実食
「ふーっ、ふーっ。はいまーちゃん、あーん」
「あむっ...........リンちゃん美味しいね」
良かったです。まだまだ料理は下手でその上1人では最後まで作ったことがなかったので不安でした。
さすがに黒くこがすことはありませんし、レシピ通り作ったので個人的には大丈夫とは思っていましたが、人に食べさせると違ってくるので不安になるのも仕方ありませんよね?
ですがそれは杞憂だったようです。なぜならまどかさんが美味しそうに笑顔で食べてくれているからです。
料理を作るのにまだ不安はあります。それを人に食べて貰うなんて考えるともうヤバいです。
けれどもこのような表情をしてくださるのならまた作りたいと思ってしまいます。
きっとこの気持ちはまどかさんがいつも感じているのでしょう。
自分が作った料理を美味しそうに食べて頂けるのは嬉しいことです。
こうやって考えている間にもまどかさんに食べさせていたのでもうほとんど器に残っていません。
「ねーねーリンちゃん?」
「なーに、まーちゃん?」
「おかゆすっごい美味しかったよ!!」
「ありがとう!」
「でもね、なんで私リンちゃんにおかゆ食べさせられてるの?別に1人でも食べられるのに」
「もしかしたらこのしちゃうかもしれないからね」
「...........うん?........うん、そうかもしれないよね」
「だからだよ。こぼして火傷しちゃったら嫌だもんね」
「うん」
まぁそんな理由は嘘です。少しまどかさんも納得しないようですし..........。
本当の理由。それは私がまどかさんにご飯を食べさせたかっただけです。しかも「あーん」をしたかったわけです。
だってそれは私の憧れの1つでしたから。大好きな人をお世話して「あーん」をして食べさせる。
その時の恥ずかしそうな顔を見て誤魔化すように笑い合う。そんなことがしたかったのです。
そしてそれが叶いそうな状況だったので強引にやらさせて頂きました。
感想としては控えめに言って最高でした。
先程よりかは熱が下がりましたがそれでも赤く上気した頬、熱のせいでトロンとした目。恥ずかしそうに小さく開く口に、美味しくて笑顔になる顔。その後恥ずかしそうに身をよじる姿を見ると可愛すぎて悶えてしまいます。
これを見ることができたのですよ?これこそ言葉にできない幸せというものなんでしょう
私の過去は決して恵まれてはいませんでしたが、今の私はきっと恵まれているのでしょう。
だって大好きな人と一緒にいられて、笑い合える今があるのですから。
だから今の私は幸せです。




