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魔王に転生したけど人間に嫌われ過ぎて辛い  作者: へたまろ
最終章:最終決戦!神と魔神
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元変態VS変態

短めです。

 戦々恐々?とした状況の中で城下町にいち早く到着する北の幹部四人。

 その目の前で繰り広げられる残虐非道?の行い。

 絶倫が駆け付けた先で、いままさに勇者の1人がゴーレム族の子供に斬りかかろうとしているところだった。


「お願いします!子供だけは!子供だけは助けてください」


 他の勇者に抑えつけられた母親らしきゴーレムが懇願する。


「駄目だなぁ?いまは子供でも大きくなったら立派なまぞくだよなぁ?そんなやつぁ生かしておけねぇなぁ?」


 どこか既視感のある光景……これがデジャブという奴か?


「やめるのだ勇者!」

「うっせぇ!」


 絶倫が止めに入るより早く、勇者が子供に剣を振るう。

 そして今回も間に合わない絶倫。

 学習能力のない男である。


 バキンッ!


 そして前回同様、いや前回以上の怪異が起きる。

 勇者の剣がゴーレムの子供に頭に当たった瞬間に砕け散る。


「あー坊やの頭に…坊やの綺麗な頭にたんこぶが!」

「えっ?たんこぶ?てか俺の剣…」


 母親が悲痛な叫びをあげている。

 やはりたんこぶ程度の怪我であった。

 理解できなくもないが、やはり複雑な心境なのか勇者が折れた剣を見つめて呆然としている。

 そしてやはり勇者の背後から莫大な量の魔力を感知する。


「この腐れ外道どもがぁ!今回は大魔王タナゲフンゲフン!元魔王様は殺すなとおっしゃられておらぬ…だが死ぬより辛い目に合わせてやるわぁ!」


 今回も、絶倫の身体が黒く変色する。

 詳しい描写は割愛させて頂こう。

 ただ一言、ひたすら黒いとだけ説明させてもらう。


「あ……あ……」


 あまりの恐怖に勇者が言葉も出せずに後ずさる。

 母親のゴーレムを押さえていた他の勇者達も、慌てて逃げだす。


「うわっ!」

「なっ!エイン様!」


 そして突如現れた変態っぽい何者かに弾き飛ばされる逃げ出した勇者達。

 そう、エインである。


「魔族を前にして、逃げ出すなど勇者にあらず」

「えっ?」

「はっ?」

「エイン様が喋った?」

 

 味方である勇者に弾き飛ばされた事よりも、その勇者が喋ったことに驚きを隠せない他の勇者達。

 

「フッフッフ、貴方がそこの蛮族達の親玉ですか?流石蛮族の王、その名にふさわしい変態っぷりですな」


 目だしマントパンツ斧男に対してニヤリとした笑みを浮かべる絶倫。

 お前だって、田中に服を着させられるまでブラブラさせる変態だっただろ!と声を大にして言いたい。

 だが、それは彼にとってすでに過去の話である。

 とはいえ、タナカが去ってから新しい服を下賜してもらう事もなく、裂ける度に自分で直していた執事福は継ぎはぎだらけでどこの没落貴族の執事だと言いたい恰好だ。

 狙ったとしか思えないような、下半身の一部の場所が特に継ぎはぎだらけだ。


「……マゾクノ分際デ。シャベルナ!臭イ!」


 どう見てもエインの息の方が臭そうである?

 その目出しマントの下はバクテリ○ンのような気もする。

 だが今の絶倫(クリリ○)には鼻が無い。

 勝敗はすでに見えていると言っても過言ではない。


「ならば、すぐに終わらせてやろう」

「……ショウシ」


 言うやいなや、2人の姿が周囲から消える。

 そして次の瞬間、交差し離れた位置に現れる元変態と変態。

 間違えた、絶倫とエイン。


「くっ!」


 片膝を付く絶倫に対して、余裕の表情……表情は分からないが、余裕っぽい感じで振り返るエイン。


「ソノ程度カ?」


 凄いぞエイン!

 強いぞエイン!

