果たし状を開いたら人生設計が始まった
旧校舎裏。
夕方。
風。
ーーー
不良 「果たし状の相手は⋯透ってやつか。」
不良 「腕が鳴るぜっ!」
(間)
ーーー
女の子 「来てくれた!」
不良 「女かよっ!」
透 「私、透!よろしく!」
不良 「手紙の枠関係なしの暴れた字書きやがって!どこのヤンキーかと思ったわっ!」
透 「褒められた!」
不良 「褒めてねぇ!」
透 「言いたいことがあって呼んだ!」
不良 「手紙にそのまま書けっ!」
透 「それじゃ伝わらない」
不良 「何がだよ!」
透 「好きぃぃぃーーー!」
不良 「会話のドア蹴破るな!!」
透 「結婚しよう!」
不良 「段階踏めっ!」
透 「踏んだよ」
不良 「どこを」
透 「階段」
不良 「物理じゃねぇ」
透 「誤差の範囲!」
不良 「広すぎるっ!」
透 「昨日」
不良 「何があった!?」
透 「雨の日濡れた子犬を拾ってたの見た!」
不良 「十億万回漫画で見たシチュエーション!」
透 「だからいいと思った」
不良 「発想がテンプレ依存すぎる!!」
透 「今日、可愛いって言ってくれるように髪も巻いてきた!」
不良 「悪役令嬢みたいな髪型、リアルで初めて見たわっ!」
透 「お母さん頑張った!」
不良 「親かよっ!」
透 「朝5時から巻いてた」
恒一 「親の気合い重っ!!」
(間)
透 「⋯私、足手まといにならない」
恒一 「急に真面目だな」
透 「50メートル6秒だし」
恒一 「速っ!?」
透 「絡まれても逃げ切れる」
恒一 「逃走性能高ぇな!?」
透 「でも100メートルは26秒」
恒一 「後半弱っ!!」
透 「体力ない」
恒一 「致命的!!」
透 「だから長距離の時は守って!」
恒一 「足手まとい!」
透 「あと硬筆初段!」
恒一 「じゃあ何であんな字になる!?」
透 「気持ちが溢れた」
恒一 「墨で感情爆発させるな!!」
透 「⋯刺さらなかった?」
不良 「⋯全く」
透 「じゃあ何なら刺さる?」
不良 「知らん!!」
透 「こういち?」
恒一 「距離縮めるな!呼び捨てるなっ!」
透 「好感度足りない?」
恒一 「ゲーム形式で来るな」
透 「今どれくらい?」
恒一 「マイナス」
透 「生きてるだけ偉いのに?」
恒一 「自己肯定感の出し方強ぇな」
透 「攻略難しいタイプ?」
恒一 「人間を攻略扱いするな」
透 「でも人生って選択肢だよ?」
恒一 「急に哲学やめろ」
透 「じゃあ選んで」
恒一 「何を」
透 「私」
(間1拍)
恒一 「重いんだよ!!」
透 「軽く言う?」
恒一 「できるのか」
透 「好き」
恒一 「言い方変えただけじゃねぇか」
透 「好き」
恒一 「回数で殴るな」
透 「好きぃぃぃーーー!!」
恒一 「戻ったぁぁ!!」
(間)
恒一 「……無理だろこれ」
透 「結婚?」
恒一 「会話だ」
透 「効率的だよ」
恒一 「どこがだよ!!」
透 「同時進行できる」
恒一 「破綻してる!!」
透 「で、返事は」
恒一 「断る!」
透 「理由は?」
恒一 「疲れるっ!」
透 「ちゃんと反応してくれてるってことだね!」
恒一 「ポジティブすぎる!!」
透 「じゃあどういうのが正解?」
恒一 「今、女なんか必要ない」
透 「じゃあ予約する」
恒一 「何をだよ!?」
透 「将来」
恒一 「人生を予約システムにするな!!」
(ため息)
恒一 「……今日は帰る」
透 「また告白していい?」
恒一 「する前提かよ」
透 「うん」
恒一 「……好きにしろ」
透 「やった」
恒一 「何もOKしてねぇ」
透 「ねぇ」
恒一 「まだあるのか」
透 「結婚プラン考えといて」
恒一 「考えねぇよ!!」
透 「式は雨の日がいいと思う」
恒一 「そこ固定すんな!!」
透 「子犬も参加」
恒一 「なんでだよ!!」
透「私達のキューピットだから」
恒一「仲人席!?」
透 「家族写真も一緒に撮りたい」
恒一 「話が進みすぎて怖ぇよ!!」




