第24話「魔力適正」
※本作の制作にあたり、誤字確認や構成検討の補助としてAIツールを利用しています。本文は作者が執筆しています。ご了承の上、お楽しみください。
僕達が孤児院に来てから3日だった。
ヴァンはある程度回復したようだが、リーネは心配だ。
特に朝起きて、僕がいないと探し回るようになった。
まだ、立ち直れていないんだ。
僕達は何をしているわけでもない。ただ、ヴァンと僕は、周りの子供と話すことぐらいはできるようになった。
なんとなく察したが、ここにいる子たちは僕達の境遇と変わらないようだった。孤児院だしね。
ただ、リーネだけは、話掛けられても反応しない。僕が話しかけたり、行動を促したら、答えてくれる。
これは、時間が解決してくれるのだろうか?
そう思ったら、ユミル先生が僕達3人に話しかけてきた。
「今日は、教会に行きましょう。貴方達に魔力の適正があるか調べておきたいの。」
そういえば、村長が街に出れば、魔力適正が調べられると言っていたな。教会で調べるのか。
「はい。分かりました。リーネ。ヴァン。行くよ。」
「うん。」「ああ。」
二人共返事をしてくれた。
そうして、ユミル先生に連れられて、教会に行く。
教会に付くと、お花も植えられてあって、鐘も設置してある大きな施設だ。
なんとなく、ゴージャスな感じなのは気のせいだろうか・・・。
周りにも、人がいて、何かを待っているような感じだ。
中に入ると、聖職者のような服をした人が対応してくれた。(実際に聖職者なんだろうけど)
「黒髪?」「黒髪がいるぞ。不吉な。」「迷信で人を罵倒してはいけません。それが聖職者のやることですか?」
声が小さいがしっかり聞こえてくる。ここでも、黒髪は何かあるようだ。
中に進むと、ガラス張りの杖をかざしている絵がある部屋の中心に比較的大きな水晶があった。あれはこの世界の神だろうか。
壁の周りに聖職者の人達が沢山いる。
「この水晶に手をかざして、意識を集中してください。そうすれば、適正がわかります。そこの少年。君から来なさい。」
成程。これで調べるのか。まずは、ヴァンからか。無言でヴァンは水晶に前に行き、手をかざす。
そうしたら、水晶が光った。その後は文字が浮かび上がってきた。無<闘・治癒>という風に見える。
「ふむ。君は魔力適正があるようだ。無の闘と治癒の適性のようだ。良かったな。」
「お・・・おう。」
「君は強くなれる。私が保障する。」
「ほんとか!よっし!」
ヴァンは喜んでいるようだ。
「次は君だ。」
リーネが呼ばれるが、動こうとしない。
「うん。大丈夫だから。行っておいで。」
僕が言うと、ようやく水晶の前に立って、手をかざす。
・・・しばらく経っても何も起きない。
「ふむ。君は魔力適正が無いようだ。だが、安心してほしい。何も魔力適正が無くても生きていけるのだ。ここで残念がる必要はない。」
リーネはそう言われて、そのままこちらに帰ってくる。
「うん。大丈夫だよ。リーネ。」
僕はいつだって、リーネに大丈夫と言い続ける。
「次は、そこの黒髪の少年。君だ。」
僕が呼ばれて、同じように水晶に手をかざす。
ヴァンと同じように、水晶が光っり、文字が浮かび上がって重力と表示される。
「重力?」「なんだ?重力って」「初めて見たぞ。」「重力ってそれ属性なの?」
ちょっと、周りが騒がしくなった。
「静まりなさい!うん。君には魔力適正があるようだ。重力というのは・・・私も初めて見るがそのような属性があるようだ。」
周りの反応からして、そうなのだろう。別の聖職者の人。今度は女の人だ。話しかけてくる。
「はい。これにて魔力適正調査は終了です。ちょっと、こちらに来ていただけないですか?」
どうしたんだろう?そう思って、ユミル先生を見る。頷いてくれたので、了承した。
客間のような場所に案内されて、ユミル先生を含め、4人で座る。
そうしたら、聖職者の人が説明してくれる。
「まずは、ヴァン君。君は治癒の適正がある。治癒適正のあるものはキリエ山の修道院で修行することになる。」
「はぁ!なんだそれ!強制かよ!」
ヴァンは突っかかるが、僕がなだめる。
「ヴァン。ちゃんと聞けって。そこで、魔力を鍛えて、治癒も使えるようになったら、きっと強くなれる。ヴァン。君は修道院に行くべきだと僕は思うよ。」
正直、ヴァンはメンタルにダメージは追っているが、やんちゃぶりもあって、なんとかなりそうだと思った。
「お・・・おう。わかった。」
なんとか納得してもらって、座ってもらう。
「カナメ君。君は・・・重力の適性がある。重力というのが、前例にないが、属性魔力の適正持ちは魔道ギルドに行くようになる。」
やっぱり、異世界か・・・ギルドってあるんだな。
「魔道ギルドに在籍してもらえば、一定の年齢まで衣食住付きで魔道に関する基礎知識と属性の成長及び進化させる体制が出来てる。君を全面的にバックアップしくれるだろう。」
これは、好待遇だな。これなら、僕はもっと強くなれるかもしれない。強くなったら、僕の村のような悲劇を起こさずに出来るかも。
「っ!!?」
僕の手を握られ、思考を止める。
リーネの顔を見ると、今にも泣いてしまいそうな崩れそうな顔をしている。それに、手だけじゃなくて、袖もしっかり掴んでる。
アルスさんの言葉を思います。(「カナメ。リーネを一人にするな」)
ダメだ。リーネを置いていく未来を想像してしまった瞬間、無理になった。
「すみません。僕は孤児院に残りたいです。」
そう宣言したが、聖職者が反論を言う。
「君は自分の資質を伸ばすべきだ。結果的に、多くの者を助けられるチャンスも生まれる。よく考えなさい。」
その通りだ。確かにそうだろう。だけど、僕は今大切しないといけないものがあるんだ!
「すみません。重力という属性は、過去に一度も聞いたことがありません。今の魔道ギルドでもその属性について、十分な教育的メソッドもないはず。そうしたら、魔道ギルドに入るメリットも小さいと私は感じます。」
そういって、ユミル先生が助け船を出してくれた。
「私もエルフである以上、魔道の知識はそれなりにあります。カナメ君は孤児院で引き取り、魔力を伸ばす訓練や属性の進化は私のほうで行います。妥協点としてそれでどうでしょうか?」
「・・・・・・わかりました。ですが、おそらくギルドからの定期的な演習や面談等は発生すると思いますので、それをご了承ください。」
「はい。わかりました。」
最後は僕が返事をする。
教会の外に出ると、もう馬車が待機していた。そうか、周りの人達は、修道院と魔道ギルドの人たちだったのか。
「ヴァン・・・。」
今生の別れでもないのに、泣きそうになる。
「カナメ。俺さ。強くなるよ。村をさ。もう一回立て直そう!」
中々、大変なことを言ってくる。だけど、向こう見ずなところはヴァンらしい。
「うん。頑張ってね!ヴァン。」「じゃあね。ヴァン」
ヴァンは馬車に乗る。そして、馬車は動き出す。前向きな別れになってよかった。
「カナメ君。貴方は大人ね。」
ユミル先生がそう言ってくれた。
そうして、孤児院に戻り、布団で眠る。
また、リーネが僕の布団に入ってきて、眠る。
僕は決断した・・・状況に流されてるだけかもしれない。きっと間違っていない。そう思うしかなかった。




