↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
真・巻き込まれ召喚。 収納士って最強じゃね!?  作者: 山口遊子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

422/449

第422話 武術大会10、サヤカとモエ


 サヤカとモエが第2騎士団の訓練場を使った武術大会会場に入って階段席の前の通路を歩きながらきょろきょろしていたら、階段席の後ろに張りだされているトーナメントの組み合わせ表が目に入った。


「ずいぶん大きな大会ね。ここからだとトーナメント表がよく見えないわ。『祝福《ブレス》!』」


「モエ、ずるーい。わたしにもそれしてよ」


「サヤカもトーナメント表みたいの?」


「別にそんなのはどうでもいいんだけど、それされるとすごっく気もちいいから、してもらいたいの」


「はいはい、分かったわよ。それじゃあ『ブレス!』」


「ふー、きもちいーー」



 自分自身とサヤカに『祝福《ブレス》!』をかけて視力を向上させたモエがトーナメント表を見て驚いた。


「あれ、あれ? サヤカ、サヤカ! 大変」


「モエ、どうしたの?」


「サヤカ。あのトーナメント表の左側の一番上の名まえが見える?」


「それは見えるわよ。えーと、『ショウタ・コダマ』って書いてあるよ」


「そう読めるよね。『ショウタ・コダマ』って児玉翔太そのままじゃない?」


「そんなわけないじゃない。だってあいつがゆくえ不明になってもう一年以上たつじゃん」


「でも」


「しあいに出てきたら本人かどうか分かるんじゃない? あたしはもうあいつの顔はほとんど覚えていないけれど、モエはおぼえてるんでしょ?」


「いちおうは覚えている」


「それなら、シードみたいだから、もうすぐ二回戦が始まって最初あたりに試合にでてくるんじゃない?」


「どこの試合場でその試合があるのか分かる?」


「だれかそこらの人に聞いてみればわかるかもしんないよ」


 モエがちょうど通りがかった男の人に声をかけて尋《たず》ねたところ、南西にある第1試合場でまもなく第二回戦の最初の試合である第1シードの試合が始まるということが分かった。


「サヤカ、あっちの試合場でもうすぐ始まりそうだって。急ごう」


「まえまえから思ってたんだけど、モエってやっぱりあいつに気があったんだね」


「そんなわけないじゃない。サヤカは考え過ぎよ。気があるんじゃなくて、気になってただけ」


「それってあんまりかわりないんじゃない?」


「そんなことはないわよ。サヤカ急ぐわよ」


「はいはい」


「もー」



 階段席の前に設けられた通路を急いでいくと、南西の試合場では、ちょうど前の試合が終わったところだった。


 立ち見の人はあまりいないのだが、帽子をかぶっていると後ろに人がいると迷惑なので二人とも帽子をとって、階段席と階段席の間の辺りに陣取ることにした。


 そうやって次の試合を待っていたら、足元の通路の下に設けられていた控室《ひかえしつ》から、選手が出てきた。


 一人はこげ茶色の革鎧に身を包んだ大柄のおじさんで武器は両手持ちの大剣。見るからに戦い慣れたベテランといった風体《ふうてい》だ。


 そしてもう一人は、カーキ色の半そで半ズボンを着て不似合いなこげ茶の長靴をはき、武器として長めの木の棒を持った坊主頭の若い男だった。


「ちょっとおかしな感じに見えるけれど、よく見ると、児玉だよ」


「あれ? あのぼうず頭、あれって今までなんどか見たことがあるような」


「そういえば、見たこと有るような気もする。それはそれとして、あいつが死んでいなかったのは良かったけれども、何で第1シードなの?」


「キルンのダンジョンでテレポーターにかかってゆくえ不明になったけど、い外と浅いところにとばされて助かったんじゃない? 第1シードなのはふつうに考えたら、一番つよいからだと思う」


「魔術もほとんど使えないし、武術の訓練もしていなかったけど、なんとかダンジョンから一人で助かって、その後知らない間にすごく強くなったってこと?」


「そうなんでしょ」


「サヤカ、あなたあっさりしすぎてない?」


「だって、じっさい、目の前に立ってるじゃん。じじつはじじつよ」


「じゃあ、生きてるなら何で連絡を寄こさないの?」


「モエ、そりゃあ、わたしたちがあいつをバカにしてたからよ。あんただってバカにしてたじゃない。そんなところにれんらくしたいって思うわけないじゃん」


「……、謝ったら許してもらえるかな?」


「きらっている人間がよってくれば、つよくなった自分にこびてるだけと思われるんじゃない」


「そうよね。……」




 二人がそういった会話をしている間に、試合が開始された。


 最初双方にらみ合いの展開だったが、結局いくらもかからず大剣選手はショウタの棒の一撃を受け、そのまま敗退してしまった。


「いまの突きがサヤカには見えた?」


「見えなかった」


「やっぱり、本当に強いんだ」


 階段席に座っていた観客からの声援と拍手が一段と大きくなった。その中から、


『さすがはコダマ伯爵、余裕だったね』


『まだ二回戦だけど、全く危なげなかったな』


『やっぱ史上初のSランクの冒険者は格が違う』




 などという言葉が聞き取れた。


「ねえ、『コダマ伯爵』とか言ってたけど」


「『Sランクのぼうけん者』とかも聞こえたよ」


「じゃあ、今の試合に出てたのは誰?」


「名まえはショウタ・コダマ」


「顔は、やっぱり児玉翔太だった」


「「いったいどうなってるのー?!」」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。