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プロローグ

「始めに注意しておくが、君は加護を得て異世界に行くわけではない。勇者の様に身体能力が劇的に上がる訳でも無く、無限の魔力を得る訳でもない。君は君だ。それでも、異世界に行くかい?」


 黒のスーツを着た怪しげな男がそう言ってきた。


「はい。お願いします」


 少年、須山すやま けいは臆する事なく答えた。


「わかった。君の決意は固いようだね。理由は聞かないけど、今日の事を後悔だけはしないようにね。先輩からのアドバイスだ」


 男はそう言いながら、手元の鞄から1枚の紙を取り出してそれを圭に渡した。


「それが異世界への切符だ。どこでもいいから扉に貼って開ければ異世界に繋がる。あとは中に入ればいい。ただし、その切符は片道分だ。この地球には帰ってくる事は出来ない。もし帰りたいなら自力で頑張るしかない」


 圭は受け取った切符を見つめて、男に頭を下げた。


「ありがとうございます」


「どう致しまして、と言いたいがその切符が繋げる異世界は俺もわからない。地獄のような世界だったり、アニメのような世界かもしれない。君の要望に応えれるものでは無いだろう。それでも君は行くのだね?」


「はい。もう僕の居場所はありませんから」


 圭の両親は有名な家の人間だった。しかし、父と母の実家同士は仲が悪い。両親は駆け落ちして結婚したほどだ。

 両親は本当に仲が良く、いつまでもラブラブだった。その両親から大切に育てられた圭も両親が好きだった。

 しかし、1ヶ月前に両親が事故で亡くなった。その事故も不審な点も多く、実家の手の者がしたのだと葬式の時に出会った母の妹にこっそり教えて貰った。

 母の妹は唯一の味方だと両親が言っており、困ったら妹を頼るように小さな頃から言われていた。

 そんな妹さんから、圭を消す計画があることも教えられた。両親と圭が居なくなれば両実家はその責任を相手側に追求し、力を削ぐ計画らしい。


 その事を聞いた圭は両親の残した様々な力を使い、目の前の男にたどり着いたのだった。


「そうか。君の未来が明るい事を願っているよ。それじゃあ、俺も行くよ。《永久の旅人》は旅をしないといけないからね。もし君の行く異世界が俺の旅先と交わったらまた会うかもね」


 そう言った男は手を振りながら消えていった。


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