ミソラ自分の剣を買いに行く
投稿しました。
すいません過去話読んでいたら重要な話と修正が出来ていないので全ての過去話を修正しました。
要はバレンシア家は母親の家名で、祝福を受けてから父親の家名を名乗れると言う説明が抜けて、バレンシアとロレンシアが混ざっていました。全て修正したと思います。
「さっお嬢、ここが帝都でも有名な武器屋だぞ。」
「おっきぃ~」
武器屋「帝都武具ルドラの店」は帝都で一番大きい武具店であり、用途によって選べる物がフロアー毎に区別され、買い物客も早く目的の物に出会えるように作られている。
地上5階地下2階の店舗は各フロアーに試技場を併設しており、的を切りつけたりして選べるのが特徴である。
「そうだ、帝都一の品揃えだ、必要なら望むものを作ってくれるからな。俺の剣も特別炎に強い剣で、ここで作って貰ったぞ。」
「アルマの剣も特注なのですね。すごい。」
「でもお嬢の剣は身体の成長と共に作り直さなくてはならないから、最初は手になじむ剣があれば、それが良いぞ。」
「うん、アルマ解った。選べるほど剣の在庫があると言う事なのね。」
「お嬢、早速入ろう、俺も剣の調整を頼みたいのでね。」
「えっアルマも用事が・・私の剣選びではなかったのね。」
「いや、お嬢のついでだ。さっ入るぞ。」
「広い~。えーと片手剣はと・・」
「お嬢。3階だ。」
「本当に!!行きましょう。」
ミソラ達は入店して、早速3階に行く。
「お嬢。片手剣はそっちだ。向こうは両手剣だな。それと片手剣用防具はそっちだ。」
「えっこの階で必要な物全て揃うの?」
「お嬢。当たり前だ、いちいち各階に行かなくてはならないのは、俺たち剣士に取っては時間が勿体ない。
選んで一式揃えばすぐに狩に出かけられるからな。ははは。」
「え~剣士ってせっかちに思われていそう・・」
「違いない。さて先に挨拶すましておこう。」
アルマはミソラを連れて3階北側のカウンターに寄っていく。
「おぅ、トリムントはいるかい?ロリシア街のアルマが来たと伝えてくれ。」
「少々お待ちください。」奥に店員が下がる。
・
「アルマ様、帝都においでになったのですか、事前にご連絡頂ければお屋敷に伺いましたのに。
フォン・アルトハイム・ロレンシア公爵様はご健勝にあられますか。」
「おぅ。御館様はすこぶる元気だぞ。今回は国王の呼び出しで来たから少し忙しいけどな。」
「左様でございますか。それは良うございました。本日はどの様な御用でございますか。」
「おうトリムント。俺の剣を調整して欲しいのと、一番は御館様の娘ミソラの普段使いの剣を選んで欲しいのだ。」
「はいお嬢様・・・えっ国王の剣・・まさか、お若く見えますが御幾つなのですか。」
「おい、お嬢。」
「はい、ソア・ミソラ・ロレンシアと申します。今年で10歳です。実は学園に入学が決まって剣士として普段使える剣を見たいと思いまして。」
「それは・・10歳で学園ですか、しかも王の剣持ち。・・畏まりました。お嬢様に最適な剣を選ばさせて頂きます。・・その前にアルマ様、どの様な調整をお望みですか。」
「そうだな、この前魔物退治した時に柄の部分が削れて、重心が狂ったらしく、前の重心にしたいと思っている。出来るか。」
「はい、重い金属を柄に埋め込んで重心をとるか、新しい柄をいれますから、30分もあればできると思います。」
「そうか、では頼む。その時間でお嬢の剣を見たい。」
「では、剣をお預かりいたします。これが書類ですのでお持ちください。で、お嬢様はどの様な剣をお望みですか。」
「あいよ。お嬢説明できるか。」
「はい、実は王から頂いたこの剣、男子12歳位のロングソードなので、私には少し長いかな。
ですので、買い直すとして今の私に合った長さの剣が欲しいのです。あっ炎にも強い剣が良いのですが。」
「えっまさかそのお歳でロレンシア流ですか。」「はい!!」
「はぁ、それでしたら「しつらえ品」が宜しいと思うのですが。」
「でも合う物があればそれで良いと思います。」
「トリムントすまないな。お嬢は自分の小遣い貯めて来て、それで買いたいそうだ。見繕ってやって欲しいのだが。」
「はい理解しました。ではミソラお嬢様こちらに、この木剣を構えてください。・・長さは少し短い方が宜しいですか。」
「そうね。この長さで良いわ、重心さえ合えば問題ないと思います。」
「では、・・・この3本が宜しいかと思います。」
ミソラは3本の剣を順に素振りして見ていった。
「重心はこれが、重さはこれが良いのですけど。」
「はい、ではこの剣は如何でしょう。」
またミソラは素振りをする。
「トリムントさん、この剣良いです。」
