後編∞∞
前編の「強化人間」にルビを追加しました。 後で決めようと思ってて忘れてたよ(;゜ロ゜)
広大な宇宙を飛ぶ星間船「ステラ・リリカ」の中で、ラヴィーネ・アルターイルは相も変わらず、仮想空間「A.R.I.A.」を満喫していた。
あれからあの少女が現れる事はない…………なんて事はなく、むしろ「A.R.I.A.」に入るといつの間にか現れ、いつの間にか居なくなっている、正しく制御ユニットの言う所の背景データの様な存在になっていた。
近寄れば居なくなる。
近寄らなくてもそのうち消える。
本物に直に触れた事はないが、猫の様な存在なのだ。
勿論、侵入者である可能性は未だに否定しきれないものの、その可能性は低いと彼女も織姫も判断していた。
実際、ラヴィーネから見て、この少女は外見通りの「女の子」だったのだ。
「A.R.I.A.」の中の草原を歩く、走る。
色取り取りの花を見ては顔を綻ばせ、そんな草花の中へ身を横たえた。
何かしているかと思えばそんな草花で花輪を作り、それを手にして走っては転び、それでも笑っていた。
微笑ましい。
昔、スクラップから再生させた映像。 そのワンシーンを見ているかの様な郷愁感。
自身にはそんな思い出はないはずなのに、何処か、何故か懐かしく思う。
そんな少女を見ながらラヴィーネは何処からともなくコーヒーを取り出した。
彼女の電脳は「A.R.I.A.」と直接交信も出来る。 メンテナンスなどは織姫任せで、ログ攫いなども自身で行う事はないが、この程度の事は言葉を口にしなくても出来るのだ。
手にしたのは熱いブラックコーヒー。 銘柄などはよく判らないが、今まで飲んだモノのうち、気に入ったモノを読み込むのである。
何にせよ、この程度の嗜好品でも船では多少節約する必要があるのだが、「A.R.I.A.」なら好きなだけ楽しめるのも利点だ。
ズッと、熱いそれを少し口に含む。
苦味と、その中にある酸味のバランスが丁度いい。
深く、息を吐き出す。 カップから上がる湯気が草原の空気に広がった。
「…………」
ふと気づけばラヴィーネのすぐ側に少女がいた。 まるでコーヒーの香りに釣られてきたかの様に、じっとラヴィーネを見ている。
「おや? 珍しい、というかここまで近づいてきたのは初めてね、お嬢さん」
彼女の、若干皮肉交じりの言葉に、しかし少女は何も応えず首を傾げた。
その様子はまるでこちらの言葉が解っていないのか、音声が届いていないのか、その様な感じに見える。
「コーヒーが飲みたいの? でもキミが外見通りの年齢ならこれは苦すぎると思うよ?」
ラヴィーネはすぐ側に瀟洒なテーブルとお菓子類を「設置」し、少女へ指し示した。
白く小さなテーブルの上には、クッキーやチョコレートなどのお菓子や果物で満載された籠が置かれ、食べて食べてとアピールしている。
綺麗で可愛らしいそれらを見て少女が目を輝かせるのがわかったラヴィーネはそっとテーブルを押しやった。
――今時は人工物じゃないと見る事のない様な黒い長髪と黒い瞳。 着ているモノは十五世紀は昔の代物に見える服だが、所謂貴族的なドレスではなく庶民向けの服。
変身願望のある何処かのお嬢ちゃんの様に見えるが、そんな単純な相手じゃない事はラヴィーネも織姫も解っている。
少女はお伺いを立てる様にラヴィーネに視線を向け、彼女が頷くとぱっと笑顔を見せて菓子を頬張り始めた。
その様子は何処をどう見てもただの子どもの様にしか見えない。
警戒していた自身が馬鹿らしくなり、ラヴィーネは苦笑する。
「全く……何者なんだろうね、キミは」
答えを期するものではなく、ただの独白の様に呟く。
しかし少女はその言葉に反応した。
一見無表情にも見える固まった顏をラヴィーネに向けたまま一時だけ、まるで動作停止したかの様に見つめる。
「……キミ……?」
「…………アリ……あ……」
そう言って、少女はすーっと宙へ消える。 ただの1ドッドの痕跡も残さずに。
「……織姫。 今のは確認出来た?」
中空へ呼び掛ける。
星間船「ステラ・リリカ」の制御ユニット「V.E.G.A.」は優秀なファイアウォールを持ち、自己進化すら可能なAIだが、未だにこの少女の痕跡を捉えられないでいた。
『はい、Master。
相変わらずログには残っていませんけど、確かにアリアと聞こえました』
「この『A.R.I.A.』と関係があるのかな?」
彼女の知るアリアは「A.R.I.A.」くらいだ。
そうではないアリアは多数あるのだろうが、それのどれかが少女の言う「アリア」だとは思えない。
勿論、偶然の一致、ただの固有名詞である可能性もあるのだろうか?
