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邂逅

突発的にこのテーマで描きたくなりました。あくまで薄幸がメインなのでこちらは不定期で更新していきます。またこちらは流血沙汰が多くなるためご注意下さい。

 桜が満開に咲く季節俺は彼女にまた会った。何年ぶりだろうか?小さい頃に離れ離れになったきりだから少なくとも7年は経っている。


 パッチリとした大きな琥珀色の目。肩甲骨まで伸ばされ緩く内巻き癖のある綺麗な茶色の髪。背は高くもなければ低くもない。見る人全員が綺麗と言わんばかりの容姿を持っている。


 あれからどんな風に成長したか知りたい。彼女は彼女のままなのか。それとも新しい人格が生まれているのか。それとも俺のように感情をなくしてしまったのか。


 どんな風に成長していても構わない。それどころか俺は彼女に関わってはいけないだろう。あの時の記憶を彼女が思い出すかもしれないから。


 あれは悲惨な出来事だった。まだ子供だった俺達にはどうすることもできなかった。あれが日常と化していたから俺達はこうなってしまった。........いや少なくとも俺はこうなってしまった。


 この高校を選んだのは間違いか?しかも彼女を見かける日が皮肉にも桜が満開の時期なんてな。


 俺達は桜が満開の季節に会い桜が満開の季節に別れた。だからまた会うのもこの時期ってか?つくづく俺は運がないらしい。


 まぁでもいいか。彼女と関わらなければいい。彼女も俺には気づかないだろう。遠い記憶の果てに追いやってくれていればそれでいい。


 さてと憂鬱ではあるが学校に入りましょうか。さてさて俺はどこのクラスだ?............待てちょっと待て。なんで彼女と俺は同じクラスなんだ。これも運命ってか。


 いいだろう。だったらあっちが気づくまで俺は俺であることをばらさない。誰にも気にとめられない存在でいよう。


 はなから俺は誰とも馴れ合うつもりなんてない。ただ勉強ができればそれでいい。


 あんな呪縛に囚われないように勉強するだけだ。もしかしたら彼女も.......?いや、考えないでおこう。


 俺は俺だ。あの時彼女がつくってくれた俺という存在を消すことなく続けられればそれでいい。


 じゃあゲームを始めよう。俺が俺であることを見破られたら、俺は昔の役割に戻ろう。見破られなければただの同級生でいよう。プレイヤーは俺1人。敵キャラとして彼女がいる。たったそれだけのゲーム。


 さぁ俺を見破れるかな?


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