「それはそれは、男子14歳用のショートソードですが重さもちょうど良いのですね。お嬢様には少し長いかと思いましたが、宜しいのあればそれを加工いたしますが。」
「うん、この剣が良いと思います。」
「持ち手は、太さは、滑りは如何ですか。」
「うーん。少し細い方が良いかな。皮はこのままで良いです。」
「はいでは、同じ皮で少し細い物を用意させて頂きます。少々お待ちください。」
トリムントは奥に戻ると、柄と工具を持って現れた。
「すぐ調整しますのでお待ちください。」
トリムントは元の柄を抜くと、新しい柄をはめて止めピンを入れる。
「お嬢様、これで振ってみてください。」
ミソラは降ってみた。バランスも太さも納得出来る物だった。
「お嬢。炎を纏わせないと判断できねーぞ。」
「はい、でもここでは」
「お嬢、試技場を使えるぞ。」
「はいミソラお嬢様。試技場空いておりますのでそちらでどうぞ。」
ミソラはカウンター横の通路を置くに進むと壁一面石造りの試技場で炎を纏わせてみた。
「すいません。少し柄がグラつくのですが。」
「はい、調整用に細いピンを入れています。炎耐性を見たいと思いまして、大丈夫ですね。いそぎ仕上げます。」
と言うとトリムントはピンを再び抜き、太めのピンを2本はめ込んだ。
「ミソラお嬢様、できました。これを試してください。」
「はい。」
ミソラは炎を全開にして振り回す。
「トリムントさんこれいいです。これを下さい。」
「はいありがとうございます。一緒に防具は如何ですか。まだ成長なさると思いますので調整できるタイプの物があります。革製で軽いですよ。」
「それを見せてください。」
「はいでは戻りましょう。」
・
「お嬢様にはこの白皮が宜しいかと思います。」
「えっ」ミソラは白い物より目立たない黒皮が欲しいと思っていた。
「すこし白すぎます。」
「左様でございますか、ではこちらなど如何ですか。」
次は少し黄色い皮の防具を持ってきた。
「色付けは後ほど好みで出来ますので、まずは付けて大きさを見てください。」
ミソラはその少し黄色い皮の防具を付けてみた。サイズ的にはぴったりである。
「お嬢様、このベルトとこれを調整すると大きさが変わります。胸だけですが宜しいですか。」
「うんその方が軽そうだし、良いですよ。で色なのですが・・その黒が良いのですが。」
「はい畏まりました。ではこれを、同じ型で黒になります。よろしいのですか。」
「はい、これが良いです。」
「お嬢。男の子みたいだぞ。」
「トルマ、目立ちたくないのです。」
「お嬢、そうは言ってもな、特待生でAAランクが目立たない訳ないだろう。それに公爵令嬢だぞ。」
「うう、それでもなの。」
「そうか解った。お嬢が良いならそれで。」
「はい、ありがとうございます。他に必要な物はございますか。」
「いえ大丈夫です。」
「はい、ではこちらでお待ちください。」
「お嬢、良かったのか。」
「うん、とっても。ありがとうアルマ。」
「いやお嬢が良いならそれでいいのだが。次は冒険者ギルドだな。」
「うん。お会計早く来ないかな。」
「おっ終わったみたいだぞ。」
「ミソラ様、お待たせしました。こちらが剣と防具になります。お会計は金貨2枚でございます。」
「えっっちょっとまってくれトリムント。安すぎやしないか。子供用の剣でも金貨3~5枚の筈だろう。」
「アルマ様の剣が上がっております。引換証を・・・こちらがアルマ様の剣でございます。後ほど試技場でお試しください。・・実はミソラ様の剣でございますが・・14歳用ではあるのですが剣を幅太く作られていまして、長年使える男子がおりませんで、その・・在庫品となっていますのでお安く・・それと防具は当店からのサービスでございます。これを機に御贔屓にして頂ければ嬉しく思います。
アルマ様の調整料は常連様なので銀貨2枚となっています。」
「あらま、お嬢良かったのか。」
「ええ、とっても。使いやすい剣です。」
「と言う事は14歳の男子よりは力持ちと言う事だぞ。」
「ええ田舎で毎日仕事していましたから大丈夫ですよ。」
「うん毎日の薪割はお嬢の仕事だと御館様が言っていたが・・」
「アルマ様、薪割は力を付けるのに良い仕事です。ロレンシア公爵様の教育ではないかと思います。」
「そうか、それで薪割を、俺も昔から薪割していたからな、ミソラがしてても普通と思っていたが。」
「アルマ様、それにショートソードですのでお歳での比較は難しいかと。」
「いや、トリムント、ミソラはいざとなったら両手に片手剣持って暴れる程だぞ。」
「それはそれは」
「えへへ」
ありがとうございます。
次はギルドですね。長くなりそうなので2話に別けました。