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ミソラ校外学習にいく

ミソラが校外学習に行きます。

「おはよ~アルス。」

「おっおはよ。」

 ミソラは始業10分前に教室に来ていた。


「ミソラ、今日は校外学習の日だぞ。」

「なに、その校外・・って」

「その校外とは学校の外で、学習とは何かを学ぶと言う意味だと思う。」

「アルスは校外・・学習、初めてなの。」


「うん、初めてだよ。なにでも兄さんに聞いた所、AAクラスの全員がチームを作って魔物討伐らしいよ。」

「えっ魔物討伐・・・」

「ミソラ初めてだし、小さいから後ろに隠れて・・」

「やる。やる気でた。」「えっ」

「一人で討伐するのではなく、各魔法科と錬成科と協力して、仕留めるらしいよ。つまり協力討伐と言う事かな。」


「えっみんなでやるのか・・少しつまらない。」

「ミソラ・・一人でやりたいの?」

「うん、一人の方が楽だからね。」

「ミソラは冒険者にでもなるの?」

「うん。もうDランクだよ。」


「その体でか・・失礼。小さいのにDランクか・・意外とミソラ凄いな。」

「えへへ」

「おう、集まっているな。今日は午前中野外で学習だ。」

「はーい先生、何するのですか。」

「良い質問だミソラ。野外学習と言えば討伐だな。各科の学生と協同でする戦闘訓練だ。

 魔法科から2人、錬成科から1人の計5名で行う。早速西門前に集合。持ち物は剣と防具で良い。」

「「はい」」


 こうしてミソラは王都西門に集まり他の1年AAクラスと挨拶をする。

「よろしくね。ミソラです。剣士科1年。」「同じくアルスです。」

「こちらは魔法科1年のミルネよ。」「同じくルースだよろしく。」

「れっ錬成科のマールです。」


「よし集まったな。今日は剣士科担任のウルメスが評価と保護をするからよろしくな。

 今日はばふふを1匹狩る事が課題だ。狩れれば授業は終わりだ。

 狩る事ができれば各人に10点、怪我すれば-3点、ばふふの角を傷つけたら-5点だ。全員にな。」

「うえ、ちょっと厳しい。」とミソラ。


「言い忘れたが、みんなは12歳、ミソラは10歳だがDランク冒険者だ。みんなより強いぞ。それなりに敬意をもって接してくれ。小さいからと馬鹿にすると後でひどい目に合うからな。ははははは。」

「先生・・」

 ミソラは「そんな事しないのに」と思いながら抗議の目を向ける。

「へぇーミソラ10歳でDランク冒険者なんだ。凄いね。」とミルネ。

「女の子同士仲良くやりましょう。ミルネ。」とミソラ。

「うんうん。それが良い。」


「おーい、では編成だ、これから平原に行くが、先頭は剣士2名、真ん中に錬成士、後ろを魔導士が守る。この組み合わせでいってくれ。決して仲間同士で撃ち合うなよ。特に魔導士。」

「はーい」

「よし、剣士が獲物見つけたら切りかかれ、その間に錬成士が土で防護壁を作り、魔導士が遠距離攻撃と剣士の強化魔法。それから西門にはヒーラーを呼んであるから怪我したら西門まで退却だ。よいな。」


「はい」

「では質問はあるか。」

「見つからない時はどうします。」

「あっ大丈夫だ。冒険者ギルドからばふふ1匹買ってきた。いない時はそれを放つ。」

「鬼!!」とミソラ。

「ははは。学習の為だ。」

「アルス、今日から鬼教官と呼ぶ。」「うん解った。」


「ミルネとルースだっけ。得意魔法は何?」とミソラ。

「うんーと。私は炎ね、今風も習っている最中。ルースは強化魔法特化だよ。」

「強化魔法って?」

「ルース答えなよ。」

「うっうん。強化できるのは足の速さと防護力ね。今、力の強化も勉強中。」


「そうか。でマールは土の錬成以外になにが出来るの。」

「うーん、錬成は本来形を作る物なのだけど、土を壁にしたり、土を矢にしたり槍にしたりかな。本当は食器などが得意だけど。」

「食器作れるの?すごい。」とミソラ。

「食器・・ね。ミソラ凄いの?」とミルネが言う。

「凄いよ。だって食器無いと手づかみで食べなきゃならないんだよ。作れるってすごいよ。」

「あっあまり褒められた事無いから・・照れる。」とマール。


「ねえねえ、さっき鬼・・ウルメス先生が言ってたけど、ミソラって10歳で冒険者Dランクなんだって?」

「うん・・そうだよ。ミルネ。」

「そうなんだ、私卒業したら本格的に冒険者しようと思っていたけど、ミソラ見てたら今からでもできそうな気がしてきた。」

「いったいどんな気だよ。」少し怒ったミソラ。

「いや、ちっちゃいのに凄いなと思って、それにDランクは中級冒険者だよ。凄い事だよ。」

「ちっちゃいが余計だと思うけど、言われて悪くない。」

 みんなは西へ歩きながら無駄話をする。


「ねぇねぇミソラはなんでDランク冒険者になったの。みんな聞きたいよね。」

「そうだな。ミソラ教えてやれ、みんなの参考にもなる事だ。それにここにはアルスとミルネがFランク冒険者で他の者は冒険者登録してないからな。」とウルメス。

「私登録しただけだし。」「おれも」とミルネとアルス。


「えー先生。恥ずかしんだけど。」


「恥ずかしがってないで、みんなの勉強の為だ。学園卒業すると大抵冒険者か研究者、そして一部の成績優秀な者が王立騎士団や王立魔道団に入るが、その時冒険者やってた者はDかCランクだ。入学からDランクなんて王立騎士団に内定が出てると同じ事だぞ。」


