発見
書き終わり次第投稿していきます。ちなみに視点はまどかと鈴葉交互でやっていきます。
彼と離れ離れになって何年が経ったのでしょうか?2年?3年?それとも5年?いいえもうどうでもいいですね。次に彼と会えればそれでいいです。何年離れようとも私と彼の運命の糸は切れません。
忌々しい風景を見ながら高校に入学します。ピンク色の花はどうにも好きになれません。あの頃を思い出してしまいますから。
入学式を終えて次の日、つまり本格的に始まる高校生活ですが、正直私にはどうでもよいことです。私には彼さえいればいいのです。この高校に入学したのも彼を探すためです。ここならもしかしたらと直感的に思ってしまったから私はここの入学を決めました。
出席番号順に自己紹介をしていますが、私は窓際で外をずっと眺めています。自己紹介は聞き流す程度には聞いています。だって私には必要ありませんから。
変に親しみを持たれてもいけませんからね。私は彼にしかこの身体を捧げません。あの地獄から私を庇い続け、救ってくれた彼だけのものです。彼になら私のいろいろなことの「初めて」をあげることができます。いえ彼以外には触れられたくもありません。
自己紹介も中盤に差し掛かりました。私は相変わらず頬杖をついて外を見ています。彼は今どこにいて何をしているんでしょう?ちゃんと生きているでしょうか?普通に暮らしているのでしょうか?それが心配です。
そんなことを考えていました時に、私の直感がまた働きました。次の男子生徒の自己紹介は聞くようにと。私の直感は信じれるので、私にとっていい情報なのでしょうね。まだかと待っていましたらすぐに順番は来ました。
「高島中学からきた平塩まどかだ。本当の名前は捨てたから俺にはもうない。以上だ」
まどかさん.........もしかしてあなたは私がずっと待っていた「彼」なのですか?昔の名前は捨てたと言われましたがなぜ捨てたかを私は知っています。そしてまどかという名前をつけたのは私ですもんね。
あぁやっと会えましたね。あなたをどれほど待ち望んでいたか。あなたが私の隣にいると考えただけで涙が出るくらい嬉しいです。すでに若干泣いていますが.........。
そして私の番です。あなたは私に気がついているのですか?気がついていないとしてもこの場で気がつかさせてあげます。
「両崎中学校から来ました、三ヶ瀬鈴葉と言います。まどかさんと同じく私も小さい頃に本当の名前は捨てました。..............そして私三ヶ瀬鈴葉は平塩まどかの婚約者であり近い将来の妻です。まどかさんに近づく人は敵とみなしますので夜道にはお気を付け下さい」
言ってやりました。これでまどかさんにも私にも近づいてくる奴はいないでしょう。
「ちょっと待ってくれ。いきなりなんだ。俺はあなたを知らないんだが」
「あくまでも自分は知らないと.........あとでお話があります」
「ああ分かった」
腑に落ちませんけど仕方ありません。彼が嘘をついてもこちらには決定的な証拠を持っています。彼の腕にある深く切り裂かれた傷跡があれば私の勝ちです。なぜならその時私と彼は一緒に切られましたから。腕を繋げて傷がぴったりと会えばもう彼確定です。
早く彼と話したくて仕方ありませんが、昼休みまで我慢しましょう。
たった3時間程度待つだけで私が幸せになれるのなら待ってやりましょう。今まで私はそれ以上待っていましたから。
まどかさん、いいえ○○君今度こそは一緒にいられますね。ずっっっっと放しませんから、覚悟しておいて下さい。
私の深い深い愛情を受け止める覚悟を、です