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狂乱

「------!------------------!!!」


 ...............叫んでる。


 まどかが傷ついてる。行かなきゃ。行ってあげなきゃいけない。


 入り口に看護師さんらしき人が見えるけど関係ない。


 なんか声かけられた気がするけど無視する。こんな人の声よりもまどかの方が大切。まどかが苦しんでるんなら私が行くしかない。


「じゃま。どいて」


 行く手を遮られるように手を出されるけどそれを振り払う。


「まどか、入るよ?」


 元から返事は期待してない。


 ノックもなしに入る。


「どこ!?リンちゃんはどこ!?ねぇ!!!!!」


 ベッドの上にいるけどあたりをずっと探し回ってるまどか。


「くるな!!わたしのちかくによるな!!!!」


 すでに病室に入っていた看護師さんとお医者さん相手にはずっと警戒してる。


「くるなっていってるでしょ!!」


 ベッド周りに置いてある小物、コップとか時計、枕とかを投げては看護師さんとお医者さんに当ててる。


「...................まどか」


「こないで!!」


「...........まどか」


「リンちゃんはどこ!?ねぇ!リンちゃんは!?」


「まどか」


「わたしにちかづくな!!でていって!!!」


「まどか!!」


 私の声が全く聞こえてない。それぐらいパニックになってるのかも。


 少なくとも2か月以上は話続けた私の声さえ聞こえてないって結構なことだと思う。...........どうにかしないと。


「まどか...............。」


 ............................もういい。この状況が続くのは多分いけないことだと思う。


 早く落ち着いてもらわないと喉だって枯れるし、体力だって使うからね。入院生活してるまどかにとっては相当負担になると思う.........。


 だから............うん。私は私にできることだけをする。


「................!!ちかづかないで!!!!」


 手近なものを投げてくる。


 スリッパやクッションが投げられるけど痛くもない。これなら近づける。


「どいてよ!!なんでこっちくるの!?!?」


 重くて本能的に投げなかったのか、近くの棚に飾られていた小さめのガラス製の花瓶を投げられる。


 よけられるし、受け止められる速さだったけどあえて受け止めた。


 まっすぐ顔に向かって投げられてるのは分かったけど、ここでよけちゃダメだって思った。


 だから花瓶がおでこに当たって割れる。さすがに目を開けたままだと危ないから当たった時には目をつぶった。


 なんか生温かいものがを流れ落ちるのを感じるけど関係ない。


 まどかが今まで受けてきた苦しみを考えればこんなことどうでも良い。こんなことでまどかの恐怖とか、色々がなくなるなら私は全部受け止める。


「まどか、大丈夫だよ?私だよ?お姉ちゃんだよ?」


「こないで!!!」


「..........ごめんね。それはできないんだ。..........ねぇまどか?私のこと分かる?」


「なんで、なんでなの!?いみわからない!!!」


 ................会話になってない。


 でもまどかを落ち着けるのが私の役割。


 割れたガラスを踏みしめながら近づく。


 そして、ゆっくりと床に膝をついてまどかと目線を合わせる。


 尖ったガラス片が膝とか脛を傷つけるけど知らない。


 痛いけど、これぐらいは大丈夫。


「ごめんね、まどか」


 そして私はまどかを抱きしめる。


 傷だらけになりながらも強く抱きしめる。


 今までこんなに近くで触れ合うことなんてなかった。顔を近くに寄せることはあっても抱きしめたことはなかった。


「..................!!はなして!!!!!」


 まどかが私の腕から抜け出そうともがくけど絶対に離さない。


「はなし、てって、いってるでしょ!!!」


 力強く押されたり背中を叩かれたりするけどそんなの効かない。


「落ち着いて.......ね?大丈夫だよ」


「んーーーーーー!!!!」


 ...............っ!!!さすがに、これは、いた、い。


 で、も。でも、負けない。


「まど、か。もうだい、じょ、ぶ、だか、ら。あんし、んし、て?」


「んーーーーーーーーーーー!!!!」


 おもいっ、きり、首、嚙まれて、るけど!大丈夫!!


「ほら、だいじょうぶ、でしょ?おねえちゃんは、なんともな、いよ?だか、ら、あんし、んして?」


 できるか、ぎり、つよくだき、しめるよ、う、いしきす、る。


「んーーーーーーーー!!!!!.......................ん?」


 なん、か少し、噛む力が、弱くなった.........。


「まど、か?」


「.......................?」


 ゆっくり、首か、ら口を、離してく、れる。


「...........おねえ、ちゃ、ん?」


 気づいて、くれ、た?


「まどか?」


「........................おねえ、ちゃん」


「大丈、夫?」


「........................................................うん」


 良かった......落ち着いて、くれた。


 真っ白なブラウス、は、頭からなが、れた、血で赤く、なって、脚は、ボロボロ、で、首は、多分、噛み跡が、残ってる、のか、な?


 まぁ、でも、後悔はな、い。


 痛いけ、ど、我慢でき、る。


 まどかが、落ち着い、てくれた、なら、それで、良い。


 だって、私はまど、かの、お姉ちゃ、んだか、ら。

(普通に考えて幼児が投げた花瓶が割れないだろ、というツッコミはなしの方向でお願いします)

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