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「ただいまー」


 ふぅ.........やっと帰れた。まどかと鈴葉ちゃんに久しぶりに会えて、話せて楽しかった!!でも鈴葉ちゃんのご両親と話すのはもう自分を抑えることで精一杯でほんと疲れた。


「おかえり玲華。まどかは元気にしてた?」


「うん。特に変わったところは見えなかったしいつも通り接してくれたよ」


 そう!お母さんは今日は元々休みだった!!まどかに会うことを我慢して私を送り出してくれた!本当は自分も会いたいくせに我慢して私に譲ってくれた。まどかのことなら玲華の方が良く知ってるでしょ?母親としては情けないけどそれが事実だから今日はあなたが行ってきなさい、って言ってね。


 お父さんは残念ながら出張に行っててどのみち予定が合わなかったからしょうがない。


「顔色はどうだった?痩せてなかった?ちゃんとご飯食べてた?鈴葉ちゃんのご両親と会って体調悪くしてなかった?あとあと........」


「ストップ!!一気に言われても分かんないから!!まどかは警戒はしてたけどそこまで拒否反応が出てたわけじゃなかったし、ちゃんと健康そうな見た目してたから大丈夫」


 証拠としてまどかを真ん中にして私と鈴葉ちゃんで挟んでスリーショットの自撮りを見せた。ギュッて3人で詰め寄って上を笑顔で見てる自撮り。


 鈴葉ちゃんはおとなしそうな笑顔、まどかは恥ずかしがってる笑顔。............私?そりゃ最高の笑顔を浮かべたに決まってるでしょ!!最愛の妹と一緒に写れるんだよ!?そりゃばっちし決めるでしょ!!


「良かった..............まどかは元気にしてそうね。こんなに綺麗になって............。」


 もう涙を流すんじゃないかってレベルで目を潤ませているお母さん。


 でもそうだよね。私はそれなりにまどかに会ってるけどお母さんとお父さんはそうじゃないもんね。


 一緒に暮らせるようになってもまどかは完全に気を許すことはできなくて、どこか警戒してるような様子を見せてた。そしてそんなまどかを刺激しないようにできるだけ声をかけずにいたからお母さんたちは実はあまりまどかと話せてない。


 でも夜にうなされる度にお母さんはまどかを抱きしめに行って、落ち着いたら部屋から出ることを繰り返してた。話しかけられなくてもまどかの好きなご飯を作ったり、まどかから話しかけてくれるまで根気よく待ったりするなどのコミュニケーションをとっていた。


 お父さんだってうなされているまどかの頭を撫でたり、トラウマを克服するため医師の方に相談しにいったりしてた。


 そうして長い時間をかけて手に入れた何物にも代えがたい関係を取り戻せた。


 そんな、愛しているからこそあまり関係を持たないといった選択肢を取ったお母さんとお父さんは素直に尊敬する。どれだけ話しかけたくても、抱きしめたくてもできないなんて生殺しにもほどがある。


 でもそれを我慢することができる人達なんだからすごいと思う。


「今度さみんなでまたこの家でご飯食べない?まどかを呼んで、私とお母さんとお父さんの4人でさ。その後には家族全員並んで寝ようよ。幼いころのようにさ」


「でも..........まどかは大丈夫なの?そこまで私達が近づいても平気かしら?」


「多分大丈夫だよ。だってまどかが言ってたんだよ?また家族で、この家で4人でご飯食べたいって。寝るのは私の願望だけど多分大丈夫だと思う!!」


 私が帰る前にそう話をしてきた。まどかから言い出したことにしてってね。


 だってお母さん達は報われるべきなんだもん。


 私はまどかにまたお姉ちゃんって言われるだけど報われてる。なのにまどかはそれ以上私に気を許してくれてる。抱き着くことだってさせてくれる。


 だからもうお母さん達も我慢しなくても良いんじゃないかってね。


 まどかも成長してある程度は耐性がついたと思うから丁度良いと思うしね。


「そう.............それなら何を作りましょうかね!まどかが好きなご飯を作って見せるわ!!母親としてね!!!」


 ふふふ、良かった。お母さんすごく目がキラキラしてる。ほんとに嬉しいんだね。


 ......................そうだ。良い事思いついた。


「お母さんちょっと待ってて」


 スマホを取り出して電話をかける。


 ワンコール


 ツーコール


 スリーコール


 出てきた。


『もしもしお姉ちゃん?どうしたの?何か忘れ物した?』


 相変わらず可愛い声してるね。


「特にはしてないよ。それでささっき言ったこと憶えてる?」


 お母さんが不思議そうな顔してる


『もちろん』


「ならさ直接お母さんに伝えてくれない?こうやって話すのも久しぶりでしょ?」


『..................分かった』


 もしかして?って顔してるけどそのもしかしてだよ。


 まどかが1人暮らしをするって言って家から出て行った以来の会話だよ。だからお母さん思いっきり話しちゃえ!!


「..................もしもし?まどか、なの?」


『もしもしお母さん!!まどかだよ!!久しぶり!!』


「そうね、久しぶりね、まどか」


『うん!.............こうやって電話で話せるってなんか良いね!』


「そうね。お母さんからしてもまどかの声が久しぶりに聞けて嬉しいわ」


『あのね、お母さん。お姉ちゃんから聞いたかもしれないけどね、久しぶりに帰っても良い?私とお姉ちゃんとお母さんとお父さんの4人でご飯を食べたり、テレビを見たり、お話したりしたいんだ。.......帰っても大丈夫?』


「あ、当たり前でしょ!!ここはあなたの家なんだから!!いつでも帰ってきて良いに決まってるわ!!お母さんだって!お父さんだって!まどかと会えるのは嬉しいことなんだから!!!」


『そ、う.............うん!!今度帰るから待っててね!!』


「ええ!いつでも良いから帰ってきなさい!!ずっとお母さん達待ってるから!!」


 泣きながらも嬉しそうに笑うお母さんを見てホッとする。これで多少はお母さんもまどかのことを知れて安心したかな?


 もう1回お母さんを見るともう涙は流さずにずっと笑いながら話してる。うなされてるまどかを抱きしめてた時と同じ優しく笑った顔をしてる。


 ......................これ以上は私は邪魔かな。邪魔者はここらで退散しましょう。


 良かったねお母さん。

お久しぶりです。書くことないなと思ってたら最近これが思いついたのでその勢いで書きました。

まどかと鈴葉の視点を入れ替えて物語を進める、というコンセプトが崩壊してますがそれでもまどかの家族のことを書きたいなと思いました。

これから数話は鈴葉は不在となりますので御容赦を。

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― 新着の感想 ―
[良い点] まどか家族の暖かさと覚悟。 [気になる点] それがあっても尚癒えない痛みに、あの犯人が何を思うのか。 [一言] 親家族に相手にされず、学校でもいじめに遭い、居場所を見つけられないでいる。 …
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