エピローグはあっさりと~TO BE CONTINUE~
中野、中条と、俺がこの世界のフィクサーとなるべく取り決めを交わしたあと、5つの世界は1つに統合された。
この世界の東側に中野率いる魔族の世界が。
そして、東側に中条が率いる人間の世界が出来上がった。
その国境線というか世界境線ともいえる中心に、俺の世界……ノーボーダーが作られた。
当初、中条、中野によってハミーゴと名付けかけられたが、全力を持って阻止した。
全力……それは武力。
まあ、実際には手加減しまくりだけど。
なんで、俺がこんなに強くなってしまったのかは分からない。
ただ、産まれた時から強かった。
虎は何ゆえ強いと思う? を地で行く存在だ。
「魔王様、東から人間の勇者が攻めて参りました」
「ふむ……カインに向かわせろ」
ちなみにトミー、ジョン、マイケル、ジェシカ、エルザ、レベッカ、フランシスカの7人の孤児達は、1年でかなりの実力を伸ばしたため俺の陣営にそのまま置かれる事になった。
勿論、他の孤児たちもだ。
最初に移り住んだ、ルカ、ユミ、シュウは別格だが。
このルカは皆の保護者のような立ち回り……というか、人間使用人のトップだ。
ユミとシュウは相変わらず辰子の、友人役だが。
辰子によって、かなり鍛えられているし。
むしろ、この2人をメインの配下としての新勢力発足も良いかもしれない。
ただ、肝心の辰子が俺にべったりだから、暫くはそういった事にはならないだろう。
ウロ子、ムカ娘の2人も俺の配下として迎え入れた。
というか、この2人を中野が配下にしようと頑張ったのだが、ボッコボコにやられて手に負えなかったらしい。
マイは中立自由国家とかってのを勝手に作って中野に怒られていたが、気にした様子もなくうちと新しく俺に造らせた城を行き来している。
主な目的は飯……だけでも無さそうだが。
ちなみに私のグループはその後もメキメキと全国にお店を出店している。
食材の提供が俺からだという事は、誰も知らないが。
中央世界で配下に加えた魔族達は殆ど中野の元に戻っていった。
泣きながら頼み込む中野にほだされたらしい。
無論彼等は俺に対する悪感情を抱く洗脳は受けていない。
というより、俺の強化のせいでレジストしてしまう。
何故かボクッコはこっちに残ったが。
そう言えば、四天王のうちの青騎士であるブルータス。
彼もこちらに付いた。
おそらく目的はムカ娘だろうが。
そのムカ娘は俺にぞっこんだから、中々に厳しいと思う。
思うが、ブルータスには頑張ってもらいたい。
ただ、ムカ娘を取られるかと思うと少しモヤっとする。
いや、それはウロ子やエリーに対してもそうだが。
エリーは相変わらずマイの世話に忙しいらしい。
たまにこっちに来てウロ子やムカ娘に愚痴をこぼしている。
蛇吉とモー太もマイに付いた。
モー太はマイが絶対に手放さないと、腕にしがみ付いてこっちを威嚇してきたので俺が折れた。
ちなみに反対側の腕にはチビコ。
チビコとマイは精神年齢が近い事もあってか、意気投合してしまいチビコはマイに取られてしまった。
が……転移でちょいちょいウララに会いにくる。
そのウララ……
「キュイ!」
(喋らせろ、このクソ無神論者だわさ)
時折可愛くない悪態をついてくる。
正直……可愛い。
そのウララの両脇に居るのは、元アシュラ男爵。
女神と邪神に分かれたが。
ビーナスとジャシーン!と名付けた。
ビーナスマジ天使。
めっちゃナイスバディで可愛いうえに美人。
ポストエリー。
ちなみにジャシーン!とは、夫婦ではなく親子らしい。
なんて中途半端な出産。
なんでもビーナスの反抗期に、ジャシーン!が浮気したのがバレて奥さんに強引に繋げられたらしい。
何それ……
その奥さん、2人に愛想を尽かせて行方不明。
ラスボスよ……それで良いのか?