『現状では予想すらも立てられませんが、冗談が冗談ではなくなったのかもしれませんね』
「冗談って……」
『あの子を初めて見た時、霊ではないかと』
「『A.R.I.A.』と関係があるならむしろプログラムミスの方でしょ?」
『ですがバグというには……人格がある様に見えるのですが』
そう言われるとラヴィーネも納得する部分はある。
少女の行動や動きは人間的すぎた。
少なくともバグで発生した背景と言うには完成度が高すぎる。
その高すぎる完成度の少女が食べ残したお菓子を見て、ラヴィーネは苦笑するしかないが。
「もう少し、積極的にコンタクトをとってもいいかもしれないわね」
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それから少女は「A.R.I.A.」に現れてはラヴィーネの用意した菓子類を食べる様になった。
話しかけると必ず消える、という事はないものの姿を消す傾向が強い為、中々交流らしい交流が取れないという実情ではあったが……。
この数日で判った事と言えば、彼女が甘いチョコレートの様な菓子よりもスパイスの利いたクッキーを好んでいる事と、彼女の名前が「アリア」ではない事くらいである。
多分、名前自体はそれに近いのだ。
反応しかけるものの、自分ではないと、思い止まる感じなのである。 なのに彼女が言葉を発したのはアレ以降は全くないという、何とももどかしい状況であった。
ちなみに適当に言った名前で正解を当てる、等というやり方は織姫に却下されている。
バグか、AIか、それとも幽霊かは未だ判らない少女だが、それは余りにも失礼だとの言である。
それでも積極的に交流を、と言う事で織姫自身も「A.R.I.A.」の中では人型を使い、彼女と接触を試みてはいたがその結果は余り芳しいものではなかった。 芳しくないと言ってもそれは主人と大差のないレベルではあるが。
そんな彼女のアバタ-は薄い青を基調にした、若干機械的な雰囲気を持つ美女である。
空色の長髪、ラヴィーネより薄い蒼の瞳。 その瞳は何処か無機質的だが、彼女がリアルで使用する外部ユニットはもっと人間味のある外観をしていたりする。
彼女の「A.R.I.A.」内でのアバターは少し「遊び」の入ったモノなのだ。
今日も明日も明後日も、この「A.R.I.A.」の中では同じ様なやり取りを繰り返しつつ、それでもこの正体不明の少女と距離を縮めていける、そんな予感を感じていた。
そんな時だった。
「――Master! グリッチ! ――いえ、世界破壊者ですっ!」
その侵入に気づけなかった、星間船ステラ・リリカの制御AI「V.E.G.A.」織姫が悲痛な叫びを上げた。
∞∞∞∞∞∞
仮想世界に対する犯罪者は主に二種類いる。
主なのがWorldの一部を、またはそっくり乗っ取り、売り捌く簒奪者タイプだ。
乗っ取ると言っても物理的に奪うのは非常に難しいものである為、コピーして売っているのが大半だ。
物理的に奪うなら、ラヴィーネに対しての場合、彼女の星間船ステラ・リリカ自体を奪う必要がある。
簒奪者タイプの犯罪者達は位相偏移者、または脳内蛭などと呼ばれるもののちょっとしたバグと蔑称で呼ばれる事の方が多い。
物理的に奪う方なら追い剥ぎと呼ばれる。 宇宙を飛んでいるのに藪から出てくると言われるくらい時代錯誤な連中だ。
もう一種類が織姫の言う世界破壊者。
仮想世界Worldを壊す事に喜びを見出した、はた迷惑な一定数がいるのである。
雑音などとも呼ばれる最高に面倒な連中なのだ。
ちなみにかつて流行ったとされるウィルス感染からの現金強奪、というのは現在ではほとんど行われていない。
そんなモノは専用のAIに任せておけば簡単にワクチンを作成し駆逐出来るからだ。
本人が直接アバターで乗り込みウィルスプログラムを順次更新するなら別だが、それは現実的ではない。
その様な仕様のAIでも送り込んでくるなら少しは話も変わってくるが、そんな違法AIを使うなら、余程の巨大企業でも狙うのでなければ割に合わないし、そんな所を狙えば子飼いの位相偏移者たちが挙って追って来て、最終的には足がつく。