「あー騎士団には入らないと思います。冒険者がやりたくて学園も入ったのだし、学園と冒険者両方頑張ってますけど・・・・しかたない。」

 ミソラは深呼吸してから喋り出した。


 祝福がロレンシア流初めての女で炎の剣が使える事、中央ロータス街でオークを一人で倒した事、みんなは驚いた表情で聞いている。

「ねぇミソラ・・ひょっとして王都に来て冒険者やって、まさか、そのー、ばふふ倒した事あるの。」とミルネは恐る恐る聞いた。


「えーと、ギルド登録した日に1匹でしょ、2日目に1匹でしょ、3日目に2匹でしょ・・・・・」


「もういい。合計何匹倒しか教えて。」


「もぅ途中まで数えたのに・・・・んーと、えーと、12匹かな。」

「「「「えーーーー」」」」「ほぉ」


「今日の授業は、ミソラ一人で1匹、残りは全員で1匹だ。変更よろしく。」

「鬼だ」ミルネが叫ぶ。


「はーい」ミソラだけが返事をする。

「さすがDランク冒険者。動じてないな。」ミルネが関心する。

 ・・

「先生ばふふ発見。」アルスが攻撃態勢に入る。

「よし、ミソラは見学。他は全員で戦え。」「つまんない」


「よしルース頼む。」「速度強化」「防護強化」

「土防護壁錬成」

「先に撃つからアルスまって」、「ファイヤーボール」「フレアーウォール」

 ばふふは足を撃たれた。しかも後ろに炎の壁があり下がれない。

「ブヒー」アルスに向かって走り出す。足が怪我しているので早くない。

「とぉー」アルスが背中に剣を刺す。土の防護壁にぶつかり方向を変える。

「あぶない。とぉー」今度はアルスが走り込んで胴を切りつける。

 ばふふはまた方向を変えてアルスに向かって行く。

「いくよ」そこにミルネの「ファイヤーボール」が炸裂してばふふは躊躇する。

「今だ、とぉー」アルスは背中から足にかけて斜めに切り刻む。

「まだだぞー」とウルメス。


「はい」アルスは剣を構え、向かって行く。

 何度か胴を切りつけ、最後は後ろ足を両方切って動けなくしてから、首を落とす。

「「「「やったーー」」」」

「よし、よくやった。怪我している者はいないな。10点だ。」

「「「「わーい」」」」


「では次ミソラ。ばふふ放つから退治しろよ。」とウルメスは言うと白い信号を打ちあげる。


「それが放つ合図なのですね。」とミソラ。冷静だ。


 ばふふが突進してくる。さっきより大型だ。

「よしみんなは土防護壁の後ろに、ミソラ大丈夫だな。」

「はい」

 ばふふは興奮して突進してくる。ミソラは動かない。


「ミソラあぶ・・」ミソラは飛び上がると自分の剣に炎を纏わせて首を切断する。


「ふぅ」


「んっ」ミソラは振り返る。ウルメス、アルス、ミルネ、ルース、マールがぽかんとしている。


「まっなんだ・その・・一撃で退治したみたいだな。」ウルメス先生も少し動揺している。

「うっうん。」アルスもやっと返事する。


「10歳なのにちっちゃいのにすげー」とルース。

「ちっちゃいは余計だよ。」とミソラ。


「・・・ねぇミソラ、良ければパーティー組まない。魔導士欲しくない?」ミルネは売り込みに行く。

「~んどうしよう。」

「お前達、困らすな、ミソラはソロでも冒険者できる腕前だぞ、チーム組むなら、アルスとミルネだろ。」

 と先生。フォローになってない。


「ミルネごめんね。しばらくはソロでやりたい。ミルネが卒業して炎魔法なんでも使える様になったらパーティー組もうよ。」


「・・うん解った。約束だよ。よし燃えて来た。学校一の魔導士になってやる。」


「アルスも学園卒業したらどうするんだ。1年の今から目標あると卒業まではあっという間だぞ。」と先生。

「そうですね。俺は騎士かな。あんな冒険者見た後で言うのもなんですが、元々騎士の家系なので、それを目指します。」

「アルス、ならさっきも言ったが在学中に冒険者としてCランクを目指せ。それが良い勉強にもなる。」

「はい、先生。Cランク目指します。」


「だったら、ミルネとアルスでパーティー組んで、ミソラと取れ高競うのは如何だ。」

「無理があります。」「そうです。いまからDランクに追いつくのは難しいと思います。」

「だが、競争相手がいると鍛錬にも身が入るぞ。」

「それはそうですが・・・どうするアルス。」

「仕方ないやるか。俺が同じクラスだから毎日黒板に昨日の成果を書き入れる。それで良いか先生」

「ああ、かまわないぞ」

「よし決まり。ミルネ昼休みにでも見に来てくれ。」

「解ったアルス。ミソラまけないんだから。」


「え~~。なんか勝手に話が・・・」


「そう言うな、全体の学力アップの為だ。ミソラも毎日書くのだぞ。」

「はーぃ・・」

「よしよし、今日の校外学習は大成功だ。わははは。」


「先生ばふふはどうしますか。」

「今日の俺の夕食だ。わはは。」

「先生、公私混同」

「ゆるせ、ばふふ1匹は俺の小遣いで出しているから持って帰る。」


 こうして将来ミソラのパーティーに入るミルネと初めて会った。ミソラ10歳11月である。

 祝福を受けてから4か月目であった。

ありがとうございました。

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