ちなみにジャシーン!の名前は!まで入れて、正式名称だ。
それから荒神達は当然、俺の配下だ。
カインがこっちに付いたから、スッピンもこっちにいる。
というか、スッピンは俺に対して恋愛感情は全く抱いていなさそうだが、純粋な忠誠心だけみれば物凄く高い。
そして、カインには相変わらず厳しい。
「タナカ様、本日はかなりの売り上げが記録できそうですよ」
一生懸命、カイン対勇者の観客を捌くのはチビコの母。
出稼ぎで、この時間になると出勤する。
少しばかりのサキュバス等の配下に、テキパキと指示を出すその姿はベテランパートのおばさんみたいだ。
アイドルというか、旅芸人の花形に熱狂的なまでの情熱を注いでいるあたりも。
チビコの父親が、マイの居る国で毎日微妙な表情を浮かべながらもそれなりに幸せな日々を過ごしているらしい。
たまに我慢出来ないのだろう、モー太と絶倫相手にワーワー言ってるとか。
何気に、あの3人かなり仲良くなったな。
忘れがちで忘れられないのがライ蔵。
今回もスルーしようかと思ったが……
流石にこのままじゃ不味いと本気で思ったらしい。
物凄くアピールしてきたが、特筆すべきところが無いあたりライ蔵らしい。
今度ライ蔵が目立つ舞台でも用意しようか。
大昔にチラッと出て来てつい配下に加えたアフロナイト……元デンショピジョンがライ蔵とよく一緒に居るところを見かける。
なんとなく、頭の形も似ているし何やら一緒になって企んでいるらしい。
それにしても、エリーだけでも欲しかった。
代わりにヘシャゲ子まで来たのは頂けない。
ゲテモノばかり押し付けられている気がする。
サイファまで居るし。
覚えているかな?
美形が生えた蛞蝓……かなりキモイあいつ。
オウキとポークは、元西の四天王のオウガと諸国漫遊の旅に出てしまった。
「ふむ……お主たちはもはや我を越えた。教える事は何もない」
と7人の孤児に向けて言葉を贈ると、マントを翻してオウキを追いかける。
最後までイケメンの豚だった。
マヨヒガは……ヒモロギに取られちゃった。
から、マヨヒガ2号を作り出して、新たな屋敷にしたけどね。
これまでの事を振り返っていると、カインが意気揚々とこっちに引き上げてくる。
どうやら、勇者の相手が終わったらしい。
「で、なんでピンキーが一緒に居るんだ?」
「えっ?」
カインは気付いていなかったらしい。
ピンキーは中野陣営だが、ちょいちょいこうやってカインに会いにくる。
「来ちゃった」
「あ、はい」
でもカインはスッピンが好き。
微妙な3角関係……か?
まあ、良いか。
城の中庭に出ると、すでにテーブルと食器類がセッティングされている。
が、料理は何一つ出来ていない。
そこに腰かけてワクワクした様子でこちらを見る面々。
東野さん、東さん、ケビン、比嘉。
そして、南野、西野。
中野、中条も居る。
神主さんはユウちゃんやタカシ、ショウと一緒に座っている。
そしてその周りには北条さん、西条さん、東条さん、南条さんの4女神。
今日は日本人だけを集め……ケビンは違うけど。
地球からの同胞を集めての、終戦1周年記念だ。
俺から言わせたら、中野と中条が勝手に争っていただけだが。
勿論料理担当は……
「オイ! 田中! 早く、飯作るネ! ケビンお腹ぺっこぺこ」
「ふふ、分かったよ」
俺がいつもの【三分調理】を唱えると、テーブルに所狭しと料理が並ぶ。
「じゃあ、頂きます!」
「「「「「頂きます!」」」」
これから先、魔族や人達相手に嫌われ役を演じるのは辛いが、精々楽しめるよう頑張ろう。
長かったような、短かったような。
こっちに転生してから色々な事があり過ぎて、正直ようやく一息吐けるような気がする。
何故俺の城で、敵共を交えて俺が作った飯を食わないといけないのか疑問は多いが。
そこにワタシノグループの人達が、差し入れを持って参加。
渡野さんが、俺に挨拶してから席に着く。
これで全員か。
まあ、これからどれだけ一緒に居られるか分からないが、日本人同士仲良くやっていこう。
あっ、ケビンは日本人じゃないけど、大丈夫だぞ。
ヒガは……
まあ良いか。
同じ世界から来た事を再認識したことで、より一層皆と楽しくやっていけるだろう。
空を見上げる。
どこまでも続く青い空……これだけは地球と同じで、ホッとする。
皆、頑張って楽しもうな!
FIN
これにて完結です。
皆さま、長らくお付き合い頂き誠にありがとうございましたm(__)m
「じゃない!」
……(-_-;)
「なんで、最後の最後に私が居ないのよ! そんなの、許せる訳ないでしょ!」
……(-_-;)
「大体私の秘密とか、田中の正妻の座とか……カインとスッピンの恋の行方とか! 色々と! い・ろ・い・ろと終わらせないといけない話があるんじゃいな?」
……(-_-;)
「お疲れだろうし、G・Wは今日休んだらフル出勤みたいだから来週の月曜日までは完結にしてあげるけど、頑張って色々とやらかしたものを片付けないさいよ!」
……(-_-;)
「じゃないと、この北野舞が黙っていないからね!」
……(-_-;)
「トゥービーコンテニュー?」
……(-_-;)
……(-_-;)
……(-_-;)
……(-_-;)
……(-_-;)
OTL
(゜д゜)(。_。)
ここまでに、一度でとクスリとされた方は是非評価をお願いしますm(_ _)m




