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人間に嫌われ過ぎて辛い

9月16日加筆、修正

【あらすじ、お話し→お話】「魔王様、外に人間どもが集まってます」


 側近のサキュバスのエリーが声を掛けてくる。

 この国の配下の中で唯一、直視出来る種族だ。

 見目麗しく、流れるような青い髪と尖がった耳、さらに小悪魔的尻尾とが特徴だ。

 人間離れした美貌に思わずそそられるが、絶対に手を出しちゃいけない気がする。

 だってサキュバスだもん……

 そんな彼女は黒のロングのドレスを身に纏っていて、いかにも魔王の側近ですといった雰囲気を身に纏っている。

 まあ、魔王の身の回りのお世話係だな。


「うむ、参るとするか……」


 そして俺が、この城の主でもある魔王タナカヒトシだ!

 ぶっちゃけ転生者だ。

 魔王の配下による魔人召喚で呼ばれた。

 というか、何やら手違いがあったらしくて魔人の代わりに俺が来た。

 その際に、既に用意されていた魔人の身体に俺の魂が入り込み、そのまま俺の身体として定着した。


 この世界では髪の色や瞳の色の濃さで魔力の量や質が決まるらしく、日本人特有の黒髪、黒目の俺は潜在魔力だけでも最強クラスだった。

 さらに種族は、魔法の扱いに最も長けた種族である魔人になったらしい。

 といっても、肉体的な強さも魔族の中ではトップを誇る魔人。

 進化先は魔神の一つだけだが、すでに魔神を軽く凌駕するレベルの力を秘めている。

 でなんやかんやあって、魔王倒して魔王城乗っ取った。

 てか、この世界魔王倒した奴が魔王なんだって……そこ普通勇者だろ。


 で、この世界……魔王めっちゃ嫌われてる。

 魔族も嫌われてるし、魔物も嫌われてるけど、魔王それどころじゃない。

 蛇蝎の如くって言葉あるじゃん?蛇蝎より嫌いなんだって。

 ゴキブリ以下なんだって……

 最悪だよ……フフフ

 俺、元人間なのに……


 てことで、第一回魔王城開放、魔国祭りを開いて人間招待したわけ。

 世界各国の王国に、魔法で直接招待状を送りつけてさ……

 美味しい食べ物と、面白いイベント企画してますのでご家族様お誘い合わせの上来てくださいねっていったら、いっぱい来た。

 来過ぎ……

 お前ら家族どんだけいんだよ!

 10万とかって規模じゃない。

 見た事の無い人の量が集まってるぞ!


「魔王様、いかが致しますか?」


 部下のリザードマンエンペラーが声を掛けてくる。

 リザードマンの皇帝位っていう変異種の中でも特上の種類らしくて、護衛兵長してるやつ。

 喋る蜥蜴気持ち悪い……絶対俺より気持ち悪い。


 ちなみに、俺いま老人の姿してる。

 威厳出るかなって。

 あと魔力強すぎたから、自分に老化の魔法使って出力下げてるの。


「ここは、せっかく集まってもらったのじゃから、わし自らが挨拶に赴こう」


 俺の言葉に周囲の気持ち悪いやつらが沸き立つ。

 基本魔族って気持ち悪いやつ多いしな……


「あのような低俗な輩に、魔王様自らがお相手することはありませんよ」

「そのような考え方が、彼我の間に溝を作って争いが絶えぬのじゃ。まずはトップが歩み寄ることから始めぬと」


 キモい、山羊の骸骨頭のおっさんがなんか言ってくるが、俺は人間と仲良くしたいんだ。

 そう言うと、俺は周りの制止を振り切って魔王城城下町を覆う外壁の上に立つ。


「よくぞ集まってくれました人間の皆さん。今日は是非この催しを楽しんでください。」


 おおおおおおおお!


 凄い大歓声だ!

 これは好感触だ!


