第18話「出産」
※本作の制作にあたり、誤字確認や構成検討の補助としてAIツールを利用しています。本文は作者が執筆しています。ご了承の上、お楽しみください。
物々しい気配で目が覚めた。
「起きろ!カナメ!起きるんだ!」
真夜中にいきなり父さんに叩き起こされた。
「うーん。どうしたの?父さん。」
正直眠い・・・。
「母さんが陣痛が始まった!」
「えええええ!!」
布団から飛び起きた。眠気が一瞬にして覚めた!
「ど・・・どど・・・どうしたいいの!?」
正直、気が動転している。
「カナメ。落ち着け。まずは、村長だ。村長の娘が出産に何回か立ち会ったことがある。村長の娘を連れてきてくれ。」
「わかった!」
ランタンを持って、外に出る。外は寒かったが、気にしている場合じゃない!
村長の家に着いた。問答無用で扉をドンドンと叩きまくる。
「村長!村長ーーー!起きてください!村長!!」
「なんじゃ。どうしたのじゃ?カナメ」
村長が出てきてくれた。喋ろうとしたけど、息が切れて声が出てこない。
「何があったのじゃ?普通じゃなさそうじゃ。」
乱れていた息を整えて、村長に言う。
「母さんが。母さんが陣痛が始まったんです!」
「なんじゃと!?それは大変じゃ。娘を連れてくる!おーい!!」
村長が家の中に戻って、すぐ娘さんを連れてきた。
二人を手を持って、引っ張って家につれてくる。
娘さんが僕に伝えてくる。
「カナメ君。大丈夫よ。外で待っててね。」
父さんと共にお外に出されてしまう。
「父さん。母さんは大丈夫だよね?」
出産なんて前世でも経験がない。ましてはここには、高度な医療機器なんてないのだ。
落ち着けと言われても無理がある。
僕の頭を抱きしめながら、父さんは僕に言う。
「大丈夫だ・・・大丈夫。」
自分に言い聞かせてるようにも見える。僕は何も言えなくなってしまう。
母さんの苦しい声が今も聞こえる。
娘さんが母さんに「声は出さないで、全部の力を下に込めてみて」と言っているのが聞こえる。
いつまで待てばいいのだろうか。ただ、待っているしかできない。
父さんに抱きしめられながら、ランタンの火を見続ける。
そう思っていたら、母さんの声が聞こえなくなった。
まさか・・・そんなはずないだろ。最悪な想像をしてしまう。そう思っていたら。
「おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあー!」
「産まれたのか!」
父さんは一目散に家の中に入る。
僕もダッシュで付いていく。
そうしたら、お湯で赤ちゃんを拭いている村長の娘さんがいて、村長が母さんに治癒魔法をかけていた。
「シンヤさん。元気な女の子ですよ!」
「おお!ミレイ!よく頑張った!よくやったぞ!」
「母さん。すごいね!」
もはや、語彙力がないが、そうとしか言えない。
赤ちゃんの手はとても小さいがしっかり生きている。
娘さんの腕に抱かれた小さな体は、驚くほど赤くて小さかった。
生き物というより、壊れ物みたいに見えた。
でも、その小さな胸が必死に上下しているのを見て、僕はやっと息ができた。
「前から考えてたわね。女の子だったら、アンナって名前にするって。」
アンナか・・・。可愛らしい名前だ。
多分覚えてないと思うが、僕も手を握りながら語り掛ける。
「アンナ。僕は君の兄になるカナメだ。よろしくね。」
僕はしばらく、アンナのそばを離れられなかった。




