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第00話「観測」

※本作の制作にあたり、誤字確認や構成検討の補助としてAIツールを利用しています。本文は作者が執筆しています。ご了承の上、お楽しみください。

そこには空も大地もない。


影などなく、明るさだけが存在する場所で、二つの声だけが存在していた。


「質問があります。なぜ、あの人を"送った"のですか?」


姿は見えない。だが互いを認識していることだけは確かだった。


時の流れも距離の感覚もない。何もないところに、ただ一つの出来事について、言葉だけが交わされている。


「私には理解できません。あの人は、"普通の人"ですよ。」


「分かってます。」


「英雄も勇者も素質がありません。」


「それも分かってます。」


「それならば、なぜあの者の魂を?」


「蛮勇であることは必ずしも良い結果が生まれるとは思いません。」


「あの者が、世界を救えると?」


「そこまでは言ってません。でも、後悔しない生き方というのが、逆境の中で生まれるものです。」


会話は終わった。


何が始まったわけでもない。何が終わったわけでもない。


ただ、一つの魂が歩む道を、静かに見届ける者がいるという事実だけが残った。


その視線は干渉しない。救いもしない。


ただ、観ている。


それだけだった。

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