表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/19

第16話「違和感」

前世の僕がテレビの前で座って、ゲームで遊んでいる。


これは、夢だ。前世の夢。


「(うっわ!敵強い!ブラックホールとか強すぎだろ!)」


夢が移り変わっていく。


「(グラビティ・シールド!これで敵の攻撃を2割カットだ!)」


夢の中の僕がしゃべっている。とても、楽しそうだ。


学校でも必殺技の名前をノートに書いてた。


オリジナルの技を空想していたこともあった。


そうか・・・そうだった。前世で年齢を重ねて忘れていた。


僕は重力制御に対して憧れがあったんだ。


(だから……この力を持って生まれてきたのか?)


そう思ったところで、目が覚めた。


懐かしい夢だ。思えば、今まで重力制御って声の主から言われたから、重力の加重と軽減しか練習していなかったけど、他の技の可能性も模索していいのかもしれない。


そう思いつつ、今日は気持ちを切り替えて、父さんに狩りに参加してもらえるように頼んでみよう。


「父さん。税が上がったって話を聞いたんだ。僕も狩りに参加させてもらってもいいかな?」


「カナメ。お前はそんなことを心配しなくても・・・いや、そうだな。カナメ、参加してくれ。」


「うん。父さん。」


父さんも母さんの事や税の事を考えて、僕の参加を承諾してくれた。


前回と同じように村の出口に集まって、盾を貸してもらって、村の外に出る。


ヴァンも一緒なところも前回と一緒だね。


「カナメ。下手こくなよ!」


「分かってるさ。」


お互いに軽口を叩く。


「よし!今日は俺が行く!」


大人の一人が手を上げて、森に潜っていく。


しばらくして、魔物が歩くような振動が伝わってきた。


「来るぞ!準備はいいか!」


大人が帰ってきて、その後ろからアグルニが出てきた。


大丈夫、今度は落ち着いている。


「カナメ!」


「うん!分かってる!」


僕は、前回と同じように左に展開する。


あの時の失敗がよぎる。拳が砕けた時の痛みを思い出す。


大丈夫だ・・・大丈夫。やるべきこと・・・出来ることは分かってる。落ち着け、僕。


「グルアアァ!」


深呼吸をしようとしたら、アグルニが突進してきた!


しまった!反応が遅れた!でも、今回は前回の通りには行かないぞ!


突進の瞬間を狙って、アグルニに重力を一気にかける。


突進しようと突っ込んできたアグルニが躓いて突進が転ぶ。


「行け!皆!押さえろ!」


よしよし!これで盾役は楽勝だ!後はしっかり押さえて、槍持ちが仕留めてくれれば。


「よし!槍で仕留めろ!」


一斉に槍持ちがアグルニを仕留めるべく槍を刺す。


「グググゥ!」


アグルニが動きを止めて絶命した。


「よし!今回も運が良かったな。アグルニが躓いた。」


うん。僕のおかげなんだけどね。


そう思っていると、森の影から大きな狼のような魔物が出てきた。


「ビックリュコス!なぜこんなところに!?」


父さんが叫ぶ。


なんだ?珍しい魔物なのか?


そう思っていたら、ビックリュコスは僕の方に向かって走ってきた!


うわ!速い!そう思って盾を構えた。


「うぐ!」


危なかった噛みつかれたら腕とかもっていかれてたかも。ちゃんと盾で防いだからなんとかなった。


「カナメ!皆、ビックリュコスを仕留めろ!」


そうして、大人達が僕を助けようとすると、ビックリュコスは後ろに跳躍して距離を取った。


うわ。マジで速い。けど、アグルニに比べたら、そんなに力は無かったのかも。


そう思って、僕は魔物に向かって、重力加重してやった。


「くらえ!」


そしたら、魔物は地面に這いつくばる。


やっぱりだ。アグルニに比べて、力が無いぞ!


「もういっちょ!」


多分もう動けないと思うけど、盾で頭を押さえてやれば安全だ!


「よし、仕留めるぞ!」


そうして、槍持ちが槍を四方から突き刺し、ビックリュコスは絶命した。


「ふぅ。なんとかなった。しかし、突然ひれ伏したぞ。何が起きたんだ?」


ヴァンのお父さんがひと仕事した感じでつぶやいた。


「カナメ。お前は・・・いや、今聞く話じゃないな。」


父さんが僕に何か言おうとしたが止めたようだ。


「父さん。この魔物は?」


「この魔物は、ビックリュコスって言ってな。肉は少ししか取れないが、皮は売れる。高くはないが、行商人が来たときのいい土産になる。」


おお!一応お金になるのか。


「こいつは素早くて危険なわりに、過食部位が少ない。だから、こいつが生息しているところには人は住まない。だから、この辺りにはいない魔物のはずだ。一体なぜ?」


成程。ここら辺にいない魔物なのか。


税の徴収が上がったこと。普段いない魔物が現れたこと。


何やらきな臭い感じがして、落ち着かない雰囲気になった狩りだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