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第1話 王様、元魔王を拾う。

初めまして、社畜しゃちく ぜろです。


5歳の幼女が、ひょんなことから元魔王を従えて、幸せな国を建国していく物語です。

会話劇を中心に、基本的には「ゆるく・楽しく」進んでいきます。


もしよろしければ、最後までお付き合いいただけると嬉しいです!

 「おなたへったなぁ........。パパ帰ってこないなぁ~。」

この物語の主人公「神童 ルカ」は、現在空腹だ。シングルファザーの家庭で一人娘だ。

父は、ここ1週間ほど帰宅していない。ルカは仕事だと思っている。

しかし、ただの失踪だ。5歳の娘一人置き去りに.....。

部屋はゴミだらけ。コバエは飛んでる。匂いもすごい。

そして、とうとうルカの命は尽きようとしている。


 「パパ~ルカは先に寝るよ。帰ってきたら起こしてね....。」

そしてルカの命は尽きた....。


 そしてルカは目を覚ました。

「ん?どこ?ここ。」


 ルカは、転生前と同じ、頬はこけ、痩せ細り、服もボロボロだ。そんな状態で、転生したのだ。この世界に神なんてものはいない。


辺りを見渡すと、天にも昇るほどの大きな森林がルカの目の前に広がっている。

さらに、きれいな川もある。

 川のせせらぎ、心地よい風。まるで、天国のようだ。


 そう。ルカは異世界へと転生を果たしたのだ。

「どうしよう~。誰かいませんか~?」

か細い声で精いっぱい声を出す。


すると目の前に2mはあろう大男が天より降ってきたのだ。

(ズドンッ)


「うわっ!!!」ルカはびっくりして腰が抜けた。

しかし子供の好奇心はすごい!即座に

「おじさん大きいね!だれ?かみさま?」


 目の前には、軽く2mはあるであろう、大男が。

幸いにもその男は容姿端麗であり、見事な体躯たいくをしていた。

青い瞳。

肩まで伸びた銀に近い白髪。

全身黒ずくめの男。


「そうか!俺が神に見えるか!見込みがあるな!ガキンチョ!」

この大男は満面の笑みでルカに応えた。

「ガキンチョじゃないよ!ルカだよ!神童ルカ。」


「ほぉ~。自らを神童と名乗るか!まったく図々しいガキンチョだ。ところでお前は、こんなところで何をしている?親兄弟は近くにいるのか?」


「ううん....。いないよ。起きたらここにいたの。パパもいないし。ひとりぼっちなの。」

「そうか!!!俺は魔王だ!魔王・ジグラス・ドーマ。ドーマ様と呼べ!」

(.....こいつも転生者か.....。まさか、こんなことがあろうとは。)


 「ねぇドマちゃん。おなか減った。」ルカは小悪魔のような顔で、ドーマを見上げる。

「おい待て。ドマちゃんっておれか!?」

「そうだよ。?」

「まぁいいか。で、ルカ腹減ったのか?肉を捕ってきてやろう!」

「お肉!!?食べたい!!!」


するとドーマは、一瞬にしてイノシシを捕ってきた。時間にして3秒弱。

ドーマは、魔法や魔術の類いは一切使えない。己のフィジカルのみで最恐となったのだ。

すると、ドーマは小石を軽くすり合わせ火を起こした。

そして肉を焼き、ルカと共に食す。


「ドマちゃん!お肉って美味しいね!」

「お肉ってね、あんまり食べたことないからすごく嬉しい!」


「お前、肉がそんなに珍しいのか….?」

「うん!お肉ってね、すごく高級なの!パパが元気の時だけ食べれるの!噛むとね、ビヨーンって伸びるの!だからね、ちゃんと噛んで食べないとダメなんだよ!」

(こいつは、スラム街からでも来たのか…?)

