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真・巻き込まれ召喚。 収納士って最強じゃね!?  作者: 山口遊子


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第193話 飛空艇2号艇


 建造中だった飛空艇2号艇がついに完成した。


 今日は試験飛行の日だ。アスカと俺は、イエロー四人娘を伴ってボルツさんの工房に来ている。


 昨日、フォレスタルさんのところから工事の人がやってきて、工房の中で完成した2号艇の上の屋根を取り払っている。


2号艇の要目(ようもく)を再度上げておくと、


飛空艇2号艇

全幅:25メートル

全長:30メートル

 うち胴体部全長:15メートル

 うち尾部全長:15メートル


胴体部最大厚:4.5メートル


上昇限度:1800メートル

速度:巡航時、時速300キロメートル(高度1200)。最大400キロメートル(高度1500、オーバーブースト30分)

航続距離:6000キロメートル(巡航20時間)


本体重量:30トン

離昇加重:38トン

(搭載荷重:8トン)


主機:改良型魔導空気加速器×4(吸気を加速し、排気として出力する)

補助:改良型小型魔導空気加速器×4(方向転換、主機の補助として使用)

改良型魔導空気加速器:スカイ・レイでは汎用(はんよう)魔導加速器を使用していたが、吸気口を大型化し空気専用に改造。出力が増大した。

さらに、内部で吸気を加熱し吐き出すことで出力がさらに上昇。しかし、燃費(ねんぴ)は低下。


使用動力源:レベル3以上のモンスターの魔石×8+(低レベルモンスターの魔石が使用できるよう改良・改造の必要がある)


「ボルツさん、それでは行ってきます」


「みんな、頼むで」


 ボルツさんに挨拶あいさつし、アスカと四人娘とで飛空艇2号艇に乗り込んだ。


 操縦士にアスカ、副操縦士は、リディアが務める。


 その様子を、俺と残りの三人が後ろから見ている。




「これより。離陸試験始めます」


 今回も最初は離着陸試験と水平速度試験を行う予定だ。工房の扉や窓、そういったものは全て開け放たれ、工房内も噴気で飛ばされそうなものは全て片付けられている。


「メイン魔導加速器、噴出方向、下方にセット確認」


 操縦士のアスカの言葉にリディアが魔導加速器からの噴気の方向を示す矢印が下を向いているのを確認して答える。


「確認しました」


「メイン魔導加速器、起動。出力上げます」


 アスカが両手で太目のレバーを4本同時にゆっくりと手前に引いていく。飛空艇の床からの振動が高まって、風が巻き起こっているのが分かる。


「飛空艇離昇出力まで、70%、75%……100%。離昇(りしょう)


 キャノピー越しに見えていた工房の壁がすぐに下に流れて見えなくなり、そのあとは塀の先の街の景色がゆっくりと下に流れていった。下の方で建屋の前の広場に出たボルツさんと手伝い(今は整備員と言っている)、の二人が見上げている。


「離陸成功。出力105%、110%、115%、出力120%。出力維持」


「補助加速器噴気方向下向き、起動。最高高度1800メートルまで上昇を続けます。 高度50、75、100。着陸脚収納」リディアが補助加速器を操作する。


 カタカタ音がして四本ある着陸脚が艇内に引き上げられていく。


 すぐに着陸脚の収納完了を示すように対応する指示器の矢印が上を向き赤色から緑色に変わった。


「……高度1750、1775、1800。最高高度確認。補助加速器停止。メイン魔導加速器、出力100%に落とします」


 今日は雲一つ見えない快晴だ。飛空艇は工房で建造されたままに西を向いているので、王都の中心方向は逆になる。西の山並みが遠くに見え、その先の山並みもかなり遠くに見えた。


「水平速度試験開始」


「補助加速器水平方向に噴気方向をセットしました、確認。

 補助加速器起動。出力20%、30%、50%。

 翼部の揚力に合わせメイン魔導加速器の出力調整お願いします」


「了解。水平飛行を続けます」


「速度、150キロ。メイン魔導加速器出力20%。これより、メイン魔導加速器の噴気方向を後方にセット」


 カタカタカタと機械音が足の下からする。


「高度を1500まで降下」


 徐々に飛空艇の高度が下がってきた。


「高度1500、水平飛行に移行」


「メイン魔導加速器、出力上げます。25%、30%、40%……100%。巡航速度300キロで安定。さらに加速。出力110%、120%。速度350、375、400キロ。最高速度確認。速度を落とし、左旋回して帰投」


「了解。左旋回して帰投」


 右舷の噴気口からの補助加速器の噴気により飛空艇が大きく左旋回する。前方に王都を囲む運河と外壁に囲まれた街並(まちな)みが見えてきた。



「ボルツ邸上空。降下開始。着陸脚展開」


「着陸脚展開します」


 カタカタ音がして着陸脚が艇外に展開されたのだろう、着陸脚指示器の矢印が下を向き赤色から緑色に変わった。


「着陸脚展開完了、確認しました」




 軽い振動が走り飛空艇は停止した。


「着陸成功。リディア、ごくろうさん」


 試験飛行は無事成功した。


 そのあとは、屋敷で用意した料理と飲み物で宴会が始まったわけだ。

 

 完成した飛空艇2号艇については王都とキルンの間を週2回往復で旅客運航に就役(しゅうえき)させる予定だ。2号艇の名前をどうしようか考えたのだが、今後の飛空艇の商業展開も考え『ボルツR2型1号艇』愛称は『ボルツン・ワン』とすることにした。ボルツさんは自分の名前が付くことに照れていたが、結構嬉しそうだった。飛空艇1号艇を『スカイ・レイ』と名付けたが配慮(はいりょ)が足りなかったと少し反省したが、少しだけだ。『スカイ・レイ』の方がカッコいいもんね。



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