 変態だけど。


「さすが南の世界最強の勇者だ!」

「当たり前だろ?創造主様より、直接神気を分けて貰ってるんだ!魔族なんか目じゃねーよ」


 そして盛り上がる勇者達。


「えっ?絶倫様が膝を」

「バカな!あの絶倫様に一太刀浴びせたというのか!」

 

 反対に信じられないものを見たといった様子の一般魔族達。

 しかし、絶倫はタナカを崇拝するタナカ教の一番の信者である。

 タナカ教の教皇と言っても過言ではない。


「グハッ!姑息ナ!」

「フフフ、何のことですかな?」


 直後、その場に倒れ込むエイン。

 そして何事も無かったかのように立ち上がる絶倫。

 そう、絶倫は実は付いたと思わせた膝から下を影を通してエインの背後に回り込ませ、不意打ち気味に足払いをしかけたのだ。

 うん、確かに姑息である。

 魔族が姑息で何が悪いとは、タナカの教えを忠実に守る絶倫ならではの行動だ。


「ナラバ、【全てを叩き割れ!ブレイブチョッピングウッド!】」


 すぐに立ち上がったエインが、即座に必殺技を放つがすでに絶倫の姿は無い。

 またも影移動により、エインの背後に回り込んでいる。


「同ジ手ヲ、二度モクラウカ!」


 しかし、そこは南最強の勇者!すぐに反応し背後に向かって斧を振るう。

 そして空を斬る斧。


「おやおや、なかなかやりますね。でも、遅いんですよね?」


 エインの放った斧を、またも影に潜り込んで簡単に躱した絶倫が、今度は他の勇者の影から現れる。


「ソコカ!」

「えっ!ちょっ!」


 そしてそこに向かって放たれる斬撃。

 またも消える絶倫。

 そして吹き飛ばされる、モブ勇者。


「ひ……酷い」


 そして違うモブ勇者の影から現れる絶倫。


「こっちですよ?」

「ちょっ、こっち来ないで」

 

 突如背後に現れた絶倫に対して、慌てた様子で離れようとするモブ勇者。


「ソコカ!」


 またも放たれる無情の斬撃。


「な……なんで」


 そして生まれる犠牲者2号。


「こっち!こっち!」

「ソコダ!」

「ウギャッ!」

「どこを切っているのですか?」

「えっ、俺?」

「コンドコソ!」

「やめてーー!」

「本当に戦う気あるのですか?」

「アンタこそ、まじめに戦って!ヒッ!こっちに来ちゃだめーーー!」

「クラエ」

「うそーーー!」

「下手くそ!」

「オリャ!」

「ウギャ!」

「バーカーバーカ!」

「デイ!」

「あべし!」


 次々と他の勇者の影に移動する絶倫。

 そして、そこに向かって次々と攻撃をしかけるエイン。

 結果、次々と倒れていくモブ勇者達。

 こすい!こすいぞ絶倫。


「ハア……ハア……コレデ、モウ逃ゲ場ハ無イゾ?」


 とうとうその場に居た全ての勇者が倒れる……エインの手によって。

 この男、変態で馬鹿である。


「どうですかね?」


 そして元の位置に戻った絶倫が、指をパチンと鳴らすと最初に対峙していた状態に戻る。


「えっ?」

「あれっ?俺生きてる」

「エイン様に殺されたはずじゃ!」

「良かった……」

「てか、あの変態上司マジありえねー」

「ああ、ああ、ああ……」

「ぜってい許さねー!あの変態勇者、マジ許さねー!」

「どさくさに紛れて殺ってやる」 

 ……

 

 そして自分の身体を触って、無事を喜ぶモブたち。

 そう、タナカから盗んだ時間経過の発生しない幻惑魔法だ。

 完全に死んだ訳では無いが、脳も魂も死を感じた為か若干洗脳が薄らいでいる。


「クソガ!嘗メヤガッテ!」


 絶倫に向かって斧を振るうエイン。

 

「遅いですって」


 またもすぐにエインの背後に影移動する絶倫。


『そこかぁっ!喰らいやがれ、魂よ燃えろ!【全てをこの一撃に掛ける!そして全てを斬りさけ!真全力連続ブレイブスラッシュ】!』


 周りを遠巻きに見ていた、怒りに覚醒したモブ勇者全員による恨みと怒りの籠った、最強の連撃が放たれる。

 絶倫にと見せかけつつ……エインに。


「オ!オ前ラ!馬鹿カ!俺ニ当タ!ウギャァァァァ!」


 数百に及ぶ斬撃を喰らい、紙切れのように中を舞う変態。

 「お前が言うなあ!」と思うモブたち。

 北の世界で初めて、全員の思いが一つになった瞬間である。


 結果、幻惑魔法一回と影移動一回分の魔力で敵の隊長を倒し、周囲の勇者達に神気と体力を大量に使わせた絶倫。

 どうやら田中が居なくなった後も、小狡さが大きく成長しているようであった。

 というか着実に田中に似て来ていると見ていた一般魔族達もまた、思いが一つになっていた。


あまり時間が無かったので、またゆっくりと見直しますorz

多分眠気と、変なテンションで書き上げたので色々とおかしい……いつもの事ですねw

おやすみなさいm(__)m

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新作更新始めました!
(仮)邪神の左手 善神の右手
宜しくお願いしますm(__)m
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