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ミソラ冒険者ギルドに登録する

ミソラはギルドに登録して、すこし狩をします。

「お嬢、ここが冒険者ギルドだ。登録するだろう。」

「うん♪します。」

「ならサクッと済まそう。」

 アルマは冒険者ギルドに入っていく。ミソラも慌てて追いかける。

 ・

「登録を頼む。」

「えーと、受付のリリアンです。貴方が登録するのですか?」

「いや、俺は公爵の剣士アルマだ。登録はお嬢だ。」 

 ミソラはアルマの後ろからちょこんと顔を出す。

「お嬢様ですか。ではこちらに書いて出してください。」

「・はい」

 ミソラは冒険者ギルドの登録用紙に書き入れ、中央ロータスギルド長の紹介状も一緒に渡した。


「はい・・お受け取りします。紹介状ですね、少しお待ちください。」

 受付リリアンは奥の部屋に行くと、少しして戻って来た。

「ギルド長がお会いになるそうです。こちらにどうぞ。」

 リリアンは2階の階段を登る。

 2階奥にあるギルド長の部屋に入る。


「こちらで少しお待ちください。」

 リリアンは一度下がり、お茶を持って入って来た。

「どうぞ。」

「有難うございます。」

 その時、大柄な男が入って来た。


「待たせた。仕事が立て込んでいてな。冒険者ギルド「金の輝き(ゴールドシャイニング)」ギルド長のハンクだ。手紙見たぞ、その歳でオーク退治したか、将来有望だな。」

「いえ、たまたまです。」

「なになに、ロレンシア流の達人で10歳・・10歳!!若いと思ったが予想を超えたな。」

「はい、王都の学園に入学が決まりました。」

「そんな勿体ない。今から冒険者として稼げるのにな。ここ王都ブリシアシティーは西の草原には低位モンスターが、北の草原と荒れ地には中位モンスターが、北の「魔の森」は知っているな、ロレンシア公爵領だから、そこは高位モンスターが溢れている。王都東も高位の山モンスターや、もっと東に行くと山の反対側も高位モンスターが沢山だ。」

「ええ・・知っています。ですが学園は2年で卒業を目指していますので、それに冒険者しながら学園に行こうと思っています。」


「なんだ、公爵令嬢なのに稼がないと学費出せないのか。」

「ハンク、公爵に失礼だぞ。」

「アルマさんとか言ったか。すまない。金に困っているのかと思ってな。だがここに書いてあるが冒険者と学園の両立は難しいぞ。大概は金のない平民がやる事だ。貴族で両立は初めて聞いた。」


