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さらばポーク!お主の仇は妾が討つ!オウキ進化する!

…いや、満足です。

「そこまでじゃ!」


 突如ホールに響き渡る野太い声。

 その声の方向に視線を送ると、虎皮のビキニを身に着けたいかつい顔の鬼が、不安そうな物憂げな表情でこっちを見つめている。

 ビキニのトップスからは、はちきれんばかりの…胸筋が溢れている。

 なんだろう…思ってたんと違うっていうのもあるけど、それ以上にイラッとする。


「これは姫様」


 うん、やっぱりそうだよね。

 見るからに鬼だしね…マジ、昔の絵巻とかに書かれてそうな鬼だよ。

 鬼姫っていうくらいだから、割とベッピンさんをイメージしていただけにこのダメージは計り知れない。

 シャッキや、ブルータスがなまじイケメンだっただけに余計にだ。


「ピッグよ…お主ではこやつらには勝てぬ…そして妾もじゃ」


 そう言って姫様と呼ばれた鬼が、顔を歪ませる。

 確かにあの筋肉からしても、ピッグとなかなか良い勝負をしそうだな。

 しかも、魔力に至ってはピッグの遥か高みをいっている。

 総合的な実力ではこのひ…ああ、ああ、このひ…このひ!このひ…ダメだ。

 この鬼を姫と呼ぶことを本能が拒絶している。


「そうじゃな…お主にはちと荷が重かったかもしれぬのう」


 そう言いいながら、鬼の後ろからポークが現れる。


「先ほどぶりじゃのう。まさかお主らこの中央の世界を脅かす魔族だったとは…世界は広いようで狭いのう」

「兄者!」


 ピッグがポークを見て、若干焦っている。


「申し訳ありませぬ。この城の護衛を任された身でありながら、まったくお役に立てず」

「ああ、気にするな。そちらの若い御仁は、魔王の力を失ったとはいえ元魔王様じゃ…四天王様の上におられた方にお主が勝てぬとも仕方が無い…」

「兄者!」


 ポークの言葉に、ピッグがホッとした表情を浮かべる。


「が!その部下にすら歯が立たぬとは、我が弟にしては余りに情けない話じゃのう?ん?」


 続く言葉に、ピッグの顔が一気に青ざめる。

 うーん、財務大臣ということだから戦闘要員じゃないと思っていたが、なかなかに迫力があるじゃないか。

 まあ、兄貴に頭が上がらないだけかもしれないが、雰囲気だけなら弟よりは強そうだな。


「ポーク、あまりピッグを責めるでない」


 2人のやり取りに見かねた鬼が、ポークを制止する。

 なかなかに、3人とも雰囲気は俺の部下にするのに相応しいな。


「折角、ここまでの策を授けてお膳立てしたというのに、部下の1人も始末できぬ愚弟に掛ける容赦などありませぬよ」


 しかし、ポークは鬼の言葉に従うつもりは無いようだ。

 諫められてなおこの言い様、結構部下に厳しいみたいだな。

 うん、是非に欲しいな。

 聞けばこの罠もこいつが考えたみたいだし、幹部に取り立てるのも吝かでは無い。


「おい」


 俺がグレズリーに目で合図を送ると、グレズリーが頷く。


「ふむ、ならばポーク殿。お主が相手をしてくれるというのかな?」


 グレズリーがポークに向かって挑発する。

 まあ、一応実力的なものも図っておきたいしな。


「ポーク!無理をするでない。あの魔族達は余りにも妾達の力とはかけ離れておる。いかなお主といえども、勝てるとは思えぬ」

「ご安心を…勝てぬまでも、姫様が逃げられるだけの時間は稼いでみせましょうぞ」


 おお、あの表情は覚悟を決めた表情だな。

 自分の主君の為に、その命を戸惑う事無く散らすか。

 あっぱれな心意気だな。


「さてと、そちらの熊人族はシャッキ殿の配下のグレズリー殿とお見受けする。相手として不足なし。是非手合わせを願えぬかな?」

「ふむ、もとよりこちらはそのつもりだが?」


 情報までしっかりと持っているのか、すげー!すげーぞポーク!

