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魔王に転生したけど人間に嫌われ過ぎて辛い  作者: へたまろ
最終章:最終決戦!神と魔神
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閑話:中条四天王

閑話進行回です。

「イーストウェストイースト村も墜ちたか」

「さあ?」

「まさか加藤が」

「……マゾクコロス」


天上の城、中条城で4人の男女が机を囲み苦々しい表情で、空中に映し出されたモニターを眺めている。


「って、イーストウェストイースト村ってどこ?」

「さあ?」

「あと、加藤ってやつ最低じゃね?」

「……マゾクコロス」


それらしいことを言った割にはどうでもいいらしい。

4人の男女は中条配下の四天王勇者である。

上から北田、キャシー、西田、エインである。

召喚された日本人に東田と南田は居なかったらしい。


「っていうかさ、魔族とか気持ち悪い奴の味方してる田中ってなんなんだろうね」

「さあ?」

「いや、それより加藤ムカつくわー」

「……マゾクコロス」


次々と中央世界の街や村が陥落していくのを快く思わない中条が、緊急で集めて特別に強化した連中である。


「田中をどうにかしないと、この世界に平和は来ないと思うんだけどどう思う?」

「さあ?」

「なんであんな男が良いんだろう?ただのバーコードじゃん」

「……マゾクコロス」


実質北田がこの四人のリーダー各にあたり、その実情は勇者勇者だ。

お分かりいただけただろうか?

ようは、ただの勇者というか、勇者として能力に特化した勇者である。

見た目は16歳で、宝玉の入った額当てを付けてツンツンに立てた黒い髪が特徴的だ。

黄色い全身タイツに青いチュニックを腰の当たりで皮のベルトで止めている。

紫というのか、ベージュというのかその中間色のようなマントを羽織り、肩から斜めに剣を掛けている。

正義感の強さが顔に現れている。


「ところで、キャシーのところはどうなんだ?加藤ってお前の部下じゃなかったっけ?」


東の世界、中央世界東の大陸担当のキャシーに向かって北田が声を掛ける。


「さあ?」


間の抜けた返事をしているのが、賢者勇者のキャシーだ。

お前のどこが賢者だと言いたくなるようなヌボーっとした顔と、適当な生返事しか繰り返していないが当然である。

田中が解放された後に残された中野の作ったモニターの解析を任され、一部その解析に成功し疑似的に脳内に映像を映し出す事が出来るようになった彼女は、今頭の中で色々な映像作品を楽しんでいる。

その映像作品は、田中が牢獄に置いてきた魔法の円盤に残されたものだ。

創造主様曰くデーブイデーとかブルーレイなるものらしい。

デーブイデーはともかく、ブルーレイというのはどこの攻撃魔法だと思ったが……なるほど。

デーブイデーよりも余程綺麗な映像が残せるのか。


「クフッ」

「どうした!」

「さあ?」(危ない危ない「キャシー!アウトォッ!」ってなるところだった。タイキック……は嫌だなー)



思わず笑いを押さえる事ができずに声に出してしまったため、北田に突っ込まれたがいつものセリフで誤魔化す。

ちなみに彼女が見ている映像作品は大晦日特番の某芸人達が出る、笑ってはあかん24時だ。

ちなみにノーカット版である。

流れるような青い髪に、勇者とお揃いの額当て、そして白い妙に膝上丈のローブをこれまた腰の辺りで皮のベルトで止めている。

そしてやっぱり青いマントを羽織っている。

黄色い皮のグローブが妙に台所に似合いそうだ。

ブーツもお揃いの素材で、お風呂でスポンジを握っていてもおかしくない。

手に握られているのは木槌を思わせるような杖だ。

時折グフフッという笑いを零しながら、時折薄く開かれている目がグルンとひっくり返るのが怖い。

その目の下には酷い隈が出来ている。

それもそうだろう、彼女が見ているのはすでに4作品目で4日間貫徹である。


「にしても加藤、あのハゲだけは許せねーわ」


そう言っているのは武闘家勇者の西田だ。

ツインテ?の根元を青い宝玉を連ねたゴムで止めている。

そして、服装は黄色をベースの上下の合わせに、緑色をベースとした胸に龍と書かれた道着を纏っている。

腰の当たりに白い布を巻いており、手には指ぬきの黒いレザーグローブ。

そして何故か方には紫のからっぽの風呂敷が撒かれている。

ダサイ。

その西田はどうやら純情らしく、不倫は絶対悪としているらしい。

いや、不倫以前の二股すら許すまじといった様子。


「キャシーも、同じ女として許せねーよな?」

「さあ?」


キャシーに同意を求めるが、帰って来るのは気の抜けた返事のみ。


「……マゾクコロス」


その横でブツブツと呟く危ない男。

見た目は……も、危ない男。

黒のビキニ、緑の目出しマント、たすき掛けにされた皮のベルト。

そして手には斧。

どこかの盗賊の親分か、勇者の父か……はたまたただの武器屋か。

どっちにしろ、町に出たら通報まったなしである。

ちなみに肩書は無い。

一応勇者ではある。


この4人が創造主直下の四天王勇者である。


「さてと、待たせた……うっ」


少し遅れて会議室に入って来た中条が、4人を見て思わず声を詰まらせる。

何やら白目を剥いて時折グフッと吹き出すキャシー。


「マジ不倫が文化とか言ってるやつアホだろ?だったら慰謝料なんかいらねーっつーの。賠償金が発生してるんだから、違法だろ?そんなのも分かんねーのかよ!愛があったら違法行為しても良いって、勝手に責任放棄してラリってるだけじゃねーか」


偉く憤慨している西田。


「……マゾクコロス」


マゾクコロスとひたすら呟くド変態。

ああ、ちょっと洗脳を強く掛けすぎたかも……軽く眉間を押さえつつ残る一人に目を向けて、思わず安堵の溜息を吐く。


「えっと、魔王を倒して魔族を滅ぼした後は、神龍様に挑み放題なんですよね?」

「えっ?」

「そしたらお父さんを生き返らしてもらったり、まあ父は生きてますけど」


これがゲーム脳か……まあいいだろう(・・・・・・・)

人選を間違えたことに頭を抱えつつも、元々勇者に碌な奴が居なかった事を思い出し再始動を始める創造主。

といっても、実力は折り紙付きの……はず?

彼等にはこれから重要な役割を任せる。

転移を駆使し、ランダムに行先を決定し、一向に行方を掴ませないあの男を引きずり出す為の策。

そう、


「お前らに北の世界の制圧を命ずる!その実力を思いっきり発揮して、北の魔族を殲滅せよ」

「えっ?北の魔族ってめっちゃ強いんじゃ!」

「さあ?」

「っていうか、加藤のクズどうしたんすか?勿論クビですよね?あんなやつ!」

「……マゾクコロス」


ことここに至って、唯一役に立ちそうなのが変態という事が辛い。




強敵不在の創造主陣営に、ようやく強敵の陰が……

果たして田中の強敵にたりえるのか。

そして創造主の元に強制召還された加藤。

二人の間に火蓋が切って落とされる。


次回「激突!!神と髪」~本体(ヅラ)を手に入れた俺は神を越える~


嘘です。

次回は本編進行回の予定です。


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新作更新始めました!
(仮)邪神の左手 善神の右手
宜しくお願いしますm(__)m
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