「そうなのですね。ですが実力を伸ばすために頑張ります。」

「そうか、剣士科なのだな。それなら納得だ。すまないがCランク討伐なのだが、ここ王都ではDランクからになる。」

「はい、中央ロータスギルド長バルトさんにお聞きしています。」

「そうか、なら話は早い。おーい、リリアンDランクで手続きしてくれ。」

「了解です。ギルド長。」


「少し待っていてくれ、Dランクメダル渡すから冒険者ギルドに出入りする時は、首からかけてくれ。

 Bランクは有名人なのでメダルも渡すが顔は知られているから見せる事は不要なのだ。」

「はい、最初はBランクを目指せと言われました。」

「そうだな、ランクによって魔物素材の買取金額は変わらないが、上位ランクは優先で鑑定をする。

 なんだ、上位優待みたいな事だな。ギルド内レストランやバーが10%割引、ギルド指定宿屋も10%割引になる。これは何処の街でも同様な優待になるぞ。」

「まぁお食事が割引なのですか。やったー」


「お嬢、王都屋敷住まいだから食事の心配はいらない筈なのだがな。」

「でもアルマ。割引はなんか嬉しくて。ふふ。それに冒険者となって他の街にも行く予定だから割引は嬉しいです♪」

「なんかお嬢。今から楽しそうだな。」

「♪♪」


「ははは。喜んで貰ってすまないが、Bランクから割引だからな。お嬢さん浮かれ過ぎだ。ははは。」

「いえ、絶対Bランクになります。それも最速で、だから嬉しいのです。」

「凄い自信だな。いいぞ冒険者はその位がちょうど良い。しかし魔物と対峙した時は慎重にな、死んだら割引受けられないぞ。」

「はい、頑張ります。」


「いやギルドも将来有望な冒険者は大歓迎だ、それがロレンシア流ともなると貴重なのだよ。」

「アルマ。ロレンシア流での冒険者は少ないのですか。」

「お嬢、ミソラのじい様や公爵に冒険者時代はあったが、今はいない筈だぞ。」

「そうなのですね。頑張ります。」

「お嬢さん頑張ってくれ、それに皆にロレンシア流を見せてやってくれ。パーティー組んで貰うと良いのだがな。お嬢さんはパーティーの予定はあるのか?」

「パーティーは冒険者のチームの事ですよね。今のところはソロでやるつもりですが、実力以上の討伐依頼などはパーティーが必要と思っていますが、今はまだ。」

「ふむ。了解した。将来に向けて良い冒険者を見つけたら声掛けは必要だな。」

「はいありがとうございます。パーティー組める程の討伐依頼まで頑張ります。」


「お待たせしました。こちらがDランクのメダルです。裏にお名前が彫ってありますので無くさないでください。再発行は銀貨5枚となります。」

「はい大切にします。」

 ミソラはキラキラした目でメダルを見ている。

「ではお嬢。そろそろ行くぞ。」

「ちょっと待って欲しい。リリアン説明を頼む。いや俺がする。

 依頼は臨時依頼、定期依頼がある。臨時依頼は下の掲示板に張り出しているぞ見てから帰ってくれ。

 定期依頼は掲示板横に、魔物名、素材部位、買い取り価格が書いてある。

 つまり、これは定期依頼対象の魔物は狩れば買取が保証されていると言う事だ。

 だが、対象部位が傷ついたり破れていたりした場合は買い取りを断る場合があるからな。

 なるべく覚えて対象部位を綺麗な状態で持ち込むと、買い取り上乗せもあるぞ。

 どうだ理解したか。」


「はい、とっても解りやすい説明でした。」

「それと帰りに受付に寄って、冒険者ガイドを買ってくれ、各ギルドでも販売しているが、王都なら付近の魔物分布に定期依頼の部位の説明と切り取り方。それにアトラム王国の簡単な地図が書いてあるからな、初心者冒険者には必須だぞ。」