 俺が見て来た魔族の中で、一番優秀だ。

 しかも、話しかけながら自身に身体強化を掛けているあたり、限りなく魔族っぽくて良いよ。


「その前に1つ、この戦いを面白いものにするためにお願いがあるのだが」

「ふん、これから戦う相手にお願いか…なんだ?」


 心理戦まで出来るのか?

 若干、やる気まんまんだったグレズリーから毒気が抜かれたな。


「わしらが戦っている間、他のものは一切の手出しはせぬこと。それから姫様には徒歩で逃げて頂く。わしを倒したら、それから追っかけるというのどうじゃ?であれば、わしは必死で時間を稼ぐ為に命がけで戦えるのじゃが…」

「ポーク!何を勝手な事を!」


 鬼がポークの突然の発言に戸惑いを隠しきれない様子だ。

 まあ、といっても俺は3人とも部下に欲しいからな。

 ポークを殺すつもりも無いし、オウキを逃がすつもりもない。


「なるほど…武人としても名高いポーク殿の、文字通りの本気が見られるというのだな?」

「ああ、命を賭して戦う事を誓おう」


 グレズリーが俺の判断も仰がずに、条件に好意的な態度を示す。

 おい、ちょっと待て!

 まあ、逃げたところで転移ですぐに追いつけるだろうが、この様子だとポークの奴まだ何か手を隠しているな。

 恐らく、勝てないまでも鬼を逃がす勝算はあるのだろう。

 グレズリー勝手な事を


「良かろう!そこの鬼の姫よ、さあ、逃げるがよい!」

「馬鹿な!部下を置いて妾だけ逃げられる訳なかろう!」


 バカたれーーーー!

 勝手に条件を飲むなよ!どう考えても、何かあるに決まってるだろう。

 鬼!頑張れ!逃げるな!


「ふむ…ならばこう申したら良いでしょうか?姫様が近くに居ては本気が出せませぬ故。この場を離れて頂けませぬか?」

「うっ…じゃが、本気を出したとて、そこの熊はともかくそちらの魔王には絶対に勝てぬのであろう?」


 そうだ!そうだ!

 たかが豚の魔族が俺に勝てる訳無いだろ!


「ええ、勝てませぬ…が、傷を負わせるくらいの事は出来るかと」

「はっはっはっは!ポーク殿はわしを嘗めておられるな?わしと戦わぬうちから、我が主との戦いを想定するとは…失礼では無いか?」


 グレズリーが声を出して笑ったかと思うと、物凄く低い声で言い放ちポークを睨み付けている。

 ポークは一瞬肩を竦めたあとで、グレズリーを睨み返す。


「そのくらいの事が出来ねば姫を逃がす事はできませぬよ…というより、もとよりお主如きに負けるつもりはないのでのう?」

「舌戦はそのくらいにして、とっとと始めたらどうだ?それにそこの鬼にも結界を施してやろう。であれば、気にすることなく実力が出せるだろう?そうだ!そこのグレズリーを倒す事が出来たら、全員見逃してやろう。だったら、わざわざそんな面倒な事をせずともいいじゃん?」


 思わぬ横やりに、ポークが忌々し気にこっちを睨み付けてくる。


「そうじゃのう…元魔王殿もああ言っておられる、どのみちお主が負けたら、妾は捕まるのじゃ。ならば、お主の戦いを見届けてから死ぬのもよかろう?それが妾が幼いころより面倒を見て貰ったお主に対する、最後の心遣いじゃ」

「くっ、思ったよりも油断ならぬ男じゃのう。大魔王様に喧嘩を売るくらいじゃからどんな馬鹿かと思ったが、残念なことに実力に裏打ちされた食わせもんか」


 ちょいちょい、こいつ上司を無視してるけど、まあ信念や目的の達成を優先するタイプなんだろうな。


「もういいじゃろう?我が主を馬鹿よばわりした報い、受けさせてやろう!」


 グレズリーがめっちゃ怒ってるけど、俺いまポークに褒められたんだからな?