「本当に魔王が出てきたぞー!」

「降りて来いや、このクズ野郎がぁ!」

「ぶっ殺してやるから、さっさとこいやー!」

「テメーよくも面出せたなこらー!」


 あれっ?反応がおかしい。

 降りて来い?確かに招待しておいて上から喋るのはダメだったかな?

 ていう次元じゃない罵倒も聞こえるような。


「静まれ!」


 おっ!なんか偉そうな奴が出てきた。

 あれ、国王ってやつだな。

 どこの国のだろう?


「わしは、この100万からなる連合軍の主国グンジーンの大将軍タイショーと申す!今回は貴様を殺す機会を与えてくれて感謝しておる!わしからは以上だ!」


 はっ?えっ?祭りって言ったよね?

 食べ物も用意してるって伝えたはずなのに。

 連合軍ってなにそれ?祭りに来るのに必要なの?


「お前、英雄タイショーが声掛けてんだ!とっとと殺されにこいや!」

「死んだ!お前死んだぞ!」


 うわあ……

 これ完全に俺殺しに来てんじゃん。

 てか100万人とかマジ無理じゃん。

 世界中の総戦力集まってんじゃん……


「えっと、あの今日はお祭りでして。皆様にぜひ楽しんで頂こうかと。」


「へいへい、じじいビビってんじゃねーぞ!」

「お前をこの人数で殺れるかと思うと、そりゃさぞかし楽しかろーよ!」

「いいからとっとと降りてこいや!」


 えぇぇ!

 どんだけ嫌われてんの俺。

 てか今までの魔王、何してきたの?


「いや、だから純粋に楽しんで頂くために来てもらったわけで。」

「ごちゃごちゃうるせぇっつてんだろ!」

「このゴキブリ野郎が、早く潰されにこいや!」

「この童貞腐れインポ野郎!」


 ブチッ!


「童貞とか、いま関係ないじゃろーが!死ねやクズがぁ!ヘルファイア―!」


 次の瞬間巨大な爆発が起こったかと思うと、約半径500mくらいに渡って兵士が消滅した……というか蒸発した……ちなみに俺は童貞じゃないぞ!

 童貞じゃ無いぞ……


「うわぁぁぁ!」

「やっぱり魔王だー」

「無理無理無理無理!」

「おかーちゃーん」


 阿鼻叫喚だ……

 あまりの酷さに、一瞬で冷静にというか青くなる俺。

 まさに地獄絵図……だって本気出した事なかったししょうがないよね?テヘッ!


 あっ……レベルアップが鳴りやまない……

 そっかー、魔族って人間倒したらレベル上がるのかぁ……

 人一人経験値1だとしたら30万人は死んでるなー……

 まぁ、実際は人によりけりなんだろうけど、3万人くらいは消えた気がする……2万5000㎡として、東京ドームの約半分……あそこって5万5千人入るんだっけ?

 人一人で経験値平均10くらいか?

 あれ観客席だけ……あー数えるのもメンドクサイ。


 そして、蜘蛛の子を散らすように去っていく兵士たち。


「待て、お前らわしをおいて逃げるな!」


 タイショーが慌ててそれを追いかける。


 どうしてこうなった……


「流石魔王様です……人間を油断させて集めて一網打尽にされるとは……」


 五月蠅いよ蜥蜴!


「うぅ……わしは人間と仲良くしたかったじゃけなのに……」

「もう、だから言ったじゃないですか魔王様!人間は簡単には変わりませんよって……」


 俺は今エリーの膝に顔を埋めて泣いている。


「じゃって……じゃって……」

「はぁ……悲しかったのですね……お可哀想に……」


 そんな俺の頭をエリーが優しく撫でてくれる。


 てか、サキュバスくらいしかまともな人型しかいないこの城……辛い……


第一部完結してます。

修正作業中ですので、おかしな部分もあるかと思いますが今しばらくご容赦をm(__)m(2016/9/16)

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(仮)邪神の左手 善神の右手
宜しくお願いしますm(__)m
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