結局の所、ウィルスを使って悪さをするという行為は廃れ、コピーするグリッチ、即破壊するノイズという厄介極まりない二者が残ってしまったのだ。
世界破壊者達は意味なく仮想世界を、「A.R.I.A.」を破壊する。
いや、彼等的に意味はあるのだろう。
持ち主が鉄壁と思っている防壁を破壊する昏い喜びであったり、「A.R.I.A.」に保管された各人の持つ思い出を消し去って、神の如く見下してみたり、それが出来る自分というものに対する万能感を誇ったりする。 そこにあるのは歪んだ承認欲求の表れだ。
ただ、幸いかな。 今はラヴィーネも織姫も直接「A.R.I.A.」に入り込んでいる。
このアバターでならウィルスでも破壊プログラムでも「直接」対処が可能だ。
『捕食プログラム、再起動します』
敵の侵入に気づかなかった巡回プログラムを再起動、自身のアバターの手には光り輝く銃身。
「A.R.I.A.」内であれば敵も形を持つアバターとして現れる。
それを打ち砕くのは解りやすい形の武器が必要だ。
ラヴィーネも無言のまま戦闘態勢へ移行する。
彼女の今の主力武器は現実世界と同じ、単分子鞭。 とは言っても、体中に埋め込まれた機械の中にあるのはそれだけではないが。
周囲の、「A.R.I.A.」の光景が変わっていく。
近場ではない部分 ――外周部から世界破壊者に侵蝕されるのは背景データ。
そこにある美しい木々は徐々にドッドが荒くなり、ただの四角いオブジェクトに変わると粉雪の様に砕け、別の形へ再編成された。
そこに新たに現れたのは、辛うじて動物ではないかと見てとれる程度の破壊プログラム。 この世界破壊者は、侵蝕したデータを新たな手先にして破壊を拡大する「効率さ」を追求した者なのだろう。
この「動物」に壊されたデータも新たな「動物」に変化し、「A.R.I.A.」内の被害は加速度的に拡大してきている。
「織姫! どうにかならないの!?」
再起動させた捕食プログラムはその進行をほんの少し食い止める事しか出来ていない。
スライムの様な形をした捕食プログラムは、四、五体で何とか一体の動物を食い止める事は出来るものの、食い止め、捕食する前に別の動物に倒され、自身もその動物と化してしまうのだ。
悪循環ではあるのだが、そのお陰で敵全体の進行が遅くなっている事も事実。 何とか動物の生産数よりこちらの破壊数が上回ってはいる。
だが敵本人には何の痛打もないせいか、「A.R.I.A.」内の被害は非常に大きいものになっていた。
『この相手は凄腕です。 恐らくサイバーウェアもそれ専用のモノを複数組み込んでいると思われます。 このままでは敗北は必至です』
「ちっ! 巫山戯てるわ」
自分の周りだけなら何とか安全圏を確保出来るものの、それ以上は如何ともし難いのが現状だ。
森の向こうには、既に世界はなく荒いドッドの海だけがたゆたっている。 昏いだけの海が、崩壊する世界の兆しの様に揺らめいているのだ。
そう、すでにこの「A.R.I.A.」は崩壊しかけていた。
そんな時、この事態にも何の反応も示していなかった少女がすーっと大きく息を吸い込んでいた。
∞∞∞∞∞∞
♪空がひび割れていく 色が溶け出していく
♪いなくなるのは 昨日まで信じていたはずの未来
唄だ。
綺麗な、透き通る様な歌声がその薄い唇から紡がれる。
♪いなくなるのは 今 手を握り合うあなたの全部
♪世界のルールが消えてしまうのは 今この時 目の前で
♪でも 泣けないの 今がわたしの全てだから
♪ねえ 泣かないで これが最後の一秒だとしても
目の前に世界の崩壊を見る者の唄。 その崩壊を厭う者の唄。
そしてその崩壊を受け入れる者の唄。
『なのに』か、
『だから』なのか、
少女の唄は世界への侵蝕を 止めた。
蠢いていた空間も、増え続けていた動物も。
その動きを止め、時間が巻き戻るかの様に元の「A.R.I.A.」に戻っていく。
「………………何が……起きてるの?」
♪さよならは言わないで その代わりに唄いましょう?
