第64話 王都1
エンシャントドラゴンのことで、ベッドの中で興奮していろいろ試していたら夜更かししてしまった。それで寝付いたと思ったらすぐに朝になった。
ぼーとした頭で昨夜のことを思い出しているうち目が覚めたので顔を洗って支度をし、隣の部屋の三人を誘って食堂へ行く。
「みんな、おはようございます」「「おはよう」」「「おはようございます」」
「アンジェラさん、食堂に行く前ちょっといいですか? みんなは先に行っててくれるかい」
ヒギンスさんとシャーリーは「???」の顔をしてたけど、二人にはドラゴンの話はしてないのでややこしくなりそうだから先に行ってもらった。アスカは当然俺の後ろにいる。
「アンジェラさん、昨夜、大変なことに気付いたんです」
「大変なことって何?」
「実はですね、何とこの前のドラゴン、エンシャントドラゴンだったんです」
「本当なの?」
「はい。間違いありません」
「それなら、何とかして血が採れればエリクシールの材料になるじゃない。後は、すごい魔力を持った人を探してマナポーションをがぶ飲みさせればエリクシールが作れるわよ」
「それがですね、十分な魔力を持った人なら心当たりがあるんです」
「そうなの? それならその人のところにすぐ行きましょ。知人のところに行くのは後でいいからわたしも行くわ。もしかして、その人キルンにいるの?」
「いえ、すぐ近くです。アンジェラさんの目の前に」
「あなたなの!?」
「はい」
「いったいいくつあるの? あなたの魔力」
「最近調べてないんでアレなんですが三千は余裕で」
「いったいアンタ何なの! Lv50の人でも魔力は三百くらいなのよ。そのLv50の人だってそんなにいないの」
「魔力の多い人? みたいな?」
「何ふざけたこと言ってんの! ショウタ、いくらなのあなたのLv?」
「700ちょい? くらい」
「700!? あのね、嘘か本当かは分からないけど、王国最強と言われてる今の第1騎士団の団長でさえLv80ないって自分で言ってたそうなのよ!」
「それじゃあ、自分で私のステータス見てくださいよ」
「じゃあ見るわよ。『ステータス鑑定』…え! 何にも見えないじゃない。どうなってんの?」
「おそらく、Lv差があり過ぎるからじゃないですか。最近見てないんで自分で確認してみます。『鑑定』」
名前:ショウタ・コダマ 十六歳
LVL:785―>786(1UP)
職業:収納士 Lv5/5
種族:ヒト族
物理防御力:789(1×786+11)(1UP)
魔法防御力:789(1×786+11)(1UP)
PA 3925/3925(自然回復+2%/1分)(5UP)
MP 3985/3985(5UP)
スタミナ 3960/3960(自然回復+2%/1分)(5UP)
体力 193/193(1UP)
精神力 200/200
素早さ 200+13/200
巧みさ 207+13/207
運 163
スキル:収納Lv10/5、走行Lv1/5(NEW)
称号:スキル限界突破者、深淵の迷宮踏破者、第1の深淵の迷宮ダンジョンマスター
加護:収納神の加護
特殊:「第1の黒の書」接続済、Lv4までの呪い無効
走行1/5:悪路での走行がたやすくなる。走行で疲労しづらくなる。走行速度が増す。
うあー、あれだけいろいろ斃して、Lvが1しか上がってない! 俺のスキル欄バグってんじゃない?
あれだけポーションを作った(素材を手渡し、ポーション瓶を並べアスカを励ました)のに錬金術がない!
あれだけ、扱かれた杖術がない!
駆けまわってたのだけ評価されたようで、走行が生えてる。
「Lvは786、MPが3985です」
「!!!」
「そういうことなので、場所さえあればすぐにでもエリクシールが作れるんじゃないかと思うんです」
「わかったわ。さっきも言ったように知人のところに行くのは後にして、まず作業できる場所を何とかしましょう。上級錬金セットは持ってるんでしょ? 後の話は食べながらでもいいわ。みんなも待ってるでしょうから」
「分かりました」
食堂に行くと、先に来ていた二人が俺たちの分も頼んでくれていたようで、すでに並べられた朝の定食をいただく。
「「「「「いただきます」」」」」。我が家になじんだ、アンジェラさんも揃えてくれる。
「私は友達のところに行くって言ってたけど後にするわ。連絡取りあってたわけでもないから、いないかもしれないし。だからみんなと一緒に付いて行くわ」
「それでしたら、ここから出てる乗合馬車で、中央市場まで一緒に行きましょう。ヒギンスさんを送り届けて荷物を置いたら、港見物は諦めて、商業ギルドかな? キルンの商業ギルドのリストさんから貰った紹介状もあるし」
「商業ギルドならちょうどいいわ。食べたら早めに出発よ」
アンジェラさんもやはり、エリクシールは気になるよね。




