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誕生石へのエチュード  作者: なつ
第七章 ダイヤモンドとアクアマリンはいつも一緒に
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 篠塚桃花の胸元でペリドットをあしらった宝石が揺れている。夏休みが始まって芹沢雅が合宿から帰ってきてから計画した今回の催しは、紆余曲折があったものの成功した、と言えるだろう。甲斐雪人のものの考え方、行動を一緒に見ることができたし、トレースすることができた。桃花にとって、止まっていた時間が動き出した、と言えるだろうか。否、進みすぎていた時間が、遅くなった、というほうが正しいか。

 ただ一つの誤算といえば、芹沢菫が戻ってきていたことか。菫が厄介な事件に首を突っ込んでいることを桃花は知っている。世界中を旅していて、まるで桃花と正反対だ。それが日本に戻っているということは、厄介な事件が日本で起きたのか、これから起きるのか、考えるだけで気が滅入る。

 桃花は首を振ると、もう一度プレゼントに添えられていたメッセージカードに目を落とす。


 18歳の誕生日おめでとう。

 心をこめて。

 甲斐雪人。


 短いメッセージには甲斐の字でそう書かれていた。



 

 最後までお付き合いいただきましてありがとうございます。「タナトスと戯れる夜」に出てきたお芝居サークルのメンバーが事件そのものを演じてました。分かりにくいと思っていたので、かなり初期から本物の「芹沢菫」と彼女を演じる「鈴木愛弥」の体型の違いを強調してたつもりですが、通じてたでしょうか? 不安です。

 芹沢菫は以降の事件にも登場してくる予定ですので、嫌われないことを祈っています。


 なつでした。


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