しておきますのでお昼お召し上がりください。」
「うん」
ミソラは昼食を食べて間食用の食べ物と飲み物を背中のリュックに入れてギルドの向かった。
「おお、ちっちゃいお嬢さん。待ってたよ。」
「ハルムトさんいつもありがとうございます。」
「お嬢さん、今日は相談なんだが・・実は街を回らないとダメなんだ。仕事でね。」
「あ~残念。どうしよう私一人で獲物持ち帰えれない。」
「そこで相談だ。俺の親戚のガキで、ドネルグと言うガキだ。こいつを使ってくれ。」
「えっガキって・・見た目十分大人ですけど。」
「そうか?まだ12歳だぞ。」
「収納は如何なんです。」
「うーんまだ小さいから練習が必要なのだが、ミソラの獲物入れていれば練習にもなるし安くなるぞ。」
「はは、そうですね。ばふふ4匹程度持てるなら大丈夫ですけど。」
「どうだ」
「おじさん・・ばふふ4匹は大丈夫だと思う。もう少しで大きくなるけど。」
「と言う事だ。ミソラ嬢ちゃんどうする。」
「はい大丈夫ですよ。でドネルグさんは学校は行っています?」
「こいつは、荷物持ちギルドの収納科に通っているぞ。午前中の授業だから平気だろう。」
「はい、是非お願いします。」
「あの~男でこんなちっちゃい子にお世話になって申し訳ないのですが、戦闘はできないです。すいません。」
「おう、ドネルグ。心配するな。こう見えてもミソラはDランク冒険者だ。安心しろ。」
「こんなにちっちゃいのに凄い・・・」
「ドネルグ・・次「ちっちゃい」って言ったらばふふに食わせるぞ。」とミソラ。
「うわーごめんなさい。」
「あははは。冗談よ。さっ登録していきましょう。」
ミソラはギルドにパーティー登録でドネルグを登録した。無限収納持ちで荷物持ちギルドのライセンスがあれば冒険者でなくともパーティーが組める。
「さっこれで良し。リリアンさ~ん。今日良い依頼入ってます。」
「ミソラ様、いらっしゃいませ。今日は特に依頼は入ってないですね。」
「そうか、またアタックシープとばふふかな。」
「あっちょっと待ってください。Cランク依頼なのですが、Dでも受けられるので・・・これワイバーンの討伐ですね。平原に2匹現れたみたいです。」
「他のパーティーは?」
「さっきの昼に入った依頼ですから、誰も受けてないですよ。」
「やったー。受けます。」
「はい。確かに。気を付けてください。ワイバーンは飛びますが中には火の玉を撃つ個体もありますので。」
「うん。解った。行ってきます。」
ミソラとドネルグは平原に向かって歩き出していた。
「ドネルグ。ワイバーン入る?」
「うーん1匹なら。」
「ワイバーンの提出部位は何処だっけ。」
「ワイバーンは魔素玉だよ。火を吐くからね。」
「そっかーありがとう。なら1匹は素材用に、あとは魔素玉ね。」
「うんいいよー」
・・
「見つけたー」
「ミソラ、大丈夫?飛べないのでしょ」
「うん。なんとかなる。」
ミソラは小石を6個拾うと1個をワイバーンに投げた。
「ドネルグ。離れて。林に入って隠れていて。」
「はーーーい」ドネルグは逃げる。
「こっちこい。」ミソラはワイバーンに威嚇している。
ワイバーンはミソラに向かって飛んできた。
ワイバーンがミソラを掴もうと足を出して飛んできた。
「捕まらないよ。」ミソラは剣に炎を纏って羽を切り取る。
飛べなくなったワイバーンは片方の羽をバタバタさせて暴れている。
「ごめんね。」ミソラはワイバーンの胴に剣を付き刺す。ズブズブと音がして剣がすい込まれていく。
なにか硬い物に当たる。「これか」ミソラはその位置から縦に引き裂く。
「ドネルグお願い。」
林から出て来てたドネルグは魔素玉とワイバーン1匹を収納する。
「いつ見ても便利ね。」「ふっ」
「次行くから、また林にお願い。」「わかった」
次のワイバーンは少し高い所を飛んでいる。
「うーん届くかな。」ミソラは小石を投げる。届かないがワイバーンはこちらを見た。
ワイバーン急降下でミソラに迫ってくる。
地上10M位で止まり火の玉を吹く。「わっ」
「あぶないな」ミソラは小石をワイバーンに投げる。