 分かってるのか、分かってないのか。


「仕方あるまい、ならば行かせてもらおう!」

「うむ、来るがよい!」


 グレズリーがポークの言葉に応えた瞬間に、ポークが地面を蹴って一気に間合いを詰める。


「ふっ、早いが…この程度なら、避けるまでも無い!」


 それから、グレズリーの腹に向けて放たれた拳を、グレズリーが片手で受ける。


「固いのう…じゃがこれならどうじゃ?【豚手鬼(とんてき)】!」


 ポークの魔力が手に纏われたかと思った瞬間に、一気に腕の筋肉が膨れ上がる。

 それから、魔力を纏った強烈な一撃が放たれる。


「流石にこれは!」


 グレズリーが慌ててバックステップで躱すと、構えを取る。

 2人とも素手の戦いが得意なのか。


「西の拳聖と呼ばれるだけの事はあるのう」

「ふん、そんなもんオウガ様に負けた時点で捨てたわ。今はこのか弱くも可愛い姫様を守る為の盾にすぎぬよ」


 うん?か弱い?可愛い?誰が?


「おぬし、何やら失礼な事を考えておらぬか?」


 俺の横で結界に守られている鬼に睨まれるが、失礼な事は考えていない。

 当然の疑問が頭を過っただけだ。


「別に」


 誤魔化し笑いを浮かべながら、それだけ答えると鬼がフンッと鼻を鳴らす。

 しかし、ポークの奴思わぬ伏兵だな。

 目にも止まらぬ拳の連打に、グレズリーが必至の表情で躱してるが、いつまで持つやら。


「避けるばかりじゃ、わしに傷を負わせることは出来ぬぞ?」

「ははは、避けられる程度の攻撃しか出来ぬくせにほざきよるわ!」


 それは負け惜しみじゃないのか?

 とはいえ、確かに攻勢に転じるには手数が多すぎるな。

 ん?胸に魔力が集中しているな…あれは肺か?


「ならば、今度はこっちから行くぞい!クマクマクマクマクマクマッ!」


 おお、一瞬の隙を付いて、グレズリーが拳の連撃を浴びせ始めたぞ。

 本当に手加減していたのか?

 にしても、冴えない掛け声だ。


「ブタブタブタブタブタブタブターッ!」


 しかも、ポークも手数じゃ負けて無いな。

 全ての拳を受け止め切るとか、結構派手で楽しい戦いをするじゃないか。


「やるな!」

「ふん!お主もな!じゃが、喰らえ!【豚喝(とんかつ)】!」


 ポークのスキルの叫び声がホール全体に響き渡ると、肺に溜められた魔力が音の衝撃波となってグレズリーに襲い掛かる。

 しかも威圧の効果まで乗っているの…割と器用だな。


「ぐっ!」

「足を止めたな?喰らえ【八鬼武打(やきぶた)】」


 さらに筋肉を肥大させた腕で、怒涛の八連撃を放つ。

 右ボディ、左フック、右ショートアッパー、左スマッシュ、右バックスピンナックル、右ローリングフック、左フックからの右アッパーだ。

 なんか、某格闘ゲームに出てきそうなコンビネーションアタックだな。

 というか、全弾もろ直撃のグレズリー大丈夫か?


「流石は拳聖じゃのう…ちょっとだけ効いたわい。じゃがお陰で目が覚めた!こっからは容赦せぬぞ!」


 嘘吐け!

 すでに足元がフラフラしてるじゃないか。

 鼻血ブーでそんな上から発言出来るなんて、すげーわ。


「くっ、まさかわしの必殺の連撃を耐えるとは…これは本気を出さねばなるまい」


 めっちゃ驚いてるけど、結構効いてるっぽいよ?