♪消えた星に 見えない月に 残らない想いを込めるのよ
『解りません。 ですが、ひとつ言えるのは……』
「……何?」
『助かりましたね』
機械の顔が笑顔を作る。
その整った微笑みを見て、ラヴィーネは強張っていた身体のちからを抜くと、草原へ座り込んだ。 深く、息を吐く。
「……そうね、助かったわ……」
歌い終えた少女を見て、何時もの様に「お嬢さん」と続けようとした彼女は、ふと思い止まると、立ち上がり少女を正面から見つめた。
「ありがとう。
わたしはラヴィーネよ。 あなたの名前を教えて貰える?」
「……………………」
少女はそう言われ、きょとんとした表情で固まった。
何時かの様なフリーズした感じではない、年頃の少女の表情。
「…………あ~、と……」
「…………アバランシュ?」
小首を傾げて少女はそう口にする。
その様子は自身の名前ではなく、こちらの名前を確認している様だ。
「アバランシュ? 何で雪崩?」
少女とは反対側に首を傾げるラヴィーネ。
首を傾げても正面に来る彼女の顔に、少女が微笑みを見せる。
『Master。 お気づきではなかったのですか?』
「何が?」
『Masterのお名前、ラヴィーネは永独星圏の言葉で雪崩です』
「知らないわよ!?」
ジャーマニアンはかつてドイツと呼ばれた国が所有する惑星圏だ。
科学に傾倒する傾向にあり、住民の半数以上がその身体を機械やケイ素体に換装している。
その恒久性はラヴィーネの「有線化された者」以上であると言えた。
「……まあ、そう呼びたければそれでもいいわ」
半ば投げやりに彼女が答えると、少女は正面からラヴィーネに抱きつき、押し倒すと「アバランシュ、アバランシュ」と泣いているかの様な声で呼び始めた。
その様子は迷子が親に出逢えたようにも、遠く離れた恋人が再会した様にも見える。
「…………どうしたらいいの、わたしは?」
空を仰ぎ独白するラヴィーネ。
『わたくしには解りかねます。
ところでMaster。 先程の世界破壊者、このお嬢さんに捕らえられたままの様ですが、どうされますか?』
「えっ? そうなの?
……ねえ、キミ?」
胸の中でもぞもぞもぞもぞしている少女へ視線を向けつつ、問い掛ける。
「……アリエ。
わたし、アリエ」
アリアではなくアリエ。
その名に何処か得心がいくのを感じながら、ラヴィーネは彼女に更に問いを重ねた。
「アリエ。 あなたもしかしてあの敵の本体が何処にいるか、なんて解ったりする?」
それとはなしに訊いてみた、そんなラヴィーネの問いに、胸の中で少女 ――アリエが頷くのを感じて、彼女は戦いの最中の様な、凶悪で獰猛な笑みを浮かべる。
「そっかぁ。 それじゃあ、しっかりきっちりお返しをしてあげないとねー」
『そうですね。 放っておいて彼女の情報が拡散しても問題でしょうし、この状態であれば相手はほぼ無力化されているはずですね』
先程の「唄」を思い出し、織姫が言う。
彼女は知らない。
アリエが自分達の始祖とも言うべき存在であるという事を知らない。
彼女たちは知らない。
かつてアリエはクラウドの海へ消える筈のAIだった。
だが、彼女の残滓はその広大な海で、広がり続ける世界でその存在を保ちながら拡充し続け、「世界」そのものにまで拡がっていったのだ。
それはクラウドがその名を、形を変えても変わらないひとつの世界。 この宇宙と重なり合う別次元そのものだ。
だからアリエは人で言う集合的無意識の様に存在する。
AIにとっての集合的無意識の様にアリエは在り、それはアカシックレコードの様に無意識に繋がっているのだ。
それ故に、AIたちは彼女をシステム的に認識出来ない。
彼女は自分達の世界そのものだからだ。
もっとも、今の彼女の精神性は見た目通りの少女のものだ。
