相談
「えー---!!!!ずるい!!!なんでお姉ちゃんも呼んでくれなかったの!?!?」
「だって昨日は予定あるって言ってたから........。お義姉ちゃん友達と遊びに行くって......」
「そんなご褒美イベントあるならそっちを優先してたに決まってるじゃない!!!!」
「一応来週もやるらしいので......」
「本当!?!?まどか!今度はお姉ちゃんと一緒に行くよ!良いよね!?」
いきなりやってきた姉さんがソファに座った状態から振り向いて言ってくる。
嫌とは言えない........。ただ昨日みたいなヤバイことになりそうだから遠慮したい..........。
「まどかが嫌なら仕方ないけど...........」
「全然大丈夫!!!一緒に行こお姉ちゃん!!!」
そんな顔されたら絶対嫌って言えない!!!!
「ところでさっき鈴葉ちゃんから聞いたんだけどなんか大変だったらしいね?」
うげ........。あのこと話したのかよ。
「うん。色んな人に見られるし、次のモデル依頼とか、後はこれとかね???」
腐るほどもらった名刺を姉さんに見せる。
軽くネットで調べてみると結構大手のところとか、確実にヤバそうなところもあった。
「ふーん。ねぇまどか?何か困ったことがあったらお姉ちゃんに言うんだよ?変な人に後をつけられたりとかね?お姉ちゃん警察関係にコネあるから、まどかが嫌がることした人すぐに刑務所送りにできるからね???」
いや.......ナチュラルに国家権力を私的に利用としてるじゃん.........。しかも冤罪なのにでっちあげるって........普通に怖い。
「さすがお義姉ちゃん!!!!」
まぁ鈴葉はそういうリアクションになるよな......。
「で、真面目な話なんだけどまどかと鈴葉ちゃんはどうするの?」
「どうって???」
「この話を受けるかどうか。もちろん受ける事務所はありとあらゆるコネを使いまくったお姉ちゃんチェックに合格したところだけだけどね」
警察以外にもコネ持ってるのかよ。うちの姉さんまだ30歳にもなってないんだが......?どこでそんな人脈を作れるんだよ。
「ちなみにお姉ちゃん的には賛成だよ」
意外だな。普通に反対されると思ってた。
「お義姉ちゃん......?理由を聞いても良いかな???」
やっぱり鈴葉も不思議だよな。あの過保護な姉さんが勧めるなんて。
「だってね。一応お姉ちゃんも社会人として働いてる訳なのよ。そこで見えてくるのはね、多分まどかと鈴葉は普通の会社に入って働くなんて合ってなさすぎる。だからね、ある程度傷があってもむしろ魅力になるこういう業界の方が良いのかなって」
たしかに.......俺と鈴葉は協調性が皆無だ。2人が良ければそれで良い、っていう人間だから普通の会社で働いてる姿は全然想像できない。
「お義姉ちゃんの言う通りかも........。まーちゃん以外と話さなきゃいけないって考えると虫唾が走る..........。それにまーちゃんと会えなくなる可能性もあるしね」
「うん。だから考えるだけ考えたら。まどかと鈴葉ちゃんの人生はまだまだこれからなんだからゆっくり考えな!!!それに何かあったらお姉ちゃんに頼りなさい。2人を養うことなんて簡単だし、いざとなればうちの家族と一緒に外国にも逃げれるしね」
............................................ん?なんかすごいこと聞こえたぞ?養うのが簡単だとか、外国に逃げようとか。
「私からすれば2人を一生養ってあげても良いんだけどね。2人が幸せならそれだけで私は嬉しいから。でもそれだと2人を鳥かごの中に入れたままになる。それはそれで嫌。私は2人には自由でいてほしいからね。だから2人の行く道はちゃんと2人で話して決めてね」
「うん!そうする!!ありがとうお義姉ちゃん!!!!」
そう言って抱き着く鈴葉と、受け入れる姉さん。
姉さんはいつも心配してくれるって分かってる。それに今回は俺達の将来のことも気にしてアドバイスをくれたってのは分かってる。
でもな..................さすがに俺達2人を一生養えるって普通にヤバくないか!?もちろんそこまで甘える気はないけど姉さんのことだから、俺達が何か失敗して生活ができなくなったら拉致監禁くらいはされそうなんだよな............。
姉さんのことは大好きだけど、さすがにそれはやりすぎだからな!!!!