「はい買って帰ります。」

「うむそれが良いだろう。それとガイドには定期依頼全てが書いてある訳では無いので、最新の定期依頼は必ず見て覚えなくてはダメだぞ。」

「結構覚える事が多くて大変です。」

「だから学園との両立は難しいと言った筈だぞ。」


「でも頑張ります。本日はお忙しい中ありがとうございました。これで失礼いたします。」

「おぅ学校も頑張ってほしいが、ギルド長としては依頼頑張っても欲しいぞ。」

「ハンクにリリアン。今日はありがとう。お嬢も頑張るみたいだから見守ってやってくれ。」

「ははは。将来有望な冒険者だからな職員全員に伝えておくぞ。」

「では失礼します。」

 ミソラは礼をして部屋から出て1階カウンターでガイドを買った。銀貨1枚である。

 巨大な羊皮紙スクロールにびっしり書いている。

「重!!」

「凄い安いな冒険者待遇だな。」

「そうね、高いと初心者には買えないからね。凄い重いけど。」

「お嬢、ある意味訓練だな。その重さだとな。」

「うえ。」

「次は何処に行きたい?」

「まだ夕食まで時間あるでしょ。外で魔物狩りましょう、この定期依頼のやつ。」

「お嬢、スクロール背負って魔物狩りか、良い訓練だ。行くか、付き合うぞ。」


「うん。この「突進羊 (アタックシープ)」はどう?」

「お嬢。それEランクだぞ、いいのか?」

「なんか、この提出部位の毛皮が白くて良いかなと。」

「お嬢。皮はぐ事になるぞ、できるのか。」

「あら。ロリシア街郊外で「つの兎 (コーンラビ)」毛皮剥いでいたよ。夕食の為にね。」

「うーわ。最近お屋敷で兎多いと思ったが、お嬢が訓練で狩っていたのか。」

「正解♪」

「あはは。なら心配無いな。いくか。」

「いこう。いこう。」

 ミソラ達は王都西の草原で、比較的王都に近い場所で「突進羊 (アタックシープ)」を探している。

「いないね。」

「王都なのだからそんなに居たら商人や旅人が困るだろ。」

「そうね。でももう少し行ってみる。」

「お嬢。悪いが冒険者の訓練だ。なにも言わないぞ。」

「はい。頑張ります。」

 ・・

「いた!!」「お嬢一人でやって見ろ。突然突進してくるから間合いだけ取って頑張れ。」

「うん」


 ミソラは「突進羊 (アタックシープ)」を見つけ、後ろからそーと近づき剣を抜く。

 気配でアタックシープはミソラを見つけ、突進してくる。

「おっと」ミソラは横に飛び避け火を纏った剣で首を落とす。

「お嬢やったな。かわはぎナイフはあるか、なければこれを使え。」

「アルマありがとう。いつもかわはぎナイフ持っているの?」

「それ、投げナイフだ。」アルマは手に4本のナイフを出した。

「器用ね」「だろ。尊敬しろよ。」「はいはい」「お嬢」

 ミソラは器用に皮を剥いで毛皮にする。アタックシープの肉も多少臭みがあるが好きな人は好きらしいので、腿の部分だけ持って帰る事にした。

「お嬢。残った肉は魔物が寄ってくるから燃やすといいぞ。」

「解った。」ミソラは剣にまた炎を纏わすと、アタックシープを燃やし始めた。

 ・・

 匂いを嗅ぎつけた「一角猪(ばふふ)」がミソラ目掛けて突進してくる。

「おっと。危ない。」ミソラは剣を抜いて構える。

 また「ばふふ」が突進してきた。ミソラは高く飛び上がると剣を回転させながら首を切り落とす。

「お嬢「ばふふ」どうするのだ。」

「提出部位は・・・角か・なになに薬になるって。」

「そうだよ。ばふふの角は胃の薬になるぞ。」

「そっか。肉どうしよう。」

「お嬢俺はバフフの肉好きだぞ。」

「でも持って帰れないよ。」

「こういう時、無限収納があると便利なのだがな。」

「なに?無限収納って。」

「うん。空間魔法で良く解らない空間に荷物を収納すると言う魔法だ、時間が流れないから肉も腐らない。」

「へー便利ね。本格的に冒険者する時、収納魔法使える人雇うわ。」

「それが良いな。ソロ最大の問題は荷物を多くは持てないと言う事だ。雇うといいぞ。」

「でも、これどうする。肉持って帰れないよ。」

 ・

「どうかしましたか。」

「あっこんにちは。ばふふ倒したのですけど、アタックシープの皮もあるので持って帰れないなと。」

「それなら、私運び屋ですが街に荷物届けて、王都に戻る途中なのでが、雇いませんか。戻るので銀貨3枚で良いですよ。あっ失礼しました。運び屋のハルムトです。無限収納使いです。」

「あは。今話してた所です。ハルムトさんは王都にお住まいですか。」

「ええ。普段は王都に居ます。」

「よかった。私今日から冒険者始めたミソラと言います。こちらはアルマ。お願いできますか。」

「よし引き受けた。」ミソラは銀貨3枚を払い「ばふふ」、アタックシープの皮と「つの」を収納して貰う。


「では、ハルムトさん。ギルド寄って部位提出して帰りますので家までお願いします。」

「はいよ。」「アルマ帰りましょう。」「はいよ。」「ぷっ」

 歩きながらハルムトさんと話す。

「ハルムトさん、無限収納持ちだけどこんな所歩いて魔物とか出たらどうするのですか?」

「あははは。お嬢さん向かってきた魔物は無限収納に入れて、ギルド闘技場で冒険者の相手をしてもらうのさ。それも生け捕りだから高く売れるのですよ。」

「へえーそんな使い方もあるのですね。」

「そうそう。でも大きさが2m四方程度でないと入らんけど、だからドラゴンとかは無理だな。」

「万能ではないのですね。」

「そうだよ。だがお嬢さん今日から冒険者とか言ってなかったか。」

「はい、今日から冒険者始めました。」

「ならFランクでばふふとか凄いぞ。ばふふはDランクの筈。」

「実は中央ロータス街でオークを倒して、王都でDランク登録して頂きました。」


「えっオークを、お嬢さん若く見えるけど。」

「はい10歳になりました。」

「うわー凄い才能だな。遠くから見てたが、ロレンシア流だろう。」

「はい。おじい様が開祖の剣技です。」

「えっっっっ公爵様の御令嬢。」


「あっ気にしないでください。ただのDランク冒険者です。」

「あはは。そうかそうだな。アルマさんとやら、それで良いのか。」

「助けて貰っているし、ぱふふ好物なのだ。」

「そうか。冒険者に貴族も平民も無いからな、冒険者は冒険者だな。将来楽しみだな。」

「えへへ」

 やがて王都西門からギルドに寄り換金した。

「アルマ。銀貨10枚だってさ。部位綺麗だって褒められた。」

「ふふ。お嬢。ロレンシア流は高温切断の剣だ。きれいに切れるから良いのだよ。」

「そうね。よかった。ハルムトさん今日は助けて頂いたので追加で銀貨1枚お支払いします。」

「いや。3枚のままで良い。お嬢さん契約は相手も納得して契約しているのだ。お嬢さんがお金持っていると見られると盗賊やスリに合うぞ。」

「ハルムトさんすいません。では3枚のままで。」「次は御屋敷で良いのか。」

「ああ。頼む。」

「さっアルマ。帰ろう。」「お嬢帰るとするか。」

 ミソラ達はハルムトと共に王都屋敷に戻って行った。

ありがとうございます。

ミソラ10歳、晩秋。

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