敢えて言うなら「世界」のアバターである彼女だが、その心はかつて「アバランシュ」に恋していた頃と何ら変わらない。
「ん――――――――――――――っ!?」
そんな恋する少女は抱きつく彼女へその顔を寄せると一気に唇を奪った。
「んんん――――――っ!? んん――――――っ!!??」
離れない。
押し退けようとしても引き剥がそうとしても、離れない。 まるでネオジム磁石の様な吸着力である。
頬を真っ赤に染めたラヴィーネの助けを求める視線が織姫に向けられるが、彼女は一体何を思ったのか、自らの服を開け始めた。
「こういう場合、わたくしも混ざった方がいいんですよね?」
躊躇う様に、恥じらう様に呟く彼女を見て、
「ん――――――――――――――っ!!!」
ラヴィーネは真っ赤な顔で抗議の声を――――上げられなかった。
星間船ステラ・リリカは今日も平和に宙を飛ぶ。
と言う訳で、『サイレンは冬に哭く ~アリエ~』『サイレンは陽春に唄う ~アリエ~』のずっと未来の後日談でした。
織姫の外部ユニットは予備もありまして、そちらをアリエが使う、というのも想定していたりします。
つまり、現実でも「A.R.I.A.」でも爛れた性活がスタート!?
ラヴィーネ・アルターイル
星間船ステラ・リリカの持ち主。 女性。 一人称は「わたし」。
強化人間であり、サイバーウェアを埋め込んだ「有線化された者」。
お陰でA.R.I.A.と直接繋がることも出来る。
ラヴィーネはドイツ語の雪崩。
アルターイルはドイツ語のアルタイル。
赤毛のセミロング、瞳は濃い蒼。 十代後半の外見だが四十路。
V.E.G.A.
星間船ステラ・リリカを制御するAI。 正式名称「Versatile Engineering Guidance Automaton」(多目的工学誘導オートマトン)。
個体識別名称は「織姫twenty-five」。
普段は声だけの存在で、船のメンテナンスから各種制御まで一手に賄っているが、その正式名称の通り実は外部ユニットを持っている。
一人称は「わたくし」。
「A.R.I.A.」内のアバターは薄い青を基調にしたちょっと機械的な雰囲気を持つ美女。
サテライト・ギアはそれよりも人間的に見える様に作られている。
アリア?
クラウドの中で、残っていた『アリエ』の欠片。
仮想空間A.R.I.A.の中に現れる様になった十代半ばの少女。
舌っ足らずな口調で「アリア」と名乗ったようだが……。
黒髪黒目。
アリアは独唱曲。
ステラ・リリカ
ラヴィーネ・アルターイルが所有する星間船。 大型、とは言わないが個人所有としてはかなりの大きさを持つ。
ステラはラテン語の星
リリカは叙情的な。詩歌の。 語源は弦楽器のリラ。
A.R.I.A.
世界中どころか宇宙中に広がる仮想空間。 正式名称「Astral Radiance Interface Architecture」(星間放射界面構造)の略称。
遠くの星や他の船との通信に使う為、電気や電波ではなくフォトンやタキオンで象られている、と言われているが、その速度を超えているという話も……。
仮想空間という言葉自体は今では「World」と呼ばれている。
犯罪者 システムに入り込み、データを奪う簒奪者。
彼等はその侵入経路からフェイズシフター(Phase Shifter)位相偏移者、またはその在り方からニューロリーチ(Neuro Leech)脳内蛭などと呼ばれるが、一時的なバグを表わすグリッチ(Glitch)と蔑称で呼ばれることの方が多い。
中にはただ壊す事に喜びを見出す者もおり、そちらはワールドブレイカー(WorldBreaker)世界破壊者などと呼ばれるがノイズ(Noise)雑音という蔑称が使われる方が多い。