「はい!!ドマちゃん!一緒に食べよっ!」

「そうだな!熱いからゆっくり食えよ!」

「うん!!」

ルカとドーマは満腹になり、お互いの話をした。

「ルカは、これからどうするんだ?」

「わかんない。パパもいないし、ここもわかんないし…。」

「じゃあ、お前俺を拾わないか?」

「拾う?」

「そう!お前が俺の主になるっていうことだ。要は一緒に冒険しよう!ってことだ。」

「冒険!!?ドマちゃんも一緒に?でも、ルカは何にもできないよ?」

「お前が主なんだからいいんだよ!」

「じゃあ、一緒に冒険する!!」

「じゃあ決まりだな。とりあえず今日の寝ぐらを探すぞ!」

「おーーー!」

「…でも、眠くなってきた…。」


ここで、ドーマについて少しだけ触れておこう。

ジグラス・ドーマ。

 とある魔界で、最恐の魔王として君臨していた男である。

しかし、強すぎるが故に戦いに飢えていた。

ドーマは、転生というシステムを理解しており確率は低いが転生を期待して何度も自決を行ったが、全く死ねなかった。回数にしておおよそ、1000回以上。

刃は砕け、毒も効かず、不意打ちも当然効かず。

しかしとある日、ドーマは一人散歩に出かけた。すると不意に背後から見ず知らずの子供にカンチョーされた。

それにびっくりしたドーマの心臓は止まった。そして絶命し、確率の低い転生に成功したのだ。

そう。ドーマは魔力がない分、人並外れた五感を持っている。殺意や敵意はもちろん、人感センサーのようなものも持っている。しかし、コンディジョンに左右されるためその日は偶然自慢の五感も働かなかったのだ。


 そして、時は戻り現在。

ルカをおぶって、ゆっくり歩くドーマ。

ドーマはふと、森に目を向ける。(...ん?獣か?まぁ、いいか)

そして、彼はすでに今日のねぐらを見つけた。

ドーマは子供が好きだ。背中に感じる温もりに、癒しさえ感じていた。ドーマを見て、怯える様子もないルカにドーマは一瞬にして心を奪われたのだ。

 それもそうだ。大柄な体型に魔王たる威厳を持つこの男。

老若男女問わず、怯えてしまう。当然の摂理だ。


 力こそ全てのちょっとバカな元、魔王

 毒親の元で育った若干5歳の幼女。

この二人が今後、この世界をガラリと変える事はまだ誰も知らなかった。


 そして、ある小さな村とも呼べない場所へ着いたルカとドーマ。強いて言うなら、庵と言おうか。

 数軒の家というか、小屋?がある。

一応、一人だけ門番らしき男が竹槍を持ち立っている。

 当然、城壁などもなくどこからでも攻められる。

門番など意味がない。弱そうだし。

 そして、ルカとドーマが庵に到着!(ルカは寝てます。)


「おい。寝床を貸してくれないか?俺の主が、寝てしまったんだ。頼む!屋根があればなんでもいいぞ!」

 ドーマは、何故かとても偉そうに言う。

「ふ、ふ、ふざける!貴様どーゆーつもりだ!見て分からんか!金などない。何の財宝もないぞ!」

村人は、とても怯えている様子でドーマに問うた。


「お前は、人の話を聞いてないのか?寝床を借りにきたと言ったぞ。これは、手土産だ。」

そう言うとドーマは、先ほどの猪の余りを差し出した。

「余物で悪いが、受け取れ。足りなければすぐに取ってくる。」

「お願いします。どうか、お引き取りを。我々は、ただでさえ国を追いやられ、行くとこがございません。皆、家族もおります。助けてください。」

 「本当に人の話を聞かぬ奴らだな。俺はただ、寝床を貸してくれと言っただけだ。危害を加えるつもりはない。主が起きるだろ。静かにしてくれ。」

「本当ですか....?」

「あぁ本当だ。」

「申し訳ありませんでした。どうぞこちらへ。まずは、長老の元へとご案内させてください。」


閑散とした、庵の最奥にポツンと一際大きい小屋がある。とはいえ、小規模な庵だ。大きいとはいえ、たかが知れている。

そこには、杖をつき腰が曲がった老人が立っていた。

ドーマは、座るように告げた。


「長老さん。悪ぃが寝床を貸して欲しいんだが?主がお疲れのようでな。」

「勿論でございます。猪の手土産大変感謝申し上げます。我々は、狩猟の知識がありませぬので、肉など久しく食うておりませぬ。ありがたく頂戴いたし、未来ある子供らに食べさせたく存じます。」

「こんな所ですがどうぞ、ご自由にお寛ぎくださいませ。」

「助かる。あ、あと猪はいつでも獲ってきてやる。」

「明日の朝、主が起きたら改めて挨拶させてくれ。」

「では、どうぞこちらへ。」 「おぅ!」


ルカとドーマが通された部屋は、予想より立派な部屋であった。屋根もあり、壁もある。何より藁のベットがあるのだ。しっかり布を被せてあって、寝心地も良さそうだ。


「おい。まさかここ、長老の寝床ではないのか?俺たちに貸してもいいのか?」

 「勿論でございます。長老より、どうか丁重にと仰せ使っております。」村人は、そう言うと足早に去っていった。


(...全くどういうことだ。まぁ、とりあえずルカがぐっすり眠れればそれで良いか。)