頭に当たった。「よしやった」
ワイバーンは怒り、ミソラに向かって火の玉を5つも吐く。
ステップでミソラは避けて、さらに小石を投げる。
ワイバーンは足で掴もうと、さらに高度を低くしてミソラに迫る。
「・・・・チャンス。」ミソラ高く飛び上がり、炎の剣で頭を切り落とす。
「やったー」
よく見るとさっきのワイバーンより少し体が大きい。
「ドネルグさーん」
ミソラは魔素玉を取り出し。ドネルグに渡す。
「これ入る?」「いや解らない。」
「やって見る?」
「うん消えてもいいならやって見る。」
「おねがい」
ドネルグの前からワイバーンは消えた。
「一応入ったけど、取り出せるか自信ない。」
「そっかーでも大丈夫叱らないからね。」「うん」
「何事も経験と訓練」
「誰が言ったの。」
「死んだじいちゃん」ミソラ祖父はまだ死んでないぞ。
「そっか」
「戻ろう」「うん」
二人はギルドまで戻って来た。
「リリアンさ~ん。討伐報告です。」
「えっミソラさん。もう終わったのですか。」
「ええ2匹。ばっちり」
「はい、では確認します。魔素玉をお願いします。」
「ドネルグ」「はい」
カウンターに大小2個の魔素玉が並ぶ。
「この玉大きいですね。2匹は2匹なのですが・・・火を吹きませんでした。」
「吐いたよ。」
「えっ火を吹くワイバーンはBランクなのですよ。」
「そうなの。簡単だったよ。」
「末恐ろしい・・・はいでは討伐完了っとこれが報酬、これが魔素玉買取分。」
「多くない。この大きい魔素玉は小さい物の5倍しますから。」
「そうなの。やったー」
「ミソラ・・あれどうする。」
「あっ忘れていた。リリアンさん素材買取お願いしたいのですが。」
「はい、ではカウンターに」
「大きすぎて無理です。」
「まさかワイバーンですか。」
「はい」ミソラはニコニコして答える。
「ではこちらに出してください。」ギルド内階段裏の大きな扉の前に指定された。
「ドネルグちゃん」「ちゃん・・・」
ドネルグは扉前に2匹のワイバーンをだした。
「あら本当にワイバーンですね。査定しますから向こうでお待ちください。」
「あのちっこいのワイバーンだとよ」「ちっこいのにな」「ちっこいけど強いのか」
ミソラはこめかみがピクピクしている。
「ミソラ、無視無視」「ふぅー」ミソラは深呼吸する。「大丈夫よ」
「ミソラさーん。お待たせしました。小さい方は片羽が無いので、金貨1枚、大きい方は全て素材が取れるので、しかも大きいので金貨4枚になります。」
「おお。こんなに。」
「それからミソラさんランクアップです。Cランクなのでメダル返してください。
はい、これがCランクのメダルです。」
「ありがとう」
「ドネルグ。屋敷来ない。」
「うん行く。」
ミソラは屋敷の応接室に戻って来た。
「お疲れ様ドネルグ。」「なんもしてないよ。」
「いや一人でワイバーン2匹は持ってこれないから。」
「それでドネルグ、相談だけど、これからも荷物持ちしてくれる?」
「するよ。叔父のハルムトに頼まれているからな。」
「だったら正式メンバーとして迎えたい。毎回雇うのではなく報酬で払いたい。」
「うーん。うーんいいよ。」
ここでタミルがお茶を持ってきた。
「ありがとうタミル。さっどうぞ」
「有難うございます」
「ハルムトさんから賃金聞いていた?」
「うん銀貨5枚で沢山持てるようになったら銀貨30枚。」
「そっか、それと別に何か出来る。」
「料理得意だよ。荷物運びギルドのレストラン手伝っているよ。」
「まぁ素敵。なら宿泊も大丈夫ね。土日だけだけど。」
「それなら大丈夫。」
「そっか、では正式にメンバーになってね。獲得報酬の半分を渡すね。」
「えっっっっっそんなにいいよ。」
「メンバーだから頭割りなのよ。・・・今回は討伐で金貨2枚、魔素玉で金貨6枚、素材で金貨5枚だから全部で金貨13枚か・・はいこれ。」
「ミソラ・・金貨6枚に銀貨25枚もあるよ。」
「うん半分♪」
「やる!!!一生ミソラ専属の荷物持ちやる。」
「うんよろしくねドネルグ。」
「うん。よろしくミソラ。」
ありがとうございます。