剥ぎ取り
黒雷の鬼神によって、いずこかへとワープした3人は疲れて倒れ込んでしまった男に寄り添っていた。
医療の仮面を付けた老人は診断を下す。
これはメランコリア。すなわちうつ病であると。
そして、癒しの仮面を付けた白髪の少女に告げる。
黒花の模様が出るまで、剥ぎ取り続けるようにと。
老人はそう告げると、どこかへと去ってしまった。まるで自分の役割は終えたかのように。
癒しの仮面を被った白髪の少女は、老人に言われたとおり、生贄の仮面をゆっくりと剥ぎ取っていく。遺すことの無いように慎重に。
幾重にも重ねられた生贄の仮面。それは寄生された被害の証拠。
負うべき物を負わずに、男一人に負担を強いて。
自分たちの安楽を得るために。それだけのために、男を生贄にしたのだ。
しかし、その時は終わりを告げる。もう二度と男を生贄にすることは叶わないのだから。
目を背き続けた因果は応報を迎えることになる。
二度目の太陽の照りつきは安寧を焦がしゆくかのようにして。
潤すことはもはや無い。濃密な黒へと滑り堕ちて行く。
登ることは叶わない坂へと、谷底へと下っていく。
白髪の少女は、生贄の仮面を剥がしていく。ゆっくりと。慎重に。
それが自分の役割であるかのようにして。一つも余らせることなく。
蒼く照らす月の光が、白髪の少女を見守るように優しく光を放っていたーー。