 一方その頃、長老は庵の中心人物を集めて話し合いを始めた。

「お主らよく聞け。あのお方達は、おそらく神だ。我々のこの貧しい生活にも終止符を打っていただけるであろう。

特にあの大男の抱えていた、子供は世界を変える。私はそう思う。勿論根拠などない。」

 「しかし長老。私たちには、そうは思えません。どう見ても、悪魔。いや、魔王ではありませんか。こんな小さな庵なら一瞬で消えてしまうでしょう...。」

 村人達の意見は妥当である。あんな大男がいきなり押しかけてきたのだ。しかし、こんな庵を消すメリットがないのも事実。話し合いは、夜通し続けられまずは、主と言っていた子供が来るのを待つことになった...。


 そして朝が来た。

ルカは、スッキリしたように目覚めた。

「ん〜。おはよう...。ドマちゃん。」

「起きたかルカ。あとで、ここに泊めてくれた偉い人に挨拶に行くぞ。」ドーマは、優しく微笑んだ。


「すごいふっかふかだね。ドマちゃんもいっぱい寝た?」

「あぁ。ぐっすりだ。」ちなみに、嘘だ。ドーマは、睡眠を必要としない。ある日を、除いては...。

そして、ルカが完全に目を覚ましドーマに抱き抱えられ長老の元へと行った。

「おじいちゃん。お布団ありがとね。すごくふっかふかだったよ。ルカもドマちゃんもいっぱい寝れたよ!」

 「それは、良かったです。いつまでも、ごゆっくりお寛ぎくださいませ。」長老は、本当の祖父のように優しい目でルカを見つめていた。

それに応えるように、ルカもまた満面の笑みを浮かべていた。ドーマはというと、退屈そうにキョロキョロしていた。

 「じゃあ、長老。俺たちは、今後のことを話し合いたい。もう少し世話になるぞ!」

「勿論でございます。」

 ドーマは、またルカを抱えて寝床へ戻っていった。

そして、ドーマはこれからどうするのか、ルカに問いかける。

 「ルカ。これからどうしたい?新しい町を探すか?それとも、もう少しここに居たいか?」


 「あのねドマちゃん。ここの人たちみんな悲しそうな顔してたよ。畑はあったけどみんなすごく痩せてた。ご飯食べてないのかなぁ?」

 「昨日余った肉を分けてやったんだ。そしたら、すごく喜んでたぞ。お前と同じで、肉が珍しかったんだとよ。」

 「そうなんだ...。あのね、ルカここで王様になりたい。みんなお腹いっぱいにしたい。ダメかな?」


 「いや別に、ダメじゃないぞ。俺もこれから、またどっか行くのはめんどくせーし。お前が主だ。お前が決めていいんだ。俺は、それに従う。」

 「じゃあ、おじいちゃんのとこに行こう!ルカが王様になるって言ってくる!」

足早に駆けていくルカを追いかけながら抱き抱え、長老の元へと向かう二人。


 (ちょこん!)ルカは、ドーマから飛び降りた。

「おじいちゃん!ルカが王様になる!みんなをお腹いっぱいにする!いいよね!!」

(...いきなりそれか...。)さすがのドーマも呆れていた。


 「勿論でございます。では、ルカ様今後とも我々はここに残ってもよろしいのでしょうか?」

 「当たり前じゃん!!ルカは、おじいちゃんたちの王様になるんだもん!!」

 「大変ありがたきお言葉。感謝いたします。では、これよりこの庵は、ルカ様のものとなります。民を集めます。」

すると、長老は一人の側近に目配せを送る。

 そして、長老の小屋の前には数少ない村民たちが集まった。

ルカは、皆を前に宣言する。

 「みんな!今からルカが王様になるから!みんなをお腹いっぱいにするから!みんなお手伝いしてください!」

 村民たちは皆、膝をつき頭を下げる。「はぁ!!」

 「ドマちゃん。みんな何してるの?」

 「まぁ、そのうちお前にも分かるさ。」


 こうしてルカは、王様となり幸せな国への建国が始まりました。今後どんな、困難が待ち受けていてさらには新しい仲間も増えるでしょう。

 幼女と元魔王がこの世界をぶっ壊します!乞うご期待!

読んでいただきありがとうございます!

5歳のルカと、1000回以上転生を試みたちょっとバカな魔王の物語が始まりました。

続きが気になる!と思ってくださったら、評価やブックマークで応援いただけると嬉しいです!

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