 つーか、ポークも本気じゃなかったのかよ。


「【豚鬼鞭(ぶたきむち)】!【1000kg衝撃(とんどん)】!」


 腰を落としてのしなりのある鞭打をグレズリーの肩に叩き付けると、魔力を一気に手に込めて重力を手に込めたのか。

 重力魔法まで使えるとは、本気で強い魔族も居たもんだ。

 グレズリーの身体が床に埋まっている。


「ぐっ」


 まさか、俺の部下がここまで一方的にやられるとはな。

 少しは良いとこ見せてくれないと、俺が舐められるじゃないか…


「これで終わりじゃ!【核煮(かくに)】!」

「ぐわぁぁぁぁ!」


 決定打だな。

 床に足を埋めて身動きが取れなくなったグレズリーの胸に手刀を突き刺すと、その魔核に高熱の魔力を叩き付けるとか。

 これで生きてる奴なんて居るのかな?

 まあ、あらかじめ核に細工を施しておいて良かったわ。


 ドクン!


「なっ!」


 ドクン!


「何故じゃ!何故、お主の核は動きを止めぬ!」


 ドクン!


「うぉぉぉぉぉ!よくもやりおったのう!」


 予めグレズリーの魔核に圧縮した魔力を込めておいたのだが、魔核が致命的な損傷を受けたらその魔力がグレズリーに供給され、さらに傷も治して超強化まで施すという、死んだと思ったら、めっちゃ強くなって復活する魔法だ!

 その名も【再野人(ピ――)】だ!


「馬鹿な!今までのはなんだったというのだ!その魔力…オウガ様と同等!それ以上か!」

「こうなってしまっては、手加減なぞ到底出来ぬのう?」


 元々手加減どころか、手も足も出なかった奴の台詞じゃないな。

 なかなか、グレズリーも良いキャラしてるじゃないか。


「くらえ、ベアナックル!」


 ああ、お前の技は案外普通なんだな。

 とはいえ、威力は異常だが。

 一撃で今までの分が全てチャラだな。

 凄い勢いで、ポークが吹っ飛んでいって壁に叩き付けられる。


「出鱈目じゃ!ポークが防御すら取れぬとか、お主あの熊に何をしたのじゃ?」

「ちょっと、改造しただけ…なんだけど、やり過ぎちゃったみたいだね?テヘッ!」


 横で驚愕の表情を浮かべている鬼に、ペロっと舌を出して教えてあげると睨まれた。

 なんで?


