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再来

「リンちゃん今日ね、リンちゃんの生活を見にご両親が来られるんだって」


「え!?何それ聞いてない!!」


「うん。だって言ってないもん」


「言ってないってなんで!?」


「リンちゃんご両親が来るって知ったら絶対追い返すでしょ?というか家に入れないでしょ?だから」


「たしかに家に入れないし会いたくもないけど!」


 憤慨した様子で訴えってくるリンちゃんだけど私知らない。


 リンちゃんが家族の人と仲良くしないのが悪い。私なにも悪くない。


 ピンポーン!


 んん?聞いてた時間より早いのにもう来たの?


「まーちゃん!きちゃった♪」


 ....................................................え?


 玲華さん........?なんでお姉ちゃんいるのおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!


「んーーーやっぱりこの抱き心地たまらんね。柔らかいしいい匂いするし髪サラサラだし」


「お姉ちゃん!?なんでいるの!?!?!?」


「鍵空いてたから勝手に?」


「それもだけどなんで今日来たの!?」


「可愛い弟?妹?.........妹でもういっか。実の妹に会いに来たからだよ。一応お母さんたちから様子を見てこいって言われたのもあるけどね。鈴葉ちゃん久しぶり元気してた?」


「はいお姉様」


 リンちゃんのんきに挨拶してる場合じゃないでしょ!?


 それに、こんな私を今でも実の子ども扱いしてくれるのは嬉しいけど!でも今日はタイミング悪すぎ!!


「.............お姉ちゃん。今日はこのまま帰ってくれない?私は元気だって分かったでしょ?」


「んん??もしかして私まどかに嫌われてる?..............お姉ちゃん悲しいです」


 悲しそうに目元を覆うお姉ちゃん...........ってそうじゃない!!


「そんなことない!!お姉ちゃんのこと大好きだから!!!」


 勢いで今まで言ったことなかったこと言っちゃったけど大丈夫だよね.........?


「あぁもう!私の妹は可愛いな!!」


 うわっぷ...........お姉ちゃん胸!その大きな胸を押し付けないで!!こ、呼吸が...........。


 苦しすぎてバンバンお姉ちゃんを叩いたけど仕方ないよね。お姉ちゃんが悪いんだから。


「とまぁ茶番はここまでにして、本当は鈴葉ちゃんのご両親に呼ばれたんだ。あの時にお母さん達が連絡先を交換してたらしくて今日両家で会わないかってね。残念ながらお母さんたちは仕事で都合がつかなかったから私が代わりにってわけ」


 や、やっと解放された............。ってちょっと待って。なんで家主の私にその話が来てないの?おかしくない?


 ジトーってお姉ちゃんを見るけど全く相手してくれない。


「そんな目したって可愛いだけだよ?それに何事もサプライズが大事でしょ?」


「そんなもん大事じゃない!!社会人は報・連・相が大事って聞いたのにお姉ちゃんは社会人じゃなくて子どもなの!?」


「そのとーりです!ここにいるのは社会人の玲華じゃなくてまどかのお姉ちゃんの玲華だから問題なし!!」


「大アリでしょ!!」


 ふーっ、ふーっ、ふーっ。お姉ちゃんの分からずや!!私がどれだけ緊張するか分かってるの!?


「まぁまぁまーちゃん落ち着いて」


「これのどこが落ち着けつけるのよ!!」


「もう、さっきの私と反対になってるよ?」


「そんなのお姉ちゃんが悪いんだもん!!」


 はぁってため息をつかれて私の顔を両手で挟んで間近でジッと見つめてくる。


「まーちゃん落ち着いて。私だって嫌で嫌で仕方ないけどあの人達と会うようにまーちゃんに勝手に約束されたんだよ?」


「うっ............。それはそうだけど」


「だったらまーちゃんはおとなしくお姉様の言う通りにしないとね。じゃないと私がまーちゃんにお仕置きするからね?」


「....................うん」


 たしかに冷静に考えれば同じことリンちゃんにしてるんだから文句なんて言えないよね。


 シュンって落ち込む。


「いやー助かったよ鈴葉ちゃん」


「いえこれぐらいは妻として、嫁として当然のことです」


「ほんとうちのまどかよろしくね?多分もう私なんかよりも頼りになって、信頼できる人が鈴葉ちゃんだから。だから今まで私がしょってきたまどかのこと全部鈴葉ちゃんにあげるからまどかのことよろしくお願いします」


「はい。よろしくされました」


「あーあこれで私も肩の荷が下りったってやつだよ。まどかは私のたった一人の妹だからすっごい心配してんだよね。元気に暮らしているか、あの時みたいに何でも抱え込んで自爆してないか、まどかという人格がちゃんと存在しているか、とかね。でももう大丈夫。私の役目は鈴葉ちゃんにあげたし、それにもう私はいらないっぽいしね?」


「そんなことない!!お姉ちゃんは...........お姉ちゃんは!..............私にとってもたった一人のお姉ちゃんで!今でも大好きなお姉ちゃんなんだから!!だからそんなこと言わないで!!!」


「.............ありがと。その言葉が聞けてお姉ちゃん嬉しいよ」


 思わず私が叫んだらびっくりした様子のお姉ちゃんだったけど最後には笑ってくれた。


 でもでもでも!そんなこと言わないで欲しかった。まるで私の側から離れるようなことは!!


 お姉ちゃんとはもう一緒に暮らしてないけど私の中にはちゃんとお姉ちゃんがいるんだから。


 リンちゃんはいつも話して聞いて見て見られてをしてるけど、落ち込んだときとか夢を見る時はお姉ちゃんがちょこちょこいた。


 優しい笑顔で私を見てくれたり、泣きながら怒ってくれたり、拗ねたような顔して私の興味をひこうとしたり、一緒に騒いだ時のような子どもっぽい顔とか、いろんなお姉ちゃんが私の中にいるんだから。


 だからそんな悲しくなるようなことは言ってほしくなかった。


「さてこの話はここまで。とりあえずまどか紅茶お願いしてもいい?ちゃんと人数分よ?」


「............うん!リンちゃん一緒に用意しよっ!」


「もちろん」


 たしかお姉ちゃんは甘い紅茶が好きだったから砂糖いっぱいかな?


 ...............うん大丈夫。さっき感じた寂しさはもうなくなったから。


 だからちゃんと切り替えなくっちゃね!!


 いまからリンちゃんのご両親が来るんだから粗相はしないようにしなきゃね!!






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