「ぐっ…くそ、今の一撃で魔力の半分を持ってかれたぞ!」

「まあ、わしがちょっと本気を出せばこんなもんじゃ」


 ポークの言葉に、グレズリーが余裕の回答をしているが、ギリギリだったうえに細工してなかったら負けてたじゃねーか。

 しかも奥の手中の奥の手、もっと強い奴を戦った時に発動する予定だったのにデビュー戦で使うはめになるとか、頑張って改造した俺からしたらトホホな展開だよ。


「くそが!こうなったらお主も道連れにして、姫だけでも守らせてもらう!【無他瘴我夜鬼帝喰ぶたしょうがやきていしょく】!」


 自滅技まで持ってるのか。

 ここまでレパートリーの豊富な魔族って初めて見たわ。

 ポークの身体から立ち上る魔力が、巨大な鬼の姿を形どっている。

 その鬼が大口を開けてグレズリーを飲み込まんと襲い掛かっているが、今のグレズリーなら。


「クマーッ!」


 案の定、気合だけでかき消してしまった。

 さらに、全魔力を放出して満身創痍のポークの顔面に拳を叩き込む。


「グホッ!」


 ポークが血をドバドバと吐いてその場に倒れ込む。

 あの吐血は魔力に生命力を上乗せした技を使った反動か、はたまたグレズリーの一撃で口の中を切っただけなのか…

 決定打は分からないけど、グレズリーの勝ちだな。


「ポーク!」

「兄者!」


 慌てて鬼とピッグがポークに駆け寄る。

 戦闘の間、柱の陰に隠れてひたすら魔力で障壁を張ってくせに、ピッグも手伝えば良かったのに。

 そんな事を思っていると、目が見えなくなったのかポークが焦点の合わない目をして手で誰かを探すような動きをする。

 その手を鬼が両手でしっかりと掴む。


「妾はここじゃ!ポーク、しっかりするのじゃ!」

「ひ…姫様…申し訳ありませぬ…」


 その鬼に対して、ポークが心底申し訳なさげに謝る。

 もはや口を開くのも、大変だろうに何度も何度も繰り返し謝る姿に、文字通り鬼の目にも涙だ。

 鬼の瞳から大粒の涙が溢れる。


「よい…良いのじゃ!其方の覚悟、しかと見届けさせて貰った。安心するがよい、其方だけでは行かせはせぬ」

「兄者!兄者はやっぱり、自慢の兄者じゃ!」

「ピッグよ…すまぬな…偉そうな事を言っておいて、わしもお主同様あの方の部下にすら勝てなかった」

「違…兄者は、わしとは違う!あの熊を追い詰めて本気を出させたじゃないか!わしなんて、手加減どころか相手にすらされてなかった…情けない弟ですまない」

「ふふ…あの世というところがあるなら、もう一度二人で武に励もうぞ…」

「ああ、昔みたいに…毎日組手をして、兄者の武をわしに叩き込んでくれ」

「ならば、妾はその横で二人を見守り続けたいのう」


 うん、感動的な場面だけどさ…死なせねーよ?

 俺がゆっくりと3人に向かって歩き始めようとしたとき、オウキから不思議な魔力を感じ取る。

 オウキはまだ気づいてないみたいだが…


「あ…あの、オウキ様…その角は?」


 最初に気付いたのはピッグか。


「こ…これは!妾の角が金色の光を放っておる!ポーク、喜べ!妾もついに兄者と同じく黄金鬼としての力に目覚めたようじゃ!」


 オウキが立ち上がると、角から溢れ出る魔力が全身を包み込む。

 これって、あれか?進化って奴か?

 ということは、これでベッピンさんに変化したりとか…


 オウキの身体が一瞬、目も眩む程の光を放ったかと思うと、目の前にさらに筋肉が肥大化した鬼の姿が。

 とうとうトップスがはち切れて、豊満な大胸筋が露わに。


「キャッ!」


 なんでそんな声出すんだよ…やめてくれよ…

 それから両手で胸を隠す。


「オウキ様…目は見えませぬが、その巨大な魔力確かに感じ取れましたぞ…立派になられて、わしも安心し…て…」


 あっ、ポークが逝った…やべっ!

 取りあえず、慌ててポークの魂だけは回収する。

 配下のグレズリーが殺した事で、一応献上品扱いになったようで助かった。

 てか、これって魔王の特性かと思ってたけど、俺の固有スキルなのかな?


「ポーク!ポー―――ク!」

「兄者―ーーーーー!」


 2人の悲痛な叫びが、ホールを木霊した。


 いや、復活出来るからね?


「ふふふ…ポークよ見ていてくれ!お主の仇は妾が打つ!まずは元魔王!お主からじゃ!【鬼人砲(きじんほう)】」


 オウキの溢れんばかりの魔力が込められた、衝撃波か。

 結構威力ありそうだな…でも。

 残念、俺の魔法障壁を破るほどじゃなかったか。


「はっ?」

「えええええ…」

「えええええ…そこは、普通喰らうとこでしょう?」


 衝撃波が魔法障壁にかき消されたことでオウキが、口を半開きにして間抜けな表情で呆然としている。

 横で、ピッグが凄く複雑な表情を浮かべている。

 そして、何故かグレズリーにまで非難される。

 やだよ…なんで、わざわざ喰らってやらないといけないんだよ。

 というか、当たった所で傷一つ出来ないんだろうけど。


「こんなの、無理じゃー!」


 再度オウキの悲痛な叫びがホールに響き渡った。


戦闘の描写は苦手ですが、書きたい事は書ききった。

ブクマ、評価、感想頂けると幸せです。

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(仮)邪神の左手 善神の右手
宜しくお願いしますm(__)m
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